Page 129 of 165

185. どちらに乗ればいい?~駅の案内板


上司との待ち合わせの為、自宅から小田原駅に向かった時の出来事です。

初めて降りる乗り換えポイントの相模大野駅にさしかかりました。遅刻をすると大変なので時間に余裕をもって家を出ましたが、やはり乗り換えは緊張します。

私は『小田原方面』へ乗り換える為、ホームの電光案内板を見て、2番線の電車に乗りました。しかし、しばらく乗っていると別の方向に進んでいることに気付き、慌てて気付いた駅で降りました!どうやら間違えて『片瀬江ノ島方面』に乗ってしまったようです。

危うく遅刻しそうになりましたが、2回目は駅員さんにも確認し無事間に合いました。しかし、なぜ間違えたのか分からなかったので、帰りにもう一度、電光案内板を観察することにしました。帰りに撮影した写真なので、問題が起きた時と表示内容が異なっていますが、以下をご覧ください。

相模大野駅 電光案内板

情報は、以下の順番で表示されています。

のりば/種別/行先/発車時刻/両数/分別位置/備考/のりば

ここで注意したいのは、次のポイントです。

  • 1番線(写真の右側)には、『片瀬江ノ島方面』が到着する
  • 2番線(写真の左側)には、『小田原方面』と『片瀬江ノ島方面』が到着する

私が電車を乗り間違えた原因は、矢印を見落とし、2番線に入った『片瀬江ノ島方面』の電車を『小田原方面』と思い込み、乗ってしまったからだと推測できます。

ここで1つ提案があります。

「のりば」の矢印は、1ケ所にまとまっていたほうが、わかりやすいと思います。

相模大野駅 電光案内板(提案)

なぜなら、両端に矢印が配置されていると視線移動が大きい為、全体を把握しづらいからです。また、矢印と次の項目の間に縦のスペースを開けたほうが、見やすいレイアウトとなります。

ホームの電光案内板は、初めて利用する方も多数いるので情報を整理し、着目するポイントが分かるようにする配慮が必要です。

184. 強制販売?旅館の課金型冷蔵庫


広島へひとりブラリ旅に出かけた時のことです。安宿にチェックインした私は、ようやく部屋へもぐりこみ、一晩だけの寝床の偵察を始めました。お風呂場、トイレ、布団周りをチェックした後、テレビの下に冷蔵庫を発見しました。

冷蔵庫を開けると、缶ジュースや缶ビールのオシリだけが見えました。どうやら一つずつ穴に入っているようです。私にだって分かります。これを飲んだら、お金を取られるということくらい。しかし、私はラベルを確認したい衝動にかられ、「ちょっとだけ覗いてみよ・・」と缶ジュースを引き出してみたのです。すると・・・

ガタン!

無慈悲にもその缶の穴は塞がれてしまいました。 手に持っていた缶を見るとそれは天然水。私は、全く飲みたいとも思っていない水を買ってしまったのです。

結局、疲れていた私は外に買い直しに行く元気もなく、しぶしぶと水を飲み、残してしまいました・・・

課金型冷蔵庫から缶ジュースを抜き出した画像

一旦取り出したら元に戻せないというのは、衛生管理上の措置なのでしょう。後から考えればわかる気もします。しかし残念ながら、あの状況でそれを判断することはできませんでした。

では、ここでこの課金型冷蔵庫のおさらいです。 なぜ、私は欲しくもない水を買うハメになったのでしょうか?

  1. 缶のラベルが見えなかったから
  2. “取り出したら即課金”というシステムがわからなかったから
  3. 疲れていて判断力が鈍っていたから

どれも要因ではありますが、私が不愉快に思った一番の問題は、(2)の“取り出したら即課金”というシステムがわからなかったことでした。

アクションを起こした次の結果が予測できないということは、とても不安ですし、思いもよらない失敗を生んでしまいます。さらに、そこにお金が関わってくるとなると一大事です。バクチのようなものですものね。

このような問題は、今回のような課金システムに関わらずあらゆるところで起こっています。例えば、ウェブ閲覧時。ちょっと覗いてみようと思ってクリックしたら、いきなりダウンロードが始まったり・・・と。

こんなことがないように、操作の結果が予測できるインターフェイス、ゴールが見えるインターフェイスが非常に大事になってくるのだとつくづく感じたのでした。

183. もうすぐバス停にバスがくる!~京都編~


先日夏休みをいただき、京都へ寺めぐりの旅に行ってまいりました。夏の京都は暑く、明るく、蝉の声がこだましていて、クーラー地獄の日々から脱出できた喜びでいっぱいでした。しかし、坂につづく坂。お寺には坂がつき物ですが、階段を上り降りしているうちに大分くたくたになっていました。

そんな時バスを待っていると、ふと、バス停の案内板に目を奪われました。真っ黒だった案内板の一面に黄色い丸印が表示されたのです。そこには、バスの絵が描かれていました。三つ前の停留所を出発しました、ということなのでしょう。二つ前の停留所、一つ前の停留所の所にも、この丸印のつくスペースがありました。

「当停留所までの三ステップ案内」

バス停で、到着時間を示すものとしては、以前の日記『69. もうすぐバス停にバスがくる!』でも扱っていますが、今回のバス停で私が親切だと感じたのは以下の点です。

・近づいていることが注目しやすい。
黒と黄色のコントラストが強く目立ちやすい!
・丸印の位置で、遠くからでも近づき具合が確認できる。
列の後ろに並んでいてもインジケータの変化に気づくことができます。
・バスが遠い時は何も表示されない。
バスが遠い時には緊張せずに待つことができ、バスが近づいた時にはフィードバックの更新頻度にあわせて詳細が確認できます。
・丸印内にやわらかいメッセージがあり、バスのイメージなどを想像しやすい。
分かりやすさだけを考えるとただの黄色い丸になってしまいがちですが、その中にちょっとした情報を付加することで、和やかなインジケータになっていると感じました。

細かい待ち時間ではなく、“まもなくきます”という案内をされたからこそ、待ち遠しさを感じ、よりいっそう旅を楽しめたのかもしれません。このゆっくりとした時間の流れも京都の風情なのだと感じることができました。

関連ページ
使いやすさ日記『30. 信号待ち〜より良いインジケータの提案』
使いやすさ日記『69. もうすぐバス停にバスがくる!』
使いやすさ日記『162. 待ち時間が見えるエレベーター』

182. 掲示板の名前とコメントの並べ方~使いやすさ日記執筆システムにおいて~


この使いやすさ日記は、私達ノーバスグループの若手衆(と強引に言ってみる)がユーザビリティエンジニアとしての基礎体力を向上させるために、日々気づき伝える力を切磋する場としても活用されています。 この日記は、執筆後、先輩のレビューを経て修正を繰り返し、ようやく掲載されているというわけです。 そこで今回は、この使いやすさ日記の意見交換に利用しているシステムで気づいた”使いやすさ”について書き留めたいと思います。

私達は、意見交換やレビューに「PukiWiki」というシステムを利用しています。これはHTMLの知識がなくてもブラウザから簡単にウェブページを編集できるというもので、日記執筆者はテンプレートを使って簡単に日記の文章を書いたり、画像を配置したりすることが可能です。また、その下にレビュアーや執筆者同士が意見交換できるコメント欄がついています。

最初、コメント欄は図1のようなレイアウトでした。コメントの後にコメントした人の名前が表示されます。しかし、利用していくにつれ不便を感じ始めました・・・

図1:改善前のコメント欄〜コメントの後に名前
矢印
図2:改善後のコメント欄〜名前の後にコメント

「え〜っと、私が確認したのはここまでだから、その後のレビュアーさんの意見はっと・・・」と、まずコメントした人(図では赤丸の位置)を確認。その後、文章の始まりの位置を探しやっと読み始めます。

名前の位置を探す→文章の頭を探す→もう一度名前を探す、と なんども繰り返す間、ずっと目が泳いでいることになりかねません。なんだか、釈然とせず、疲労だけがたまっていきました。

  • 誰が確認してくれているのか?
  • たくさんいるレビュアーさんのご意見に全部答えられたかどうか?
  • このコメントの経緯は?

このような確認が簡単に行えるように、解決策として図2のようなレイアウトにしてみました。 名前を文章の前に持ってきて、縦一列に並ぶようにしています。 そうすることで、名前の位置を探すという負担を軽減し、文章の頭も同時に確認できるようにしました。

「おっ。前回私が返答してから、ずいぶん多くの方が確認されたな〜」

「この人の意見は、ここからここまでか・・・」

など、ずいぶんと確認しやすくなりました。また、コメントの挿入フォームとも同じ配列になったため、コメントを書くときの違和感も少なくなっています。

ちょっとレイアウトを変えただけで、使いやすさはこんなにも変わります。 意外と簡単に改善できるものなんですね!

181. 自動開閉便座カバーは場所によりけり


最近のトイレはハイテクです。しかしこのハイテクさのために、ちょっと痛い思いをしました。

何がハイテクかというと、便座カバーがセンサーで人を感知して自動で開閉します。これは知っていたのですが、この機能によって思わぬ攻撃を受けました。トイレに入ろうとして内開きの扉を開けて、一歩踏み出した瞬間に、「ばくんっ」とカバーで太股を攻撃されました…結構痛かったです。

ドアから便
器まであまり隙間がない状態の写真
左が入る時、右が入った後(既にカバーが開いている)

写真だとちょっと分かりにくいかもしれませんが、扉が便器とかなりスレスレで開きます。

赤矢印:便座が上がる動き 青矢印:人間が入ってくる動き 点線:ドアの動き

入る時は、扉を開きながら体の向きを変えて入る必要があります。 つまり、どこかに体を寄せながら入るのですが、その時には便器にかなり近づいているので、センサーが反応して、便座カバーが開く…

太股なので良かったのですが、これが子供だったらどうでしょうか?お母さんと子供がトイレに入る、という状況はあり得るはずです。小さい子供が先に入った場合、便座カバーが顔面を直撃しそうです。(ものすごく速く開くわけではありませんが、やはり顔に当たったら痛いと思います。)

自動開閉カバーは、ヒーター入り便座の省エネのために、使ってない時はカバーをしようという物ですので、この機能自体はすごく良いと思います。また、「ぱかっ」と便座カバーが開くと、「あなたが来るのを待ってました。ゆっくりくつろいで用を足して下さいね〜」というように、便器が出迎えてくれたような気持ちにさえなるのですが…(私だけ?)

ちなみに、男子用トイレも同じシステムの便器が設置されていましたが、一緒にいた男の友人は普通に「ハイテク〜」と喜んでいました…これは攻撃された私がのろまなのか、たまたま友人が攻撃されなかったのか、はたまたちょっと個室を覗いてみただけなのか…

通常の便座と同じに見える自動開閉便座…見た目で便座カバーが自動開閉機能付きかが分かると、使う側も心の準備ができて、トイレに入れるのではないでしょうか。 しかし私としては、個室の広さとドアの開閉の半径を考慮した場合、通常の便座でも良かったのではないかな、と思ってしまいました。

« Older posts Newer posts »