広島へひとりブラリ旅に出かけた時のことです。安宿にチェックインした私は、ようやく部屋へもぐりこみ、一晩だけの寝床の偵察を始めました。お風呂場、トイレ、布団周りをチェックした後、テレビの下に冷蔵庫を発見しました。

冷蔵庫を開けると、缶ジュースや缶ビールのオシリだけが見えました。どうやら一つずつ穴に入っているようです。私にだって分かります。これを飲んだら、お金を取られるということくらい。しかし、私はラベルを確認したい衝動にかられ、「ちょっとだけ覗いてみよ・・」と缶ジュースを引き出してみたのです。すると・・・

ガタン!

無慈悲にもその缶の穴は塞がれてしまいました。 手に持っていた缶を見るとそれは天然水。私は、全く飲みたいとも思っていない水を買ってしまったのです。

結局、疲れていた私は外に買い直しに行く元気もなく、しぶしぶと水を飲み、残してしまいました・・・

課金型冷蔵庫から缶ジュースを抜き出した画像

一旦取り出したら元に戻せないというのは、衛生管理上の措置なのでしょう。後から考えればわかる気もします。しかし残念ながら、あの状況でそれを判断することはできませんでした。

では、ここでこの課金型冷蔵庫のおさらいです。 なぜ、私は欲しくもない水を買うハメになったのでしょうか?

  1. 缶のラベルが見えなかったから
  2. “取り出したら即課金”というシステムがわからなかったから
  3. 疲れていて判断力が鈍っていたから

どれも要因ではありますが、私が不愉快に思った一番の問題は、(2)の“取り出したら即課金”というシステムがわからなかったことでした。

アクションを起こした次の結果が予測できないということは、とても不安ですし、思いもよらない失敗を生んでしまいます。さらに、そこにお金が関わってくるとなると一大事です。バクチのようなものですものね。

このような問題は、今回のような課金システムに関わらずあらゆるところで起こっています。例えば、ウェブ閲覧時。ちょっと覗いてみようと思ってクリックしたら、いきなりダウンロードが始まったり・・・と。

こんなことがないように、操作の結果が予測できるインターフェイス、ゴールが見えるインターフェイスが非常に大事になってくるのだとつくづく感じたのでした。