カテゴリー: パッケージ (page 1 of 30)

823. どうしてもそこから開けられるように見えない!〜日清焼そばの粉末ソース


写真は日清食品の日清焼そばです。自炊が面倒くさくなった時にお手軽に食べておくのに我が家では学生の頃からほぼ常備してあります。5個入りパックで買ってきて、ひと月くらいで消費しきる位のロイヤルカスタマー(?)です。

そんな私でもいつもやらかしてしまうミスがあるのです。

日清焼そば。好きな袋麺のひとつです。

こちらは添付の粉末ソース。お湯で麺がほぐれてきた頃に投入するのですが、だいたいこれを一発で開けることができません。袋を良くみると向手右側に「こちら側のどこからでも切れます」とあります。このパッ○マンみたいなアイコンは旭化成の特許技術であるマジックカットであることを示しています(マジックカットについてはこちら)。つまり水平方向にならどこでも簡単に切れるというわけです。しかし!私にはその表示よりもどうしても上下のギザギザがシグニファイアとして視覚、触覚的に優先してしまうのです。つい縦方向に割く前提で、まさにマジックカット表示のある赤い部分をつまんで振り、中の粉末ソースを左側に寄せ、グっと力を入れる。切れない!?あ、間違えた。今度は上を持ち直してまた振って粉末を下に寄せる。ようやく横方向に割ける、ということを、本当に自分でもバカみたいだと思いますが月に何度もやってしまいます。

添付の粉末ソースの袋

きちんと専門家の方に聞いたわけではないのですが、本来このギザギザは開けやすくする為の加工ではないんだと思います。開け口として意図してつけられた凹みは「ノッチ」と呼ばれ通常最適な一カ所にのみつけられます。ギザギザは工場で裁断する時に、頂点がある刃の方が食い込みやすくより小さい力で切れるからということのようです。実際利用者が切る必要がない新聞もギザギザしてますね。こちらのページのQ4に新聞がギザギザしてるのは裁断する刃のせいだと書かれています。手がスパっと切れないための加工だという説も目にしますが、だったら手でもつ左右にも必要な気がします。

つまり、「ギザギザは袋を開けやすくする為についている」というのはユーザ(私だけ?!)が勝手に構築したメンタルモデルなんでしょう。アルミ包装のような強い素材でなければ結果的に上手く機能することもある為、その成功体験がますますメンタルモデルを強化して今に至る、というところでしょうか。

世の中に同じことで面倒を感じている方がどれくらいいらっしゃるかわかりませんが、なんかこう「ここをもって振る!」「ここをこの向きに破る!」みたいなことが強調されたデザインで改善が図れそうな気はします。

 

P.S.

あとこれは完全自己責任な気もしますが、何故かもうひとつの添付品である青のりを出来上がり後にふりかけるのを忘れてしまうのをなんとかしたい…なんかもったいないのでとっておくんですが結局使い道がなくて捨ててしまうんですよね、、

809. 新鮮さを維持しゴミ捨ても楽ちんな牛乳パック 〜明治おいしい牛乳〜


今年もお付き合いありがとうございました。

本年度最後の更新となるであろう使いやすさ日記は、個人的にパッケージ大賞を差し上げたいと思うこちらの牛乳パックです。11月くらいから出回っているようです。

内容量が900mlと一般的なものよりさりげなく減っていることでネガティブな意味で話題にもなっているようですが、ユーザビリティ観点としてはとてもよくできていると感じました。

まずねじ止めキャップ化することで密閉度が上がり、新鮮度の維持に貢献している他、冷蔵庫の中に横にして収納できるようになりました。近年は様々なパック飲料があり冷蔵庫のドアポケットはいつも空きが足りません。大変有り難いです。

次につぶして資源ゴミに出す手間が劇的に減りました。今まではハサミや牛乳パック専用カッターを使って切り開いていましたが、こちらのパッケージは素手で簡単にペシャンコにできます。キャップはプラゴミですが本体側の受け口はそのまま紙扱いで出して良いようです。

実際には中身をよく乾かすため完全に開いて、縛って出す自治体がほとんどでしょうが、この場合も素手で簡単に開けられるよう手順が記載されています。

他社も是非これで統一してほしいところですが、しばらくは明示乳業さんの独占なのでしょうね。

P.S.

Twitterで指摘されてましたが、そうなった時、視覚障害者向けに牛乳だと区別するための切り欠きはどうするんでしょうね。

ともあれ、来年もよろしくお願いいたします。

P.P.S.

この牛乳パック、お年寄りなど手の力が弱い方には開けづらいと不評みたいですね。上記の視覚障害者向けの切り欠きの件も含め、なかなか全ての人にとって使いやすいデザインというのは難しく、誰かのために良かれと採用した工夫が、別の誰かには逆効果になったりしてしまう、という良い事例だと思います。

P.P.P.S.

知人から「このパックは見かけで飲みかけとそうでないものの区別がつかないから買わなくなった」とコメントいただきました。なるほど確かに。なんか意外と不評ですね…

807. どんなサイズも選べるSIMカード 〜H2O Wireless〜


いささか専門的な話になりますが、スマートフォンや携帯電話にはSIMカードという電話番号などの契約情報が入った小さなカードが入っています。機種変更などではこのSIMカードを移し替えれば同じ番号、契約で新しい機種が使えるというわけです。基本的には携帯ショップの人が交換作業までしてくれるものでしたが、最近では格安SIMなどの普及やSIMフリースマートフォンに海外旅行中に現地の電話会社のSIMカードを一時的に入れ替えて安く利用する使い方が一般的になっており、自分自身でこのSIMカードを扱う機会が増えてきました。

さてこのSIMカード、電話機本体を少しでも小さく薄くしたいという要求に対応する為、カード自体も標準サイズからマイクロSIM、ナノSIMというように小型化してきました。ただしSDカードがミニSDやマイクロSDになったのとは違い、端子部分の規格は同一で、縁の切り取りをいかにギリギリにするかという勝負だったりします。それでも自分の電話機にあうサイズを選ばないとならないことには違いなく、格安SIMのパッケージを買って自分で交換する場合などには注意点のひとつでした。

さてそんな中、先日家族が海外旅行に行くというので現地で使えるSIMカードを取り寄せたところ、なんと1枚で3サイズに対応できる仕掛けになっていました。クレジットカードサイズのベースカード(写真左)についたままなのが標準サイズ、その内側から切り抜いたのがマイクロSIMサイズ(写真中)、さらにその中心部を切り抜いたのがナノSIM(写真右)となります。通常国内で見かけるものはあらかじめ3サイズのどれかひとつにのみ対応したベースカード、パッケージとなっており買う時に選ばなければなりません。これに対し、このH20 Wirelessという会社のSIMは、買ってからでもサイズを選べる、ということになります。これは通販などでうっかり間違えて買ってしまい交換が旅行出発日に間に合わなかった!なんて悲劇を防げる良い工夫だと思います。

国内各社も早くこの方式にすれば良いのに!と思いますが、まだまだ海外ほど自分でSIM交換をする人って少ないんでしょうかね。初心者はかえって意図しない位置で切り抜いてしまって混乱するなんてこともあるのかも知れません。私は最近ユーザビリティの評価をする時の観点として電話越しで説明しやすいか、ということに留意しています。例えば今回も実家の家族にはメールや電話などで交換方法を説明したりしましたし、サポート係が電話でユーザに説明する場合もまだまだ音声通話越しが多いと多いと思います。そういう時に言葉だけでどの部分を切り抜けばいいのか説明できるか?というとちょっと難しいのかも知れません。例えば真ん中のマイクロSIMサイズ相当部分だけ色が違ったりすると、電話で聞いた相手の機種から適切なSIMサイズを調べて、「○色の部分を切り抜いてください」なんて言えるかも?そういう課題が克服されていけば、いずれ国内もこの方式に切り替わっていくのではないでしょうか(単に特許で押さえられてるだけかも知れませんが…)。

 

 

802. たくさんありすぎるバーコード 〜宅配便のコンビニ受け取りで〜


先日Amazonで注文した商品の受け取りを配送後に用事ができたので、最寄りのセブンイレブン店頭受け取りに変更した時の出来事です。

受け取り番号を伝えると店員さんが棚から荷物を出して来てレジを操作しはじめました。たぶん確認かなにかの為、荷物についたバーコードをスキャンするよう画面に出ていたのでしょう。しかしバーコードスキャナをバーコードに当てると「ピーーーーーーッ!」とエラーのような音がなります。店員さんはキーボードをピッピッピッと数回操作し、今度は別のバーコードに当ててみます。

「ピーーーーーーッ!」

またエラーです。なんとこの箱には4箇所もバーコードがついています。それどころか、右の黄色い伝票ポケットに入っていた送り状らしき伝票にもさらに3箇所位バーコードがついています。

実際の画面を見ていないので具体的にどう指示文が書かれていたのかわかりませんが、少なくともバーコード側にはラベルや番号のようなものは見当たりません。たくさんのアルバイトさんが入れ替わり担当するレジ作業のデザインとしては、もう少し曖昧さを排除したオペレーション設計が必要なんじゃないでしょうか。

結局、6回くらいまであちこちのバーコードを試して「ピーーーーーーッ!」と甲高く鳴らした挙げ句、その店員さんは黙ってそっと荷物をこちらに差し出してきました(笑)。受け取り連絡のメールに持参しろと書いてあったハンコすら使っていません。σ(^^)は品物が受け取れれば別に構いませんが、あの店員さん、あとで怒られてないといいな…

P.S.

二日後くらいに気になってまた別の荷物を同じ店舗で受け取り指定して取りにいったんですが、今度はオバチャンの店員さんでちょっとよそ見をしている隙に電光石火でピッとして処理されちゃいました。おかげで正解がどこだったかわからず終いです。

763. コーヒーショップの待ち時間の心理戦をなくす工夫 〜タリーズの番号呼び出し方式〜


スターバックスなどのシアトル系コーヒーショップでは、注文後にレジカウンターの端で完成を待って受け取るシステムになっています。この時、スターバックスでは「トールのキャラメル マキアートでお待ちのお客様〜」みたいに注文した商品で呼ばれます。しかし受け取りコーナーで待ってる人は綺麗に整列しているわけでもなくまばら。更にオーダーによって時間が前後することもある為、呼ばれても「私のオーダー内容と同じだけど、もしかしてあの人も同じものを先に注文してるかも?」などと周囲に目配せをして、誰も動かないようであれば行く、みたいな一瞬の緊張が走ります。

そんな折り、普段あまりいかないタリーズにいったところ、写真のようなボードが掲げてありました。

IMG_7789

なるほど、レシートにお客様ナンバーが印字してあり、その番号で呼び出されるわけですね。銀行とかケータイショップ、回転寿司店などでよくみる番号票をレシートが合体しているという訳です。スタバなんかではカスタマイズすると「マンゴーパッションティーフラペチーノティーヌキホワイトモカシロップツイカでご注文のお客様〜」とか呪文のような呼び出しになり、呼ぶ方も呼ばれる方も煩わしいです。タリーズ方式の方が合理的だなと関心しました。

(タリーズの全ての店舗で導入されてるわけでもなさそうです)

« Older posts