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190. 炊飯器のフォーカス~どれが選択されている?


数カ月前に、新しい炊飯器を購入しました。

この炊飯器は、白米/無洗米、共に炊けるモノです。

私は、急ぐ時「白米」の「快速」で炊きます。

「快速」で、炊くには[炊き分け]で設定を行いますが、設定を間違えると上手く炊けないので慎重に操作します。

設定を間違えて炊いてしまったご飯を、何食も食べ続けるのは大変です。

しかし、その肝心の[炊き分け]設定の表示は、どこにフォーカスが当たっているのか分かりづらく戸惑ってしまうのです。

では、設定する時の状況を、手順を追って説明致しましょう。

写真の右上に見える[炊き分け]ボタンを押すと、以下のような設定モードになります。

メニュー設定中の表示
クリックするとMPEG1形式動画を再生

その後は、[炊き分け]ボタンを押す度に、以下の順で点滅が入れかわります。

フォーカスされる順番

「無洗米」が反転しているのは、どうやら「白米」と「無洗米」を判別するためのようです。

しかし、それがかえって混乱を招く原因となっています。

問題点は次の2つです。

  • ●「無洗米」の反転表示がフォーカスに見えてしまう
  • ●「白米or無洗米」と「なし〜クリーン」という2つの排他選択肢のグループを、ひとつのボタンで循環選択させるインタラクション
ユーザの思考

このようなイメージを伝えられるよう配慮すると、分かりやすく表示できるのではないかと思います。

189. 化粧品、パッケージの統一しすぎは分かりにくい!


最近肌荒れが気になる私は、化粧品をファンケルさんに変えました。いろいろあるんですよ。女の子には。というわけで、化粧水とファンデーションを百貨店へ買いに行きました。

ところで、ファンケルさんの店舗ではお客さんが商品を自由に選べます。百貨店の化粧品コーナーでこのスタイルは珍しく、通常はサンプルをお客さんが見て、店員さんに商品を選んでもらうのですよ。

さて、商品を選ぼうとして、「う!」と固まってしまいました。ファンデーションの種類と色を覚えてなくて、どれだか分からないのです。パッケージを頼りに選ぼうにも、統一感を出すためか、コンパクトケースなどの小物にも大きさが違うだけの同じパッケージが用いられてて、余計分かりません。結局、購入履歴を店員さんに調べてもらい、商品を選んでもらいました。

さて、お家でほくほくしながら開けてみると、パッケージの裏側に「○○○パウダー」と、小さく書かれているじゃないですか。ぎょっとしてくまなく調べましたが、どう見てもパウダー…

下の写真はファンデーションとパウダーのパッケージです。そっくりでしょ?色は微妙に違うけど、一個だけ渡されたらこれじゃわかりませんよ〜しかも、パウダーの文字は裏面にしか書いてないから、よけい気づかなかったんですよ。

左がパウダー、右がファンデーションのパッケージ

ちゃんとファンデーションと伝えたのに! 手渡された時に気づいていたら!パッケージが似ていて分かりにくいのが悪いんだ〜と一人で悔しがりました。 実はコレ、2度目なんです。前回もやっぱり似たようなパッケージで、どれだか分からずに「あった!」と思って買ったら違ってたと…

パッケージを統一すれば生産コストも下がるし、統一感でブランドイメージも出るでしょう。でも、商品を手に取るのがお客さんの場合は、パッケージデザインで商品の違いが分からないと、すごく選ぶのに苦労します。

どうやらこのブランドは変わるらしいです。その時はパッケージも分かりやすくステキな感じになることを祈って、しつこくファンケルさんに買いに行こうと思います(笑)何だかんだ言っても好きなんで。

188. 実は使いにくいエレベータのタッチセンサーボタン


素手と手袋で
エレベータのボタンを押している写真

触れるだけで押したことになるタッチセンサー式のボタンを採用しているエレベータをよく見かけます。

みなさん、このタイプのボタンで困ったことはありませんか?夏場はあまり問題ないのですが…、冬場手袋をしているときには、このタイプのボタンはいくら押しても反応してくれません!

手袋くらい脱げばいいとお思いかもしれませんが、買い物帰りで両手に荷物を持っていたら?重たい荷物を持ったまま、腕を上げてボタンを押してみたものの、反応がない…そのときの落胆は、思いの外大きかったりします。両手がふさがっている時に手袋を脱ぐという行為は大仕事です。

ここで問題なのは、タッチセンサー式である事と、それに加えてその多くは、従来の押し込み型のボタンなのか、そうでないのかが、一目で分からない形状になっているという点です。

どうしても、タッチセンサー式にしたいのであれば、誰が見てもタッチセンサーだと分かるようなボタンのデザインにしてほしいものです。(例えば、一枚板にボタンとなる部分がプリントしてあるなど)

以下に、タッチセンサー式ボタンの利点と問題点をあげてみます。

●利点●

  • ○力を入れなくても押せる
  • ○可動部分が少ないので、故障が少ない(?)・メンテナンスが楽(?)

●問題点●

  • ×素手で触らないと反応しないが故に手袋をしていると押せない。
  • ×触っただけで反応するので、視覚障害者がボタンを探すときに触れただけで反応
    してしまう。結果、降りたくもない階で停止してしまう。
  • ×タッチセンサーは、まれに体質によって反応しない場合がある。

●改善するには●

以下のようなことが考えられるのではないでしょうか?

  1. 従来の押し込み型ボタンに戻す。
  2. 押し込み型かタッチセンサー式かを明記するか認知できる形状にする。
  3. 押し込み型のボタンにタッチセンサーも設置する。
     その際は、視覚障害者が不用意に触れないようにセンサー部分をボタンのサイズに対して小さくする。
  4. パネルとボタンに一定の段差を持たせる。
  5. 押した時に音声などで押されたことをフィードバックする。
  6. 押したボタンをキャンセルできるように、キャンセルボタンもしくはその方法を明記する(点字でも対応)

今回の例は製造・メンテナンス側の事情と、ユーザー側の事情がかみ合わない、典型的な例ですね。便利にしたつもりが、思わぬ弊害を生んでしまう。便利な新しい技術も使う場所を間違えると逆効果に…どんどん新しい技術を使うのも良いですが、そのことばかりに目がいってしまってユーザー側のことを忘れてしまわないようにしたいですね。

北国にはタッチセンサー式のボタンのエレベータは少なかったりするのでしょうか?気づいた方は是非ご一報ください!

関連ページ
静岡県 福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル 3-3.視覚障害者兼用エレベーターに関する標準

187. いくら回しても水が出ない蛇口


久しぶりに会った友人と喫茶店に入った時の出来事です。

私達は、手を洗いに行きました。
先に手を洗う友人を眺めていたところ、ハンドルを回しているのに、水が出る気配が
全くありません。
回してもダメなので、上部を押してみると…水が出ました!
私達は、PUSH式の水洗金具だということに気付きました。

プッシュ式
蛇口のついた洗面台の写真とプッシュ部の拡大写真

なぜ、友人はハンドル式と間違えて回してしまったのでしょう?

まず、水洗金具全体をパッと見た時、ハンドル式の水洗金具と大きさがさほど変
わりません。
また、水洗金具の上部をよ〜く見ると、「PUSH」の文字がありますが、光が反射する為角度によっては見づらいです。ユニバーサルデザインの観点からみても、この文字表記だけでは分かりにくいです。

そこで私は「押す」ということを、うまくアフォードしている例が他にないか探してみました。

こちらは、「押す」ことが分かりやすい形の例です。
水洗金具の形が丸ではない為、回せるようには見えません。手前側に倒せそうだと分かります。

「おす」と
書かれたプッシュ部を持つ洗面台の写真

このように、配慮を重ねることで「押す」ということをもっとアフォード出来ることが分かります。

186. エスカレータ、動く歩道では左右どちらに立つか?@アムステルダム編


使いやすさ日記の読者の方から、日記ネタの投稿をいただきました。

読んで頂くとわかりますが、関西の方です(笑)。

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エスカレータや動く歩道では左右どちらに立つのが一般的なのでしょうか? 

東京では左に立ち、急ぐ人は右側を歩いていきます。一方大阪では左右逆で、右に立ちます。このように日本では左右が地域によって異なっていますが、世界的には“右に立つ”が主流かもしれません。

通路全体の写真
サインの拡大写真

写真は、アムステルダム/スキポール空港の歩く歩道です。

立ち止まる人は“右”、歩く(追い越す)人は“左”となっています。

ご丁寧に、オランダ語?、英語、ピクトグラム に加え、上部の黄線も静止するイメージ(連続線)と歩くイメージ(破線)であらわしています。

残念なのはサインパネルの色が天井色と近く、また掲示位置が高いため、ちょっと気づきにくい事でしょうか?

(実を言うと、ココを利用するのは今年に入って6回目なのですが、やっとこのサインに気が付きました。)

動く歩道に乗るときには、足元に気を払って下を見ているので、サインの場所としては、デトロイトのもの(パレットに直接書いてあります)の方が、秀逸かもしれません。

米国、欧州と“立ち止まるのは右”でした。

ということで、大阪流が世界的には主流ということが判明しました??? (^^;)

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他の国ではどうなのでしょうか?

情報をお持ちの方、ご連絡をお待ちしております(^_^)

(佐藤)

2003/9/26日補足

岩崎さんより、「そもそもエスカレータの上を歩くことは推奨されていない」という情報をお寄せいただきました。エレベーター協会東京都交通局もこういった呼びかけをしているとのことです。首都圏のエスカレーターってとんでもない落差のものもありますし、人も多いので、誰かが転倒しようものなら被害は甚大です。我々も気をつけなければいけませんね。

関連ページ
使いやすさ日記 『33. 駅のエスカレーターは右側通行?』
使いやすさ日記 『98. 左側を歩いてください?』

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