更新終了のお知らせ


1999年の開設より足かけ20年近くお届けしてきた使いやすさ日記は2018年末にて更新を終了いたしました。長らくのご愛読ありがとうございました。

U’eyes designでは今後も製品開発に役立つコンテンツをお届けしていく予定です。引き続きよろしくお願いいたします。

826. Hey Siri/OK Google/Alexa!明日の天気の“明日”っていつさ?



昨年末に各社から発売され、今年は普及年だったと思われるスマートスピーカー、我が家でもリビング、仕事部屋、寝室、風呂、車とほとんどの場所で待機しており、買い物リスト登録、家電操作などで大変重宝しています。
その中でいつも微妙に困っているのは天気予報です。便利は便利ですが、「明日の天気は?」と聞いた時のレスポンスに日付や曜日が含まれていないので、例えば深夜に言う「明日」とか「今日」がいつを指しているのか判断に困ります。月曜日深夜1時(厳密には火曜午前1時)に寝る前に明日の天気が気になったとして、「明日の天気は?」と聞いたとしましょう。音声アシスタントは「明日の天気は晴れ、気温は18度です」などと返してきます。さて、それは寝て起きた火曜日のことでしょうか?それとも正確に暦に基づいた火曜日の翌日、水曜日のことでしょうか?人間同士の会話であれば0時を過ぎていても寝る前に言う「明日」なら火曜日のことだろうと推測できます。世界に名だたるIT企業の製品ですからそれくらいは考慮してくれる気もします。でもじゃぁ2時とか4時だったらどうなんでしょう?彼/彼女らは24時間寝ませんし、ユーザがいつ寝たかも把握はできないので、どこかで機械的に区切っているのでしょうが、それが何時なのかはユーザにはわかりません。
「明日、火曜日の天気は~」など、ひと言入れてあればこんなに悩まなくてよさそうですが、残念ながらSiri、Googleアシスタント、Alexaの三大巨頭はどれもフィードバック文に日付または曜日を判断できる表現は含まれていませんでした。

各製品で「明日の天気は?」と聞いた時の反応例

製品音声返答例
iOS12のSiri(Apple)明日の天気はあまりよくなさそうです...最低気温は1℃でしょう
Google Home(Google)明日の横浜は最高気温11℃、最低気温4℃で晴れるでしょう
Echo Dot(Amazon)明日はおおむね晴れで、予想最高気温は9℃、予想最低気温は3℃です。
(対話プログラムは随時更新されています。本データは2018年12月末時点の例となります。)

ちなみにAIスピーカーではなく各スマホアプリ上で聞いた場合には画面表示に日付が出る場合があります。この挙動を検証していけば「明日」がいつを指しているのかわかるのかも知れませんが、まだやりきれていません(音声のインタラクションと画面付きで同じアルゴリズムであると仮定して、ですが)。できればそんな検証作業をしなくても、すんなりいつの天気について言っているのか納得できる応答文の進化してほしいものです。


825. PayPayにみるQRコード決済考



12月、PayPayというQRコード決済サービスがキャンペーンで話題になりました。加盟店であれば20%還元、一定の確率で全額還元も当たるとあって都心の家電店などで行列ができるほどの賑わいだったようです(現在は終了しています)。
私は元々非接触ICカード式のキャッシュレス決済を積極的に使ってきたので、逆にQR決済は登録しつつもあまり使用してきませんでした。手間としては明らかに非接触ICカード式の方が楽だからです。今回20%還元に釣られて何度か買い物をしてみたのでその感想など。

■QRコード決済とは?

まずQRコード決済とはなにか簡単に。QRコードはご存じ2次元バーコードの1つです。スマホなどのカメラで読み取ってなにがしかの情報を取り出すことができます。QRコード決済ではこれを支払主あるいは支払先を識別するのに使います。どちらのQRコードをどちらのカメラで読み取るかについてはプラットフォーム毎に違います。後述のPayPayのように両方あるものも。例えば、
1) お店が提示している支払先を示すQRコードをユーザが自分のスマホアプリ内のカメラ画面で読み取り、言われた金額を打ち込んで決済する
2) 自分(支払者)の識別用コードをスマホアプリ上に表示させて店員に提示し、お店の機械でそれを読み取って決済(たいていは金額指定はレジ側で行うようです)
などの手順になります。引き落としはクレジットカードを紐付けて都度カードに課金することもできますし、プレイペイドカード的に事前に一定額チャージしておいてそこから引き落とすこともできます。
スマホがNFC(おサイフケータイやApplePay)に対応していない機種であっても利用できる点がユーザ側のメリット。同様にお店もNFCリーダー不要で設備投資が少なくて済むのがメリットです。特に1)の方式は印刷したQRコードを提示するだけなのでお店側はハードウエアも通信回線も不要ということになります。先行する中国などでは屋台やお寺のお賽銭箱みたいなところでも使われているそうです。

■PayPay使用感

私はキャンペーン初日にビックカメラに突撃しました。ビックカメラはキャンペーンと同時に加盟店となったので店員さん達としても初日で不慣れな部分もありましたし、サーバーがパンクしたりといったトラブルもありましたが、それを差し引いてもやはり「ステップが多くて手間だな」と感じました。ビックカメラでは上述の1)の方式なので、レジのあちこちに張り出してあるQRコードをスマホアプリで読み取ります。それ自体は割とすんなり読み取ります。次にレジに表示され口頭でも伝えられる支払金額を自分で入力します。これがいままでにない手間です。1円単位まで注意深く打ち込み念のため店員さんにも見せて確認してもらいます。大きな金額だと緊張しますし、逆にコンビニなどで細々した買い物の時にも煩わしく感じます。決済が終わると確認画面で決済番号というのが表示されるので、それを店員に見せて確認してもらいます。店員さんはその下4桁をレジに出るそれと照合しているようでした。これはビックカメラ特有、または1)手順の時だけのフローかも知れませんが、これもまたスマホを見せたりが面倒です。その表示がまた小さい!(写真)。明らかに見せることを想定したレイアウトではありません。だからといってスマホを手渡したりするのも落としたりしそうでちょっと嫌ですね。さらにさらに、3万円以上の買い物は身分証の提示を求められる場合があります(同じビックカメラでも求められる場合、求められない場合両方ありました)。

支払完了画面

はっきりいって「面倒くさい」のひと言です。店頭で対面取引をしているのに決済だけは銀行振り込みをしているような回りくどさがあります。20%還元という特典がなければわざわざ使う理由が見つかりません。0.5~1%程度の差なら還元率が低くてもクレカやIC決済でいいや、って感じです。またもしシニアである両親に聞かれても「やめておいた方がいい」と答えるでしょう。1)と2)で二通りの操作手順を使い分けられる気がしません。そもそも電子マネー全体でプラットフォームが乱立しすぎていて、店ごとになにが利用可能か確かめたり、店員にどのプラットフォームで支払いたいか伝える名前を覚えさせるのも一苦労でしょう。
現状では、あくまで非接触ICカードに対応していないスマホを使っている人、クレジットカードをもてない未成年、そして海外からの旅行者などでないと、支払う側として使用するメリットは感じられません。店舗側としては初期投資がほとんどかからず三年間は手数料も無償のため、今まで現金決済のみだった小規模店などが加盟するケースは一時的には増えるかも知れませんが、三年後NFC非対応スマホはさらに減っているでしょうし、店舗側にも手数料無料のメリットが消えた時、果たして生き残るだけの魅力が残っているのでしょうか。


824. 買った時だけ伝えます ~Google Pixel3のFelicaアンテナ位置表示




GoogleのAndroidスマホ、Pixel3XLを購入しました。Pixelシリーズ初のおサイフケータイ対応モデルです。当然どこかにFelicaチップ/アンテナがあり、店頭でかざす時にはその位置を意識する必要があります。一般的な携帯電話/スマホではその位置にFelicaのロゴが入っていてわかるようになっているのですが、本機にはそれがどこにもありません。実は背面の指紋センサーの円形のくぼみ部分がFelicaアンテナも兼ねていました。そしてそれは開梱時にはがしたフィルムの側に印刷されていたのです。

Googleは以前にもNexus7でこの手法をとっており、当日記でも紹介したことがあります。この時は電源や音量ボタンは一度憶えてしまえばそう忘れることもないので、最初に一度伝えればOKなのではないかなと思ってマル日記にしました。しかし今回は、

  • おサイフケータイ機能をすぐには使わない人がいるかも知れず、後で使おうとした時にわからなくなるかも
  • 本体色がホワイトでも印刷は白のままであまり目立たず気付かない人もいるかも知れない

という観点でバツ日記にしてみます。実際には私は開封時点できちんと気付けたので言いがかりに近いのかも知れませんが。せめてもう少し目立つように文字を入れるとか黒縁をつけるとかしてあると発見率が上がるのかなと思いました。

GoogleはGoogle Home mini(スマートスピーカー)で音量操作など気付きにくいハード操作をGUI上でリマインドするという手法も採っているので、今回も例えばおサイフケータイやGoogle Payアプリを使った時に、「ここをタッチしてね」というグラフィック入りのガイドが出るかと期待したのですが今のところ遭遇していません。さすがにそれらのアプリは本機専用に作られたものではないので難しいのかも知れません。

823. どうしてもそこから開けられるように見えない!〜日清焼そばの粉末ソース




写真は日清食品の日清焼そばです。自炊が面倒くさくなった時にお手軽に食べておくのに我が家では学生の頃からほぼ常備してあります。5個入りパックで買ってきて、ひと月くらいで消費しきる位のロイヤルカスタマー(?)です。

そんな私でもいつもやらかしてしまうミスがあるのです。

日清焼そば。好きな袋麺のひとつです。

こちらは添付の粉末ソース。お湯で麺がほぐれてきた頃に投入するのですが、だいたいこれを一発で開けることができません。袋を良くみると向手右側に「こちら側のどこからでも切れます」とあります。このパッ○マンみたいなアイコンは旭化成の特許技術であるマジックカットであることを示しています(マジックカットについてはこちら)。つまり水平方向にならどこでも簡単に切れるというわけです。しかし!私にはその表示よりもどうしても上下のギザギザがシグニファイアとして視覚、触覚的に優先してしまうのです。つい縦方向に割く前提で、まさにマジックカット表示のある赤い部分をつまんで振り、中の粉末ソースを左側に寄せ、グっと力を入れる。切れない!?あ、間違えた。今度は上を持ち直してまた振って粉末を下に寄せる。ようやく横方向に割ける、ということを、本当に自分でもバカみたいだと思いますが月に何度もやってしまいます。

添付の粉末ソースの袋

きちんと専門家の方に聞いたわけではないのですが、本来このギザギザは開けやすくする為の加工ではないんだと思います。開け口として意図してつけられた凹みは「ノッチ」と呼ばれ通常最適な一カ所にのみつけられます。ギザギザは工場で裁断する時に、頂点がある刃の方が食い込みやすくより小さい力で切れるからということのようです。実際利用者が切る必要がない新聞もギザギザしてますね。こちらのページのQ4に新聞がギザギザしてるのは裁断する刃のせいだと書かれています。手がスパっと切れないための加工だという説も目にしますが、だったら手でもつ左右にも必要な気がします。

つまり、「ギザギザは袋を開けやすくする為についている」というのはユーザ(私だけ?!)が勝手に構築したメンタルモデルなんでしょう。アルミ包装のような強い素材でなければ結果的に上手く機能することもある為、その成功体験がますますメンタルモデルを強化して今に至る、というところでしょうか。

世の中に同じことで面倒を感じている方がどれくらいいらっしゃるかわかりませんが、なんかこう「ここをもって振る!」「ここをこの向きに破る!」みたいなことが強調されたデザインで改善が図れそうな気はします。

 

P.S.

あとこれは完全自己責任な気もしますが、何故かもうひとつの添付品である青のりを出来上がり後にふりかけるのを忘れてしまうのをなんとかしたい…なんかもったいないのでとっておくんですが結局使い道がなくて捨ててしまうんですよね、、

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