1999年の開設より足かけ20年近くお届けしてきた使いやすさ日記は2018年末にて更新を終了いたしました。長らくのご愛読ありがとうございました。
U’eyes designでは今後も製品開発に役立つコンテンツをお届けしていく予定です。引き続きよろしくお願いいたします。
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今年もお付き合いありがとうございました。
本年度最後の更新となるであろう使いやすさ日記は、個人的にパッケージ大賞を差し上げたいと思うこちらの牛乳パックです。11月くらいから出回っているようです。
内容量が900mlと一般的なものよりさりげなく減っていることでネガティブな意味で話題にもなっているようですが、ユーザビリティ観点としてはとてもよくできていると感じました。
まずねじ止めキャップ化することで密閉度が上がり、新鮮度の維持に貢献している他、冷蔵庫の中に横にして収納できるようになりました。近年は様々なパック飲料があり冷蔵庫のドアポケットはいつも空きが足りません。大変有り難いです。
次につぶして資源ゴミに出す手間が劇的に減りました。今まではハサミや牛乳パック専用カッターを使って切り開いていましたが、こちらのパッケージは素手で簡単にペシャンコにできます。キャップはプラゴミですが本体側の受け口はそのまま紙扱いで出して良いようです。
実際には中身をよく乾かすため完全に開いて、縛って出す自治体がほとんどでしょうが、この場合も素手で簡単に開けられるよう手順が記載されています。
他社も是非これで統一してほしいところですが、しばらくは明示乳業さんの独占なのでしょうね。
P.S.
Twitterで指摘されてましたが、そうなった時、視覚障害者向けに牛乳だと区別するための切り欠きはどうするんでしょうね。
ともあれ、来年もよろしくお願いいたします。
P.P.S.
この牛乳パック、お年寄りなど手の力が弱い方には開けづらいと不評みたいですね。上記の視覚障害者向けの切り欠きの件も含め、なかなか全ての人にとって使いやすいデザインというのは難しく、誰かのために良かれと採用した工夫が、別の誰かには逆効果になったりしてしまう、という良い事例だと思います。
最近でだした、このタイプの牛乳パック
握力の落ちた高齢者や握力のない私には開けられない😥
開けられない私には『他のを買う』という選択肢があるが
高齢者の方でヘルパーさんがお買い物に行き、一番近い店で最安の牛乳しか買ってはいけないルールがあると、詰む。
朝から飲めなくて困ったって。 pic.twitter.com/xq8uGkvpYw— 動物病院+café (@tasu_cafe) January 15, 2018
P.P.P.S.
知人から「このパックは見かけで飲みかけとそうでないものの区別がつかないから買わなくなった」とコメントいただきました。なるほど確かに。なんか意外と不評ですね…
最近、ローソンのレジの機械が新型にリプレイスされつつあります。もうご覧になりましたでしょうか?ローソンのレジはもともとおサイフケータイを使うさいに、利用客がタッチパネルでどのプラットフォームで払うか選択する方式でした。「iDで」と言ったのに店員が「Edyで」と聞き違えて意図しないプラットフォームで引き落とされてしまった、なんてことが置きにくいのが利点だったと言えます。ところが昨年秋にiPhoneでApple Payが利用できるようになると、このステップのせいでiPhoneを2回操作してかざさないとならないという想定外の事態になり、iPhone(ApplePay)ユーザからは「もっともめんどくさいコンビニ」の烙印を押されてしまいます。この汚名をそそぐ為、ローソンでは急遽新型レジの導入を進めることにしたとのことです(元々あった予定を早めた、となにかで読みましたが詳細は未確認です)。
そして年末から順次導入が進み、ついに我が家の近所の店舗にも!それがこちら。
NFCリーダー部分をアップにするとこんな感じ。
なんだかとてもおっきなコブがありますよ?アフォーダンスとしてはこの上に置きたくなってしまいますが、実は違うのです。正解はその先の黒い枠の中の液晶のさらに奥、Wi-Fiマークを横に寝かしたようなマークがついているところなのです。私は思いっきりこのコブ自体にiPhoneの先端を当てちゃいました。2回も!都度店員さんに「こっちです」と指さされてしまいました。
なんなんでしょうこのコブは?明らかに奥のNFCタッチ箇所より目に付きますし、正しい場所にタッチするにも邪魔でしかないような気がします。
ここでローソン公式の解説動画をご覧ください。
12秒目の辺りに実際にiPhoneをタッチしている様子が映っています。これが公式の当て方というわけです。たぶんですが、iPhoneのNFCアンテナは従来のおサイフケータイと違って先端部にあります(以前の日記参照)ので、先端を当てるよう誘導したくてこんなコブをつけたんじゃないでしょうか?むしろ間違えてこのコブにiPhoneの背面を当てればアンテナ同士が近づきやすいぞ、くらいの意図かも知れません。
しかしそれにしたってもう少しナナメにするとか、表示を工夫するとかできたんじゃないでしょうか。さらに深刻な問題として、世の中の決済端末はiPhoneだけじゃないぞ?というのがあります。従来のおサイフケータイはもちろんカード式の電子マネーを使っている人もたくさんいるわけです。現時点ではiPhone7/Plusユーザなんて比較にならない少数派でしょう。そういうおサイフケータイや電子マネーカードをペタ付けする人達にとって、このコブは明らかに邪魔なんじゃないでしょうか。認知的に間違えた場所に誘導しがちですし、物理的にも単純に邪魔です。
いくらなんでももう少しちゃんとした設計意図があってのことだと思いたいですが、色々考えてみてもわかりませんでした。いずれ設計者のインタビュー記事とかで判明するのを楽しみにしています。
なお、旧レジのプラットフォーム選択画面による二度手間は解消され、手順自体はApple Payユーザにも優しくなりました。これもおサイフケータイユーザからは不評かも知れませんが。iPhoneなのかおサイフケータイなのか見分けて操作フローがかわるといいんですけどね。今度それも試してみたいと思います。
我が家の冷蔵庫はしゃべるんです。SHARP製でココロエンジンという機能です。製氷用の水タンクが空になっていると教えてくれたり、単に毎朝挨拶をしてくれたり。メッセージが貯まるとドアのランプが点灯し、その状態で冷蔵室のドアを開けるか専用ボタンにタッチするとしゃべりだします。まぁ面白い試みではありますが、実用性としては微妙で、やたら音量が大きくてびっくりすることもあって、そのうちOFFにしようと思いつつ、そのやり方も説明書をわざわざひっくり返さないとわからず放置していました。
ある朝、ドアを開けると「庫内の温度が高くなっています。冷蔵庫の状態を確認してください。」という聞き慣れないメッセージが。というかそれは一大事ですよ!実際、製氷室の氷は溶け、冷凍庫に滴っていたり、冷蔵庫も10℃以上に温度が上昇していました。そういうことはユーザがドア開けるの待ってないで即時!最大音量で!繰り返し言ってよ!って話です。中の食品がダメになったり床が水びたしになってからじゃ遅いわけですよ。「ココロ」ってそういうことじゃないんですかね、と…
ちなみに結局原因はわからず終い。現在はまた普通に冷えています。故障ではなかった模様。ドアが開いている時は「ドアが開いています」といったりピーピー警告音が鳴るはずなので、それ以外(詰め込み過ぎで吹き出し口が塞がってた?)の理由だと思いますが、そういう診断やアドバイスこそしてほしいものです。
写真は先日Dysonから発売されたヘアドライヤーSuper Sonicです。なんとも奇抜な形をしています。
利用時はこんな感じで持ちます。柄(?)の部分の上にあるのが電源スイッチ、下の水色ドットがついているのが押している間だけ冷風になるボタンです。ピンクの色がついた部分が温度と風量のインジゲーターと調節ボタン。
例えば風量(左)、温度(右)ともに弱くするとこんな感じでLEDが消灯していきます。右側の温度LEDは写真の具合で白く見えちゃってますが実際には赤色です。
で、この風量と温度の操作感があまりよろしくない、というのが今回の日記。まず写真のような握りの状態から指が届きにくい位置にあります。どんな持ち方をするにせよ、一時冷風ボタンと温度/風量ボタンの両方に指が届く感じはしません。使用頻度としては一時冷風ボタンの方が高いので、結果的に風量と温度が調整しづらい。電源と一時冷風ボタンにしても人間工学的に言えば柄のこの側ではなく反対側やサイド側の方が操作しやすいです。でもデザイン的な統一感、シンメトリーでこうまとめちゃったんでしょうね。
また今、風量と温度がどんなステータスかがわかりづらい。もちろん見れば一目瞭然なんですが、ヘアドライヤーだけに頭上にかざしてるわけです。風量はまだモーター音や風量そのものでわかりますが、温度は切り替えてから実際に肌で感じられる位に変化するまで若干タイムラグがあるので、操作->肌で確認->操作->肌で確認->と無駄に時間がかかります。ちなみに操作ボタンはそれぞれに1つずつしかありませんので、動作としてサイクリック(順送り)なんですが、ちょっとトリッキーで、強->中->弱->中->強という感じで、弱から強に跳ばずに毎回“中”を経由する感じで、(若干安全かもは知れませんが)インジゲーターを見ないで脳内計算で目押しするには余計にややこしい。温度調整には強中弱に冷風も加わって4段階なのでさらに大変です。これは絶対にビープ音が鳴るようにして欲しかったです。強中弱と音の高さが変化すれば最高。5万円近くもする超高級機なんだからそれくらいケチらないでくれよと…。音程差が付けられない安い部品しか積めないとしても、例えば弱->中->強->弱パターンにして、強から弱にジャンプする時にだけ音を鳴らすような、扇風機なんかでよくある方法もあったでしょう。騒音を発するデバイスに音フィードバックは、、と思われるかも知れませんが、本機は従来の強風系ドライヤーよりも音が静かなのを売りにしているくらですし、実際そんな大音量で鳴らさなくても充分聞こえそうです。なんなら振動でも(笑)。
そもそも値段が値段なのでもしかするとあまり個人ユースは狙ってないのかも知れません。美容室などで髪を乾かされる人と本機を使う人が別視点である利用シーンを想定/優先しているとしたら色々と納得できなくもない印象。普及モデルをリリースする際には、是非もう少しお一人様利用シーンを意識したデザインにして欲しいなと思います。
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