カテゴリー: 公共、住宅 (page 44 of 53)

113. トイレのドアの先は?


我々はよく飲み屋で、その店のトイレのインターフェイスについて議論をします。

ファミレスなんかと違って、明示的にトイレの看板が出ていないことも多いのに、どうしてトイレを見つけることができるのだろう?といったことについてです。

そんな中で最近思ったのは、初めて行く店では、トイレのドアの中が可視的でないことで、ちょっとうまくないことが起きてるんじゃないか、ということです。

もちろんトイレだけに中が覗けた方がうまくないよ!、とかそういう話ではありません。

通路に面したドアが、トイレのどのフェーズを仕切るドアなのかが見てとれないのが問題だと言いたいのです。あるトイレでは開けたらすぐ目の前が便器かも知れません。別のトイレでは洗面所があって、更にドアを隔てて個室があるでしょう。開けるとまた通路があって、更に男性用と女性用のドアがある場合だってあります。こういう時に、通路のドアをノックしちゃって、ちょっと気恥ずかしい思いをしたことがありませんか?逆に、通路のドアとは別に個室がある場合で、外のドアをノックされて、個室の中から返事しようがなくて困ったことはありませんか?

以前紹介した高速道路のSAのトイレほど凝っていたり、明確な見取り図になっている必要はないですが、やはり初めての人が毎日利用するトイレには、その構造についてなんかしらの情報開示が行われていて、一番通路側のドアの時点で把握できるようになっててほしいですね。最終的な個室までにあと何枚ドアがあるかを、自然に情報提示できるインターフェイスってできないもんですかね?

関連ページ
使いやすさ日記 『63. どこが空いてる?高速道路SAのトイレ』

109. 洗面台について


公共施設の洗面台に関する話です。洗面台を利用する場合、利用者は「手に石鹸をつけて水で洗い乾かす」という行為をすると思います。しかし、よく見かけるケースとして石鹸がこぼれて汚れていたり、手を乾かす時に使うもの(タオル、温風がでるものなど)の付近が水でビショビショになっていたりすることことがあります。理由の一つは、石鹸と手を洗うところと乾かすところの距離が離れているためです。これでは、気持ちよく利用することはできないでしょう。

これは、東北新幹線内の洗面台です。これは、「手に石鹸をつけて水で洗い乾かす」というタスクを左から右へ手を動かすだけで、しかも周りを汚すことなく達成することができます。ユーザのコンテクストからデザインされた、よい洗面台のひとつの例ではないでしょうか。

東北新幹線の洗面台
東北新幹線の洗面台
蛇口
左から「せっけん」「手あらい」「温風」。手をかざすと自動的にでる

108. 意図のわからない操作手順説明


インターフェイスやマニュアルの世界で、操作説明にその意味や解説を含めるべきかどうかという問題があります。

単に「ここで決定ボタンを押してください」というように操作内容だけを表示する手続き型の表示は、確かにシンプルで、その場ではユーザの混乱を招きにくいのですが、いざ何か問題がおこった時に、タスクの意味がわかっていないと対処が難しくなってしまいます。

背景知識を植え付けるような表示にすべきかどうかは、ケースバイケースなので一概には言えませんが、以下はσ(^^)がしばらく意味を理解できなった事例です。

前向き駐車厳守

写真は、近所のヤマダ電機の駐車場にある看板です。良く目にする内容ですよね。でも何故バックで入れたらいけないのか、しばらく疑問でした。視界の悪さは車を出す時の方が上なので、出る時に負担の低い後ろ向き駐車の方が安全面ではメリットが多いと思うんですが、それでも前向き駐車を強要するに足る理由とは?

正解は、排ガスで植木が傷まないように、とのことです。

緑化そのものは大いに結構ですが、わざわざ危険度上げ
てまでこんなとこに植木植えんでも、という気もしますね。植木植えて、しかも看板ま
で立てて「緑を大切してます」って企業イメージを自作自演したいだけに見える。

お次は男性しかわからない事例で恐縮ですが、よく駅のトイレで見かける「お願い、もう一歩前へ!」ってヤツ。後付けでテプラなんかで貼られてますよね。アレも最初見た時には全く意味がわかりませんでした。これはやや離れ気味で用を足す人が床を汚してしまうからだそうです。せめて「トイレの清潔化にご協力を」とか書き足してあればわかるんですが。確かに「もう一歩前へ!」とだけ書いてあるのは読み手に負担もかけなくていいんですが、意味がわからない人は結局従ってくれないですよね。相対的に一歩前に出ることが大事なんじゃなくて、滴が下に落ちないところまで近寄るのが目的なワケですし。

下の写真はとある社員用トイレです。ちょっとわかりにくいですが、便器の前の黒いのは起毛のカーペットです。

トイレの前にカーペットの図

これはアフォーダンスによる制約を上手に利用していると思います。タイルの床に比べて布のカーペットの方が濡らしたり汚したりするのに罪悪感大きいですもんね。難点は実際に汚されちゃった場合のダメージがデカいってことでしょうか。ただこの例は発想の転換で必ずしも文字ラベル以外で意図を伝えることができるということを示していると言えます。

2001年8月6日 補足
よしぞうさんからコメントいただきました。「そもそも”前向き”ってどっちを向いて停めることなのか悩むことがある」とのことです。確かに通路側を向いてバックで駐車するのも「前向き」というふうに取れますよね。

2001年8月21日 補足
宮地さんからコメントいただきました。植木の保護以外にも、この柵の向こうの民家
などへの排ガス、騒音の配慮や、バックしすぎて突っ込んでしまう事故の回避などの理
由もあるそうです。植木自体がそのために距離をおいたり、排ガスを(多少なりとも)吸収させたりという目的で設置されたりするそうです。

105. 非常口サインの色分け


今回はちょっと生活マメ知識的なネタを。

緑の非常口サイン

写真は皆さんもよく目にすることがあるでしょう、非常口を示すピクトサインです。

さて、この非常口サインですが、実は色が2種類あります。おそらく写真を見れば、「あぁ、そういえば」と思われる方も多いのではないでしょうか。上の緑地に白のものに加え、逆に下の写真のように白地に緑のものがありますよね。

白の非常口サイン

この2タイプ、実はちゃんとした意味分けがされているってご存じでしたか?

実は、白地バージョンは「非常口がある方向」を示しているのです。そして緑地バージョンは「非常口そのもの」を意味しています。もし不運にも非常口に急がなければならないような事態に陥ってしまったら※、この色の違いの意味を思い出して下さい。そうすれば、より効率よく辿り着けるかも知れません。緑地バージョンには向かう価値がありますが、白地バージョンは必ずしもそうとは限りません。

※日常場面でも、デパートなどでは、非常口=駐車場口だったりするので、案内サインがヘボい時には参考になるかも知れません。

ちなみに、非常口の方向を示す方が白地な理由は、こちらは通路に設置されることが多いので、視認性に加え照明としての機能も果たせるようにとの配慮だそうです。よく考えられていますね。

最近は、ピクトグラムだけでも充分に意味がわかるほど浸透してきたのか、ピクトグラムだけの小型のものも増えてきました(視認性は落ちないように輝度は上げてあるそうです)。特に美術館など周囲が暗いためサインが目立ち、しかも美観にうるさい場所ではこの文字無しの小型のものがウケてるようです(というか、最近の建物はこればっか?)。

小型サイン(緑) 小型サイン(白)

また、この文字無しタイプの白地バージョンは、矢印を強調してあるようです。ちょっと、非常口ピクトが小さすぎて視力の悪い人に対しての視認性は大丈夫かな、という気がしますが。

98. 左側を歩いてください?


hoge
階段を下りるときに見える看板

この写真は、京王井の頭線明大前駅内の階段に設置されている標識です。設置した人はおそらく「混雑時に左右きちんと通行帯を分けないと混乱を起こしてしまうだろう。」という想いから設置したのでしょう。

しかし、これでは日本語を読めない外国の方などはおそらく真ん中を歩いてしまうでしょう。標識自体を左に設置すればより設置した人の想いがユーザに通じたのではないでしょうか?

関連ページ
『73. 文章の配置と関連付けの理解』
『33. 駅のエスカレーターは右側通行?』

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