カテゴリー: 公共、住宅 (page 35 of 53)

244. 市営地下鉄の扉


先日、横浜市営地下鉄に乗っていたときの出来事です。駅に着いて扉が開くと一人の老婦人が乗ってきました。年齢を感じさせない軽やかな足取りで流れるように次の車両へ…と、そのとき、

「ドーン」

大きな音をたてて、その方は車両間の扉のガラスに激突!皆が一瞬、ギョッとしたのですが、幸い大事には至らず、その方は何事もなかったように扉を開けて隣の車両へ移動していきました。

なぜこのような事が起こったのでしょうか?

横浜市営地下鉄の車両間の扉

これがその扉です。大きなガラスですね。ガラスに衝突防止を兼ねた地下鉄のマークが入っているのですが、マークの中心が高さ1370mm程の位置にあり、色も目立たないため、腰のかがんだ老婦人には見えなかった可能性があります。これでは慌てていると扉が無い様に見えるかも知れませんね。

熊本県「ユニバーサルデザイン建築ガイドライン」によると衝突防止マークは「視線の高さへの貼り付け」を推奨しているようですが、特に高齢者と子供の目に入るような高さへの貼付が望ましいと感じました。

全席優先席化や、女性専用車両など、みんなが使いやすい交通機関に向けて、斬新な制度を打ち出している横浜市営地下鉄ですが、まだまだ改善していくためのヒントが利用者の行動に隠されていると感じました。

衝突防止マークにも色々なものがあるようです。こちらはデザイン性に配慮しながら、衝突防止の役割も上手く果たしている例です。

240. バスのプリペイドカード投入口~小田急バスと東急バスの違い


通勤に使っているバスの「プリペイドカード改札機」がとても使いにくい!私は同じ路線を走る小田急バス東急バスに同じ位の比率で乗車するのですが、「バス共通カード(プリペイドカード)」の投入口の位置がそれぞれのバスで異なります。バス前方のドアより乗車し、カードは降車時ではなく乗車時にのみ投入するのですが、カードを出し入れする際にいつも感じる事があります。

カード投入口
の比較写真

■小田急バス

(良)乗車位置に対して真正面にカード投入口が位置しており、「カードを入れる」という動作がスムーズに行える。

(悪)カードが運転手の側に出るので手を奥に入れて抜き取るのが少し不自然。

■東急バス

(良)「左から入れ、右から出る」 という方向は「ドアから乗車し、後方に進む」という動線と一致している。

(悪)乗車位置に対して真横にカード投入口が位置しているため、カードを左手で持ち窮屈な角度に手首を曲げて投入しなければならず、毎回ストレスに感じる。(現に「なんで横から入れないといけないんだ!やりにくいんだよ!!」とおじさんが怒鳴っている場面に遭遇したこともあり)

と、どちらの改札機もそれぞれに良い点悪い点が挙げられます。今となっては「小田急は真正面、東急は横」という心構えができましたが、バス通勤開始直後はなかなか慣れませんでした。と言うのも、冒頭で書いたように全く同じルートを通りなおかつ同じ赤系統の外観である両バスの区別がつかず「バスの年式によって投入口の位置が違うのかな?」としばらく誤解していたのです。

正面と横…ほんの些細な違いと思われるかもしれませんが”両手に荷物を抱えた雨の日”などの状況では、カード持ち替えというちょっとした行動が大きなストレスとなることもあるのです。

このような状況を少しでも回避できるよう、小田急
の『入れやすさ』東急の『受け取りやすさ』を活かしつつ両バスのカード投入口位置を統一すれば乗客への負担が減るのではないでしょうか。

ちなみに、運転手さんの態度&対応は東急バスの方が良いです。

239. 「メロディー」から「鳥の鳴き声」に至るまで~音響信号機


音響信号機について、読者の方からコメントを頂きました。この「音響信号機」とは、目の不自由な方に音で横断歩道を渡るタイミングを知らせる信号機のことです。

コメントは、『以前は「とおりゃんせ」が主流でしたが、新しく設置されたものや更新されたものは「鳥の鳴き声」に変更されています。鳥の鳴き声は、車のエンジン音と混ざると聞きとりづらいです。』といった内容でした。私は、これをきっかけに音響信号機について調べてみよう!と思い立ちました。

確かに鳥の鳴き声と比較し、「とおりゃんせ」のようなメロディー調のものは、音階の幅が広いため騒音の影響が少なく音が聞き取りやすいと思います。ではなぜ、メロディーは普及しなかったのか。それは歌詞の評判が良くなかったからです。

♪ 行きはよいよい帰りは怖い 怖いながらもとおりゃんせ とおりゃんせ ♪

この部分、目の不自由な方にとってはあまり気持ちよくありませんよね。「とおりゃんせの歌では怖くて信号を渡ることができない」という苦情がきたそうです。

こうして現在、「鳥の鳴き声」が採用されています。横断歩道を渡る時の誘導方法も、前後の信号機から交互に音が鳴るように改善されたため、進行方向の確認がしやすくなりました。目の不自由な方が誘導用ブロックのない横断歩道において、進行方向を確認しながら歩くのは困難と想定できるので、良いアイディアだと思います。

また、 スクランブル交差点の場合、中央に差し掛かった時、前後左右4組の音響信号機から対となる音「カッコーとカカッコー」「ピヨとピヨピヨ」が聞こえますが、こちらも少ない音数であるため聞き分けて進行方向を確認することができそうです。

鳴き交わし方式

このことから音響信号機は、音が聞き取りやすく、明るい気分で渡れ、スクランブル交差点でも方向がわかることが重要だと言えます。音響信号機1つにしても様々なことが考えられて、現在の形に至ったことが分かりました。しかし、まだ改善の余地が残されている部分もあるので、上記のポイントを元にこれからも進歩し続けていくことを期待しています。

■コメントを下さった読者の方へ

コメントをいただいてから、日記にするまで時間が空いてしまいすみません。これからもご意見ご感想をお待ちしております。

関連ページ
地域密着街の音研究所
横断歩道にて録音された「とおりゃんせ」「夕空晴れて」のメロディーを聴くことができます。トップページの「街路音」に入るとリンクがあります。

237. 乗り換えで迷わない~韓国地下鉄の案内表示


電車の乗り換え、特に東京の地下鉄の乗り換えというと、複雑で難しい印象を受けませんか?お隣韓国ではなかなか気の利いた工夫を行っています。

韓国の地下鉄は”路線カラー”が決まっており、乗り換え案内表示として、ホームからホームへ”路線カラー”のラインが壁に引かれているのです。目線よりも上側にあり、人が多くても見失いにくいですね。

また、「本当にこっちで平気かしら?」と途中で不安になっても大丈夫。ある程度の間隔でラインに進行方向が示されています。それに、狭い通路から広い場所に出た時や、通路が交差してラインが途切れた時でも、柱や壁など目に入りやすい箇所に乗り換えの案内表示があるんです。これならば、初めてその土地を訪れた観光客や地下鉄に不慣れな人でも、安心できます。

ホームでの駅名表示と乗り換え案内表示
壁に乗り換え案内表示のラインがある様子

「乗り換え案内表示のラインが多くて、間違えそう」という心配もありません。韓国の地下鉄では、一つの駅で交差するのは最大三路線なので、壁のラインは多くても二本までというわけです。

実は日本の一部の地下鉄でも、このようなラインを用いて乗り換え案内表示をしているようです。でも、そこでは床面にラインが引かれています。このタイプは混雑しているとラインを辿ることが難しそうですね。 日本の地下鉄乗り換え案内ももう少し工夫して、乗り換えの不安を取り除いてもらいたいものです。

関連ページ
韓国旅行Guidekorea
KONEST>ソウルの地下鉄路線図(リンク先消滅)
::: Seoul Metropolitan Subway Corporation :::(リンク先消滅)
「Train Service」→「Transfer Information」と選択すると韓国地下鉄の駅構内の写真が見られます。

234. つり革の色で優先席を明確に


電車内のマナー、特に優先席付近での携帯電話マナーはついつい忘れてしまいがちですね。

かなり目立つ色です

小田急線にて見かけたオレンジ色のつり革です。これ、実は優先席付近のつり革だけがオレンジ色になっています。まわりにある一般席周辺では、従来通り白色のつり革が使われており、優先席を視覚的に認識しやすくしているわけです。

これまでは、シートの色や車内シールによって優先席であることを表していましたが、人が座っていたり、車内が混雑しているとその効力が失われてしまい、優先席だと気付かない場合がありました。

つり革は常に目線よりも上にあるため、混雑している場合であっても見えなくなってしまうことはありません。また、遠くからでも優先席付近であることを、オレンジ色の群れによる「エリア」として認識できるため、乗車時に携帯電話を操作している場合など、瞬時に乗り込む先を判断することができます。

携帯電話のマナーに関する車内アナウンスは、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください・・・」という内容ですが、「 吊り革がオレンジ色の 優先席付近では携帯電話の電源をお切りください・・・」という方が具体的でわかりやすいですし、何より自分がつかまっているつり革がオレンジ色だったらドキッとしちゃいますよね。

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