音響信号機について、読者の方からコメントを頂きました。この「音響信号機」とは、目の不自由な方に音で横断歩道を渡るタイミングを知らせる信号機のことです。

コメントは、『以前は「とおりゃんせ」が主流でしたが、新しく設置されたものや更新されたものは「鳥の鳴き声」に変更されています。鳥の鳴き声は、車のエンジン音と混ざると聞きとりづらいです。』といった内容でした。私は、これをきっかけに音響信号機について調べてみよう!と思い立ちました。

確かに鳥の鳴き声と比較し、「とおりゃんせ」のようなメロディー調のものは、音階の幅が広いため騒音の影響が少なく音が聞き取りやすいと思います。ではなぜ、メロディーは普及しなかったのか。それは歌詞の評判が良くなかったからです。

♪ 行きはよいよい帰りは怖い 怖いながらもとおりゃんせ とおりゃんせ ♪

この部分、目の不自由な方にとってはあまり気持ちよくありませんよね。「とおりゃんせの歌では怖くて信号を渡ることができない」という苦情がきたそうです。

こうして現在、「鳥の鳴き声」が採用されています。横断歩道を渡る時の誘導方法も、前後の信号機から交互に音が鳴るように改善されたため、進行方向の確認がしやすくなりました。目の不自由な方が誘導用ブロックのない横断歩道において、進行方向を確認しながら歩くのは困難と想定できるので、良いアイディアだと思います。

また、 スクランブル交差点の場合、中央に差し掛かった時、前後左右4組の音響信号機から対となる音「カッコーとカカッコー」「ピヨとピヨピヨ」が聞こえますが、こちらも少ない音数であるため聞き分けて進行方向を確認することができそうです。

鳴き交わし方式

このことから音響信号機は、音が聞き取りやすく、明るい気分で渡れ、スクランブル交差点でも方向がわかることが重要だと言えます。音響信号機1つにしても様々なことが考えられて、現在の形に至ったことが分かりました。しかし、まだ改善の余地が残されている部分もあるので、上記のポイントを元にこれからも進歩し続けていくことを期待しています。

■コメントを下さった読者の方へ

コメントをいただいてから、日記にするまで時間が空いてしまいすみません。これからもご意見ご感想をお待ちしております。

関連ページ
地域密着街の音研究所
横断歩道にて録音された「とおりゃんせ」「夕空晴れて」のメロディーを聴くことができます。トップページの「街路音」に入るとリンクがあります。