カテゴリー: 公共、住宅 (page 34 of 53)

264. 電車の進行方向がわかる駅のホーム


白線と平行して電光表示が動いている写真

普段はそっけないホームの足下で、鮮やかに光る点滅を目にしました。

電車が駅に到着することを伝えるアナウンスに合わせて、一定間隔に敷かれたホーム上のランプが、電車の進行方向に倣い、順番に点滅しだします。

ホームをぼんやり歩いていたりすると、アナウンスが耳に届かず、後方から突然電車がやってきて驚かされてしまうことがあります。

このホームでなら、電車が到着するタイミングを目でも認識することができるため、不意をつかれる心配はなさそうです。頭上の電光掲示板による警告表示と合わせて、電車が接近することの注意をより喚起できそうですね。

263. 背の低い自動販売機


みなとみらい線の横浜駅構内で発見しました。通常よりずっと背の低い自動販売機で、高さは130〜140cmほどしかありません。

背の低い自販機

自動販売機の背が低いおかげで、遠くにある路線案内の表示が見やすいと感じました。

遠くが見渡しやすいです

自販機自体が小さくなっているので、商品のストック数が少なくなり、入れ替えの手間が増えていると思われますが、商品入れ替えの手間よりも駅を使う人の利便性を優先したと考えれば、よい試みだと思いました。

262. 視覚障害者にも配慮した信号の押しボタン


高田馬場に出かけた際に、見慣れない信号機の押しボタン箱を発見しました。初めて見た形で興味深かったのでご紹介します。

信号機の押しボタン箱

この押しボタンには以下の3つの特徴があります。

  1. 前面と上面の二ヶ所にボタンがついている。(一般的な押しボタンには前面のみ)
  2. 上面のボタンには点字と視覚障害者を示すピクトグラムがついている。
  3. 押しボタン箱に設置したスピーカーから位置を知らせるためのチャイム音を出している。

これらの中で1と2の理由が気になったので考えてみました。一歩下がって見ると、押しボタン箱の設置高が1m位とちょっと低い事に気が付きました。低い位置で前面に点字が設置されていると、点字を読むために少しかがむような姿勢をとらないといけません。

これは見えないものを手探りで探している視覚障害者にとってかなりの障害になりますから、点字を読みやすくボタンも押しやすい上面に点字つきのボタンを設置した方が良いと考えたのではないでしょうか。視覚障害者に対する配慮を感じました。

ですが、3つ目の特徴である「押しボタン箱に設置したスピーカーから位置を知らせるためのチャイム音を出している」ということだけでは、上面に点字付のボタンが設置してあることを示すことができずに上面のボタンが活かされない可能性があります。

例えば「上面にもボタンがあります」と音声でガイドするなどの方法で、視覚障害者の方でも上面のボタンに気付くことができるようにすればいいのではないかと思いました。

この押しボタン箱には上面のボタンをはじめとした視覚障害者に配慮した特徴がありながら、気付いてもらうための工夫が足りずにその特徴が十分に活かされていないので、少し残念に感じました。しかし、あと少しの工夫で視覚障害者に対する配慮の行き届いた押しボタンになりそうなので、頑張ってほしいなと思いました。

257. 車椅子用トレーで楽々お買い物


職場の近くのスーパー「マルエツ港北中川駅前店」にて発見しました。車椅子のお客さんが楽に買い物できるように、膝にかごを乗せるためのトレーです。

車椅子用トレー

膝の上にトレーを乗せ、その上に買い物かごを置くので、トレー裏側のももに当たる部分はクッション素材になっていました。また、買い物かごは専用のもので、トレーにぴったり乗せられるように小型にしてあったり、通常の買い物かごにあるような持ち手をなくし、両サイドに手をかける穴を開けてあります。

ベルトで腰に固定します

使うときは買い物かごを二つ持ってくるように指示されていました。どうしてかなぁと考えてみたのですが、トレーに乗せるかごが普通のかごとは違うものであることに関係しそうです。

小さいかごをひとつだけ持ってレジで精算をすると、商品は前のお客さんの使っていた普通の大きさのかごに移されるので、精算後にかごをしっかりとトレーに乗せることができません。そして、次のお客さんの精算時には、商品は車椅子の人が使っていた小さいかごに移されるので、小さいかごが元のラックに戻されない可能性があります。これらの問題が起こらないように、最初から小さいかごを二つ持って行き、商品をかごからもうひとつのかごに移しながら精算をして、かご二つを元のラックに戻すという使い方にしたのだと思いました。

この店舗では専用のかごを用意したり、使い方に配慮をすることで車椅子の人が健常者と同じように買い物が出来るようにしています。車椅子の人の「買い物」に対するバリアを取り払おうという試みにとても感心しました。しかし、車椅子の人と健常者が別々のかごを使用しているという部分では、まだ本当にバリアが取り払われたとは言えないのかも知れません。みんなが同じかごを使って不便なく買い物が出来るようになって、初めて本当のバリアフリーといえるのかもしれませんね。

248. 動く歩道の手すりにドット~解決編~


動く歩道の手すり

この写真に見覚えのある方はいらっしゃいますか?これは、以前の使いやすさ日記でとり上げた、動く歩道の手すりの部分です。(「174.動く歩道の手すりにドット」参照)

その日記では「なぜこんなところに白い丸印がついているのか?」という問題提起を行っています。さて、この問題を解けた方はいらっしゃったでしょうか?

今回はその答え、すなわち、丸印の役割についてご報告いたします。

……….

エスカレーターのメーカー(日立ビルシステム)へ問い合わせたところ、以下のようなお返事をいただきました。

『お問合せ頂きました手すりの印ですが、東京ビックサイトで使用している手すりが黒色のため、少し離れた所から見ると、動いているのか或いは動いていてもどちらの方向に動いているのか瞬時に判断が出来ない為、白い印を付け、動く歩道の動きが判り易くする事を目的に付けています。』

  1. 動いているのか
  2. どちらの方向に動いているのか

これらを瞬時に判断するためだったのですね。

では、なぜ「動いているか」「どちらの方向へ動いているのか」を確認する必要があるのでしょうか?メーカーの方は、“手すりが黒色のため”とおっしゃっていますが、調べていくうちに必要な理由や利用状況がわかってきました。

デパートなどで、それまで上り方向に動いていたエスカレーターが、閉店どきになると下り方向に変わることってありますよね。このように、時間帯によって動く方向を変えるエスカレーターの場合には、利用者が乗り間違えないよう、どちらに動いているのかをより分かりやすく提示する必要があります。

また、動く歩道の足場には、エスカレーターのステップのように黄色い縁取りがありません。足場は真っ黒なものが多く、動いている様子が確認しにくくなっています。これでは、利用者だけでなく施設管理者も不便に感じますよね。

このように、時間帯で方向が変わるエスカレーターや、動きが確認しにくい動く歩道などで、この手すりの効果が発揮されることがわかりました。丸印一つにもこんな役割があったのですね。

ちなみに、丸型だけでなく、ダイヤ型のものもあるようですよ。

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