カテゴリー: その他 (page 22 of 30)

256. 正座が楽になるイスOZAB


昨年の秋に「グッドデザインプレゼンテーション」というイベントに行ってきました。グッドデザイン賞にノミネートされた商品が展示されるイベントです。

そこで見つけたのがこの「OZAB」です。カップケーキではありません(笑)。正座をするときに足にはさむようにして使います。実際に座ってみたら、普通に正座をするときと比べてお尻が少し浮く格好になりました。膝や足裏に負担がかかりにくく足がしびれにくいので、長時間の正座が楽になりそうです。

OZAB

偶然居合わせた作者の方に製品を作ったきっかけや完成までの経緯を聞くことができました。これを作ったきっかけは事故で膝を痛めて正座がつらくなったことだそうで、形状は早い段階で決まったものの、高さに関しては膝に負担がかからないような高さになるまで試行錯誤を繰り返したそうです。いろいろな人に使ってもらっていたら女性の知人に「私にはちょっと(高さが)高すぎる」と言われたそうです。それがきっかけになって、小柄な体格の人にも合うように約2センチ低いタイプも作ったということでした。はじめは自分のために作ったものが人の目に留まり、意見を取り入れながら製品化に至ったというお話が聞けてとても興味深かったです。

奥が2センチ低いタイプ

僕が今までに見たことのある正座椅子は、いかにも正座の補助具という印象のものやお殿様の肘掛けみたいなデザインのものばかりなので、あまり欲しいと思えませんでした。でも、この「OZAB」は正座が楽になる高さについてしっかり考えられている上に、かわいらしいデザインで部屋にも溶け込むので買ってみてもいいかなと思いました。

関連ページ
work’sGEN(製作者の方のサイト)
↑の方のブログのエントリ「GDP 2004 二日目」(リンク先消滅)
ITmedia ライフスタイル:“グッドデザイン”の祭典、開催中

255. どこで切り離せばよいのでしょう?~映画の鑑賞券


右手と左手にそのまま持って、真ん中で切り離してしまいそうです

映画館の窓口で、「大人2枚ください」といって受け取った映画の鑑賞券です。どこを境目として1人分ずつ切り離すのか、パッと見てわかりますか?

皆さんにも、複数人分の券をつながった状態で受け取った経験があるかと思います。受け取った後に、「これはあなたの分…」と、切り離して相手に手渡しますよね。しかしこの券の場合、注意深く見ないと間違えて、係りの人が半券として切り離すための境目から「ビリッ」…ということも考えられます。

係りの人に切り離される半券と、自分が受け取る半券。それぞれに表示されている内容は、レイアウトも含め全く同じものとなっています。入場ゲートで係りの人が切り離すときに、どちらを半券として渡しても良いように配慮されているのかと考えられます。しかし、2人分の券がつながった状態になると、図形やレイアウトによって1人分の券とは異なるまとまりとしても見えてしまい、間違った境目が浮かび上がってきてしまうのです。

正しい境目をみつけるための手掛かりは、席番号と申し分程度の背景模様しかなく、間違った境目を打ち消すほどの効果はありません。席番号のような細かい情報を読み取るよりも先に、同じ形やレイアウトの規則性を目で追い求めてしまうのですから。

映画館は、時にムードが肝心な場所になり得ます。間違えて切り離しちゃって、「キミ〜ダメだよ〜」って映画館の人に怒られて、気まずいムードが生じてしまうようなことは避けたいですね。

254. 日記分類マークのアイコンを改訂しました


もう気付かれた方もいると思いますが、使いやすさ日記のアイコンを新しくしました。「○×◇!」など、日記の種類を表していたアイコンです。今日は、どんなところを改訂したのか書きたいと思います。

よく配慮
されています
使いにくい! その他、
ご紹介
新提案
従来のラベル 従来のGood 従来のBad 従来のInfo 従来のIdea
改善後のラベル 改善後のGood 改善後のBad 改善後のInfo 改善後のIdea

改善前のアイコンには、様々な問題がありました。

1.アイコンの内容がわかりにくい。

例えばこれ。

従来のInfo

このアイコンはどんな意味なのでしょうか?コレだけを見て正しく答えられた方は少ないと思います。正解は「その他、ご紹介」に分類できる日記、です。

以前のアイコンはピクトグラムのみで構成していたため、その意味は閲覧者の解釈に頼っていた部分がありました。○や×のように明確な意味をもつ記号は解釈しやすいのですが、メモクリップや電球のように間接的に意味を示すピクトグラムは、具体的な説明がなければわかりにくいですよね。

ピクトグラムは、文字が分からない・読めない・読むのが面倒な時などに、形や色で記憶できるとても有効な記号です。しかし、このサイトのように不定期に閲覧されるような場合、アイコンは単独で意味を伝える役割を果たさなくてはならないため注意が必要です。

今回の改善では、より説明的に意味を伝えるために「GOOD」「BAD」「MEMO」「IDEA」という文言をプラスしました。このことによりアイコンの意味も覚えやすくなり、一度見た人であれば、直感的に判別することができるようになったはずです。

2.ラベルであることが分かりにくい

「このアイコンらしいものは何ですか?」という問い合わせをいただいたことがあります。

確かに何のためのアイコンなのかわかりにくいですね。日記の内容によっては「こんなアイコン見つけました!」というようなものもあり、紛らわしい状況だったと思います。

では、これを解決するにはどうしたらよいでしょうか。

  1. 凡例をわかりやすく提示する
  2. 日記内容とアイコンの関係がわかりやすいレイアウトに改善する
    1. アイコンをタイトルの前にもってくる
    2. 背景色や罫線などで、日記内容と日記情報を区別する
  3. ラベルらしいイメージにする

この中から、まず手始めにアイコンを「ラベルらしいイメージにする」改善を行いました。下の二つを見比べてみてください。

左:ただの×印 右:枠をつけて斜めにした×印

同じ×印でも右側の方がラベルらしいと思いませんか?日記の文章にシールをぺタっと貼ったイメージにすることで、日記の内容と区別しています。

今回のリニューアルでは、全てを変更する時間はかけられなかったため、アイコンの差し替えだけという制約がありました。しかし、いくつかの問題は解決できたと思っています。

これからも、使いやすさ日記が読みやすい日記、使えるサイトになるように改訂していきたいと思います。皆様からのご意見、つっこみお待ちしております。

252. 熱湯の出し方~回転寿司屋の蛇口


回転寿司屋に行くとこのような蛇口をよく見かけます。湯呑みをボタンに強く押し当てると熱湯が出る仕組みです。

熱湯が出る蛇口

この蛇口、一見単純な作りに見えますが、初めて使う人にも利用方法は伝わるのでしょうか? 先日、回転寿司屋を利用したことがないという友人は熱湯を注ぐ時、左手で湯呑みを蛇口の下に持っていき、右手の指を湯呑みとボタンの間に差し込んで、ボタンを押そうとしました。その状態でお湯を出すと、手に熱湯がかかるかもしれません…。私は危ない!と感じ、すぐに湯呑みでボタンを押す方法を教えて、事なきを得ました。

なぜ友人は手でボタンを押そうとしたのでしょう。主な要因は2点ありました。

  1. 現状の蛇口やボタンの形状は、湯呑みでボタンを押すことが分かる特徴が少ない。
  2. 注意書きには「黒いボタンを押すとお湯が出ます。」と書いてあるが、「湯呑みで」とは書かれていないため、初めて使う時は湯呑みでボタンを押せば良いことが分からない。

このことから私達は1つめの要因に着目して、どのような改善をすれば分かりやすくなるのか、友人のためにアイディア出しをしました。その結果、以下のような工夫を施すのが良さそうだと感じています。

湯呑みでボタンを押すことが分かる特徴を作る

  • [案1] ボタンに湯呑みのマークを入れる
  • [案2] ボタンの幅を若干広げて湯呑みの形に合わせる
  • [案3] 湯呑みをテーブルに置いたままスライドさせてボタンを押せるようにする
    蛇口を下げて、前述の特徴を明示的にするため、テーブル面には湯呑みの押し込み位置にガイドをつける(これだど湯呑みを落とす危険も減らせる)

ボタンを手で押せないように見せる

  • [案4] 指先で押しにくくするため、ボタンをリング型にする

熱湯が出る蛇口は手軽に熱いお茶が飲めるのでとても便利です。しかし火傷をする危険も伴うため、初めて使う人にも安全な使い方が直感的に分かることが大事だと思いました。

246. 業務効率をUPする技~回転寿司屋


先日、寿司の価格が均一な回転寿司屋に行きました。そこで会計をする際に、業務効率がUPする技を目撃しました!寿司を食べて皿を積み重ねると、このような状態になりますね。

積み重ねた皿

そして会計のため店員を呼ぶと、なんと!店員は重ねた皿に湯呑みをくっつけ、物差し代わりにしました!湯呑みの高さは皿6枚分であるため、そこからはみ出た皿だけ数えれば効率良くカウントできます。

このように積み重ねた皿が、湯呑みの丈よりも高いと判断された場合、湯呑みは物差し代わりに使われます。同じ種類の皿が連続で重ねられている時や、少し並べかえれば皿の種類を分けられる時などもこの技が有効ですね。

ちょっとした工夫ではありますが、このような工夫の積み重ねが業務効率の向上へとつながっていくのだと思います。

参考キーワード:先人の計算

使いやすさ研究所の用語解説のページにジャンプします。 「積み重ねた皿を効率よく数えるため湯呑みを物差し代わりにする」 というタスクに関連した事柄が載っています。

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