Page 91 of 165

375. ランプで知らせてくれるエレベーター


[問題]

エレベーターが上にあがるときはランプの上部が光り、下に降りるときは下部のランプがつきますが、真ん中が青く光っている時はどんな時でしょうか。

ランプ中央部が青く光っている
[答え]

青く光っている時は雨が降っている時です。ちなみに、これは東京オペラシティのエレベーターです。

最近の都心の大型高層ビルやフロア面積の広いビルでは、室内がパーティションなどで仕切られ自席から外が見えないオフィスも多く、 その日の天気も知らずに一日を過ごす・・・なんていうことはよくあることだと思います。そこで困るのが、雨が降っているかどうかが分からないことです。でも、写真のような工夫があればエレベータに乗る前に雨に気づき、オフィスに傘を取りに戻ることができます。

また、「雨=青」という分かりやすい色の設定や「光って知らせる」というさりげない表現が素敵だと思いました。ちょっとした工夫なのかもしれませんが、こんな心遣いは嬉しいですよね。

ただ一つ問題なのは、この機能に対するインフォメーションが何もないため、知人から聞くまでこの青く光るランプに気づかなかったことです・・・

374. 交換すべきインクがわかりやすいプリンタ複合機 ~インクカートリッジが光って主張~


ちょっと気の利いたプリンタ複合機を見つけました。

PIXUS MP960という製品なのですが、インクカートリッジをはめ込む場所にLEDが仕込まれており、カートリッジ1つ1つが点灯しているかのように見えます。そしてインクが残り僅かになったカートリッジでは、この光が点滅します。 

点滅するインクカートリッジ

インクが切れた時にどのカートリッジを交換すれば良いのかが一目瞭然なので、カバーを開けてから「交換するのは何色だったっけ?」とディスプレイを二度見することが無くなります。作業の対象であるカートリッジそのものが、「交換するべきもの」であることを主張して作業をガイドしてくれているのです。

ユーザの行動の流れを適切に捉え、よく配慮された製品だと思いました。

373. 愛嬌のあるインクカートリッジ


最近のプリンタインクは以前に増して多色になっています。
プリンタインクの交換では少なからず、
「どれも同じに見えて分かりにくいなぁ・・・どのインクが交換なの?」
「インクの取り出しを間違えたら戻せないかな・・・」
などといった混乱と緊張を覚えます。

そんなある日、HP(日本ヒューレット・パッカード株式会社)の複合機のインクを交換する機会があり、カバーを開けて「えっ!?」と思いました。 コロンと丸みのある形のインク達が、こっちを向いて仲良く並んでいるのです。

私が普段使っているプリンタのインクカートリッジは、細長の角ばった平らな形状でインク間の隙間も狭くどれも同じ様に見えます。また取り出す時は小さいつまみをつまんだまま持ち上げねばならず、非常にやりにくいのです。

このようにインク交換に対してネガティブなイメージがあったのですが、初めてHPのインクカートリッジを見たときは驚きました。

まずそれぞれのインク色がハッキリ分かったこと、次に一つ一つが大きくつまみやすそうな形状であったこと、さらに見た目がコロンとして親しみがもてたことで直感的に「使いやすそう!」と感じたのです。いつも不安に感じていたインク交換でしたが、ちょっと楽しい気持ちになれたことはすごいと思いました。

このようにネガティブに感じていたことを楽しみに変えることでユーザの積極的な気持ちを引き出せるのであれば、「見た目」ということも使いやすさの重要な一要素と言えますね。 

372. 用紙が落ちやすい複合機


最近はコピーを取ることより、プリンターとして複合機を使う方が多くなった気がしますが、そうは言ってもそれなりにコピーを取ることはあります。 そんな時に困った現象を何度か体験しました。 コピーを済ませて、原稿カバーを開けたその時でした。 コピー機の裏に原紙が落ちてしまったのです。

写真A ヒンジ部が広く紙が裏に落ちてしまう

このコピー機は、原稿カバーを開けるとヒンジの間に広い隙間が空いてしまい、原稿カバーを開けた時の風圧でその隙間から紙が落ちてしまうのです。しかも、複合機の周りにはキャビネットやコピー用紙などが置いてあり、容易に複合機を動かせる環境ではありません。一度コピー機の裏に落ちた原紙を拾うのはとても大変な作業です。 当然、ゆっくりと原稿カバーを開けばこのような現象は起きませんが、急いでいる時に勢いよく原稿カバーを開けるとその頻度も高くなります。

会社には複数の複合機があるので他はどうなっているかを調べてみると、

写真B ヒンジ部が狭く紙が裏に落ちにくい

隙間の狭い複合機もありました。写真Bはヒンジ部の隙間が185mmでB5用紙の短手より(182mm)少し大きいだけです。 これなら、B5用紙でもコピー機の裏に用紙が落ちるなどということはないでしょう。 機構上の都合やメンテナンス上の都合など何かヒンジ部を広くする理由があるかも知れませんが、実際に他の社員も同じ現象を体験していることを考えると、もうすこしユーザーの利用状況に配慮した設計をしてもよいのではないかと思います。
同型の複合機を使用している他のオフィスでもきっと同じ現象が起きているのではないでしょうか。

371. 測り終わるのはいつ? 体温計のブザーの意味


先日実家に帰ったとき、私は体調を崩してしまったため、実家に置いてあった体温計で熱を測りました。

ブザーが鳴り体温を確認してみると、結果は予想よりも低く微熱でした。表示された値に納得できなかった私は、使い方を誤っていないかと母に尋ねたところ、なんと「その体温計はブザーが鳴った3分後に測り終わるんだよ」という答えが返ってきました。それまで私は、体温計のブザーは『検温が終わったことを知らせるため』に鳴るものだと思い込んでいたため、非常に驚きました。

後日調べてみたところ、その体温計のブザーには以下の特徴があることが分かりました。

  • 測定温度の変化が緩やかになるとブザーが鳴る
  • ブザーが鳴って3分以上経過することで検温が終了したものとする
  • ブザーは測定中1回しか鳴らない

これでは検温時に時間を測れる状況にいないユーザは、3分間を想像でカウントして測定終了まで待つしかありません。

以前実家では、測定終了後にブザーが鳴る一般的な体温計を使用していたため、両親も初めて現在の体温計を使用したときはブザーの意味を勘違いしたそうです。 

以前使用していた体温計のブザーが鳴るタイミングを表す図
現在使用している体温計のブザーが鳴るタイミングを表す図

体温計は身体の異常時に使用するものであるため、ユーザに正確な体温を伝えることが要求されます。最近では検温終了後に振動して知らせるタイプもあるようですが、私の事例のように勘違いを起こさないためにも、業界で統一・標準化を図ってみてはいかがでしょうか?

« Older posts Newer posts »