仕事でExcelをよく使います。そんなあるとき、少しでも見やすい表を作るために、下のように黒色で塗りつぶしたセルの間に白い罫線を引こうと思ったのですが、線を引くのに困ってしまいました。
メニューの罫線ボタンからでは詳細な設定ができないので、書式設定の画面を開いて、線の色を「自動」から「白」にすると、線のスタイルの表示が白地に白線となり、スタイルがわからなくなってしまったのです。
(図)Microsoft Office2003 Excel「セルの書式設定」ダイアログ |
これでは、スタイルは選べません・・・・・・
結局、線の色を「白以外」にいったん戻して、スタイルの位置を確認してから、「白」に設定し直さなければなりませんでした。Excelと同じように私がよく使う、WordとPowerPointの同様の設定ができる画面を見てみると、下図のようになっていました。
(図)Microsoft Office2003 WordとPowerPoint「セルの書式設定」ダイアログ |
Wordでは、色を変更すると、「種類」(a)と「線の太さ」(b)と「プレビュー」(c)内の線の色に変更が反映されますが、「スタイル」内のすべての線の色が変るのではなく、現在のスタイルにのみ反映されるので、すべてのスタイルがわからなくなり選べない、ということにはなりません。
また、PowerPointでは、色を変更しても、「スタイル」(d)内の線やその他の箇所にも変更の反映はされず、設定結果をこのダイアログ内で確認することはできません。そのかわりに、PowerPointには、設定を決定する前に、実際のページ上で設定結果を確認できるプレビュー機能があり、文字や背景色などの罫線以外の内容とのバランスを確認することができます。
これまでの3つのソフトについて、まとめてみます。
- Excel: 色を「白」に変更すると、全スタイルに「白」が反映され、スタイルを選べなくなります。
- Word: 色を「白」に変更すると、現在のスタイルにのみ「白」が反映されますが、他のスタイルは黒い線のままなので選ぶことができます。
- PowerPoint: 色を「白」に変更しても、スタイルは黒い線のままで、「白」は反映されません。
今回の場合は、白い線を引こうとしたことにより起こったことですが、「白」以外では、色が反映されたスタイルを確認することができます。一方、PowerPointのように色が反映されなければ、スタイルがわからなくなることはありませんが、色が反映されたスタイルを確認することはできません。上記のことから、設定した「色」と「スタイル」を同時に確認することは、なかなか両立しにくいことなのだなと感じました。
また、このように同様の罫線の設定画面として見てみると、同じシリーズ間で画面構成は似ていても、設定方法やユーザインタフェイスの仕様が微妙に異なっていることがわかります。合わせて使用することの多い、ソフトのセットなので、メニューやツールバーの見た目だけではなく、細かいところでも揃っていると、セットのサービスとして、より魅力的になると思います。
[補足]
Office 2007のPowerPointでは、このようなダイアログはなくなり、変更後のデザインイメージを表示してくれるライブプレビュー機能がつきました。