カテゴリー: 公共、住宅 (page 22 of 53)

449. 料金ボタンが見つからない!~地下鉄券売機


先日、友人と大阪へ観光に行ったときのことです。地下鉄に乗ろうと駅の切符売り場に着いた私たちは、頭上に貼られている地下鉄運賃マップを見上げて行き先を確認し、270円分の切符を買うべく、券売機に小銭をいれました。しかし次の瞬間、券売機の画面を見て戸惑いました。

そのときの画面

「…なんやこれ?」

料金ボタンが見当たりません!

ちなみに私がいつも使っている券売機は、「数字が書かれた料金ボタンが画面内にズラッと並んでいて、それをタッチすると切符が買える」という仕組みになっていますが、どうやらそれとは勝手が違うようです。 

いつも使っている券売機の画面

とりあえず「きっぷ購入」や「地下鉄きっぷ」ボタンをタッチしてみましたが、画面は変化せず、料金ボタンは現れません。あきらめて隣の券売機で購入中の方を観察すると、、、

なんと、料金ボタンは画面の外にあることがわかりました!

ついつい画面にばかり目がいき、全く目立たない実物ボタンの存在には気づくことさえできませんでした。「操作対象は画面」と思い込んだが最後、その外にはなかなか注意が及ばないものです。

速やかに料金を選べる実物ボタンは、使い慣れたユーザーであれば使いよいかもしれません。しかし、初めて使うそそっかしい旅行者にはひとまず、「実物ボタンの押下を誘導してくれる、画面内のガイド表示」が望まれますが、いかがでしょうか。

448. 一目瞭然!ICカードの残高具合い


ICカード乗車券PASMO(※1)を愛用し始めてから半年経ちますが、先日、ひとつ気づいた点があります。

電車を降り改札から出ようと改札機にカードをかざすと、液晶画面に[引去額]と[残額]が表示されますよね。この表示、背景が白い場合と、黄色い場合があるのをご存知でしょうか(Suicaの場合でも同様です)。実はこれ、“ICカードの残額が1000円以上の場合は白”、“1000円未満の場合は黄色”というふうに色分けされているのです。 

多くの人がドヤドヤと改札を出ていく慌ただしい流れの中で、この表示を確認できるのはたった数秒です。急いでいるときなどは特に、残高金額の数字を瞬時に読み取ることは少々ハードルが高いタスクと言えましょう。しかし、そんな束の間でも“黄色=残高が少ない”ということさえパッと認識できれば、次の乗車時までに余裕を持ってチャージしておくことができ、「うっかり残高切れで、改札口でとうせんぼ」という事態を未然に防ぐことができます。

いつも一瞬しか見ることのない、改札機の液晶画面。その真意に気づきにくいという点がちょっぴり残念ではありますが、背景色をガラリと変えることで、チャージする頃合いをそっと忠告してくれていたのですね。素敵ですね。

ただ惜しむらくは、視認性が高いばかりに後ろの人にもよく見えてしまうというところ。黄色だと「金欠」がばれるみたいで、ちょっぴり恥ずかしいですね。

※1 PASMO…首都圏の鉄道・バスで利用できる、便利なICカード乗車券。
 

447. うっかり防止!自動風呂給湯器


我が家には自動風呂給湯器が付いています。浴室だけでなく、キッチンからも操作ができ、さらにボタンひとつでお風呂が沸いてくれてとても便利です。

ところが先日、こんな失敗をしてしまいました・・・。日中に、浴槽の掃除をし、その後部屋の片付けをしたり、友達とお茶を飲んだりして休日を満喫した夜のこと、「さてお風呂に入ろう」といつものようにキッチン側のリモコンの“自動”ボタンを押し、お湯張りを開始しました。

写真1:キッチンにあるリモコン
写真2:キッチンにはこんなリモコンがついています

しばらくして『残り5分でお風呂が沸きます』、『お風呂が沸きました』とガイダンスがあったので、勢いよく服を脱ぎ浴室に入ったら・・・浴槽にはまったくお湯が溜まっていませんでした。

写真3:浴槽に掃除の際の水を残したくないので栓はしません

私は平日は帰宅後にお風呂の掃除をし、そのままお湯張りをしています。一方、休日は掃除後、最後まで水を流しきりたいのでしばらくたってから栓をするようにしています。そしてこの日、うっかり者の私は、掃除の後に栓を開けたままにしていることをすっかり忘れてお湯張りをしてしまい、大量のお湯と時間を無駄にしてしまったのでした。

こんな失敗をするのは私だけなのか…と思い、Webで調べてみたところ、案外同じような失敗をしている人がいました。そんな時、ある商品が目に止まりました。

その商品はお湯張りを開始する際に『お湯張りをします。お風呂の栓はしましたか?』とユーザに注意を促してくれます。

私の家の給湯器がこの商品だったら、うっかりミスを防げたのではないでしょうか?

■エコキュート
http://www.ecocutenavi.jp/kensaku/search/detail.php?id=207

446. そのゴミ「燃えますか?」~ゴミ箱の表示


先日、近所のショッピングセンターで紙くずを捨てようとしたときのこと。ゴミ箱の表示があまり目にしたことのない表現であることに気が付きました。普段、よく目にする表現は、「燃えるゴミ/燃えないゴミ」ですが、このゴミ箱は「燃やすゴミ/燃やさないゴミ」となっています。

「燃やすゴミ/燃やさないゴミ」という新しい表現を用いたゴミ箱

表現の違いが気になったので、調べてみたところ、「燃やさないゴミ」という表示は、自治体が定めた基準によって「燃やさないと決めている」ゴミという意味だそうです(参考URLを参照のこと)。ゴミには「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」という分け方がありますが、「燃えないゴミ」のなかにはプラスチックのように、それ自身燃えるものでありながら、燃えるゴミと一緒にしてはならないものも入ります。つまり、こういった矛盾に対応するための表現として考案されたというわけです。

なるほど、確かにプラスチックは燃やそうと思えば燃えるので、「燃やさない」という表現の方が正しいかもしれません。しかし、このゴミ箱が設置されているショッピングセンターという場所においてこの表現は適切でしょうか?

ショッピングセンターにはいろいろな地域から人が訪れます。すなわち、皆それぞれ違った分別のルールを持っているということです。「燃やす/燃やさない」の基準は自治体によって様々ですが、必ず分別に関する説明がホームページやチラシを通じて行われています。そのため、それに従えば分別に迷うことはそれほど無さそうです。 しかし、今回の場合はショッピングセンターのある地域のルールを知らない限り、たとえばプラスチックゴミをどちらに捨てて良いのか分からないといった状況が考えられます。

ゴミ分別のための新しい表現を考えたところまでは納得がいきますし、こういった試みは歓迎されるべきことだと思います。ただ、やはりショッピングセンターという不特定多数の人が利用する場では、こうした表現は適切とは言えないと思われます。設置される場所や状況を含めて検討するとより良くなるのではないでしょうか。

参考(自治体によって異なるゴミの分別の一例)

445. 流し方がわからないトイレ パート2


ある日、友人とランチを食べに行った時の出来事です。

写真1.トイレ全体

食事の前にトイレへ行き、「さぁ流そう」とふたの裏をのぞくと、見慣れたレバーは無く、トイレットペーパーしかありません。

写真2.ふたの裏側

戸惑う私は、辺りを見渡しましたが、水を流せそうなレバーやボタンは見あたらず、流さないと出られないという羞恥心から焦り、呆然と立ち尽くしていました。しだいに空腹な私は、食事にありつけない苛立ちから地団駄を踏んでいると、足元に何やらボタンらしきものを見つけました。

[写真3.踏み込み式水洗ボタン

「もしやこれは・・・」と恐る恐る踏んでみると、水が勢いよく流れました。やっとの思いでトイレから脱出すると、友人達はランチを食べながら楽しい話題に盛り上がり、私は完全に乗り遅れてしまいました。

なぜボタンが見つけられなかったのでしょうか。

まず、このトイレに水洗用のタンクはありませんでした。そのため水を流すためのレバーは、ふたの裏側にあるものだと思い込んでいたのでしょう。しかしその期待は見事に裏切られレバーなどは見つからず、またボタンの位置を示す案内表示も何もありませんでした。
これでは私と同じように流せない人もいますよね。

流したいのに流し方のわからないトイレ。あなただったら、このトイレから無事に出ることができたでしょうか?

■関連記事
流し方のわからないトイレの日記は、他にもあります。
「339. 流し方のわからないトイレ」
http://usability.ueyesdesign.co.jp/diary/339.html

« Older posts Newer posts »