カテゴリー: 家電 (page 10 of 10)

64. 部屋の照明のスイッチはどっち?


これは私のアパートにある照明用のスイッチです。私の部屋は3畳ほどのロフトがあります。そのため、ロフト用の照明と部屋の照明と二つの照明があります。写真のスイッチは一階にあるものですが、こいつで両方の照明をつけたりけしたりできます。

夜、会社から帰ってくると暗いので照明をつけようとするのですが、いつも部屋の照明をつけようと思うのですが、最初にロフトの照明をつけてしまうのです。私のメンタルモデルは、「上のスイッチはより高いところにあるのでロフト用だ」と構築されていて、これが実際のスイッチと逆になっているのです。

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なぜロフト用の照明スイッチに凸点がないのかといいますと、実はロフトにもスイッチがあり、こちらでもオンオフができるようになってました。ロフトのスイッチにも凸点がありません。凸点があるとオンオフが決まってしまいますので、消灯する場所が違うとオンオフが逆になってしまうという現象が起こってしまいますね。そのため、凸点がないのでしょう。(読者の方からもご指摘がありました。)

しかし、私は上下の場所による対応付けの方が強くモデルとしてもってしまい、オンにしたい方の逆のスイッチを押してしまうことがありました。そこで、私はこのスイッチをよく見ると、上のスイッチに凸点が設置されているのに気がつきました。これを手がかりに新しい(自分がわかればいいやという)メンタルモデルを考えました。

「部屋の照明を操作するのは頻度の高いこと。だから、より目立っていた方がいいんだ!」

これで、間違えてロフトの照明をつけることはなくなるでしょう。

56. ビデオのリモコンで電源を入れよう


リモコンの写真

AIWAのビデオデッキのリモコンです。みなさん、私がこのリモコンを使用する時を考えてみてください。まず、どのボタンを押すと思いますか?もちろん電源を入れないと動かないので電源ボタンを押すことになります。

さて、このリモコンでは電源ボタンはどのボタンでしょうか?右上の緑のボタン、じゃないですよ。左上のボタンなのです。私は購入当時はよく間違って押してました。リモコンのボタンの中で一番よく使うのと言えば電源ボタンだから当然一番目立つボタンであるというモデルができあがっていたのです。いまではもう5年目のつき合いなので慣れてしまいましたが。。。

ちなみに緑のボタンは留守録のときに使うボタンです。

31. 何故部屋の電気を消し忘れるのか


ホテルのルームキーがカードになっているタイプ、ありますよね。

このタイプでは、部屋に入って所定の位置にカードをさすと、部屋の照明が使えるようになります。逆にカードを抜くと、部屋の照明が全て落ちます。

これって実は非常に良くできたデザインになってます。

まず、ユーザが部屋から出るときに、ひとつひとつ電気を消してまわる必要がありません。部屋に戻ったときも同様です。カードをさすだけで、部屋を出たときと同じ照明に戻せます。

また、「部屋を出るためにカードを持っていく」と、必然的に部屋の照明が消えます。それから、部屋に戻ったときも、カードをささないと照明が点かないため、室内でカードキーを紛失する可能性が非常に低くなります。

このグッドデザインは、逆に家庭の照明の問題を浮き彫りにしています。

靴まで履いて、最後に玄関の電気を消したら、向こうの方に明かりが見えたこと、ありませんか?

現在の各照明ごとの個別のスイッチは、あくまで個別に点灯、消灯するためのものであって、家を出るときに、室内の照明を全て落としてから出かけたい、というユーザの思考フローは想定されていないように思われます。

毎回、全ての照明を個別にチェックして消していかなければいけないんです。そりゃあ消し忘れもありますよ。当然でしょう。

各照明を点灯、消灯するときのユーザの思考フローと、部屋の照明をまとめて点灯、消灯するときの思考フローは、全く異なっています。そもそも同じ操作系(個別のスイッチ)でまかなうのがおかしいともいえます。

我が家にも、ホテルと同じように全照明を一括でコントロールするスイッチが玄関に欲しいです。楽だろうなあ。

26. 温度調節器は何処に?~操作の入口


先日、日本人間工学会のアーゴ部会に参加した際に、日記のネタを見つけてきました。

暖房機器の写真

右の写真は、壁際の床に立っているタイプの暖房機器(ホテルの部屋や大学の教室などによく見られるもの)を上から見たものです。

このタイプの暖房機器では一般的に、ON/OFFや風量調整をおこなうスイッチが、吹き出し口の横のフタの中にあります。

ですので、私は当然そういったモデルを持って、空調を操作しようと思ってフタを開けました。

すると、そこにはあるはずのスイッチがありません。普通であればここで、「やれ、困ったな」となるところですが、よく見るとなにやら文字が書いてあります。

拡大写真:「温度調節器はナイトテーブルにあります」

そう、この部屋ではベッドの脇のテーブルに照明などと一緒に空調のスイッチも移設されていたのです。そして、このシールが一枚貼ってあるだけで、そんなことは知らない客でも、ちゃんと空調を使うことができるわけです。また、テーブルにあると知っている人にとっても、このシールは何の悪影響も及ぼしません。

メンタルモデル説明図

このように、ユーザの目的に対して、ユーザが予め持っているメンタルモデルに適切な入口を用意することは、様々な人にとって使いやすいものを提供するための方法の一つです。

08. 電子レンジの調理時間に汎用的な単位を!


σ(^^)を含めて所有する電子レンジの定格が500Wでも600Wでもない人はちょっぴり不幸です。なぜなら世の中の電子レンジ調理食品の調理時間がほとんど上記2通りのケースでしか表示されていないからです。400Wの電子レンジのユーザは毎回「500Wの場合の調理時間の4/5は何分だろう?」と計算しなければなりません。

いっそのこと、ワット数 x 時間で加熱量の単位を作ってはどうでしょう?

例えば、

500W × 10秒 = 1電子レンジ

といった具合です。

電子レンジ加熱食品のパッケージには例えば「この商品は5電子レンジ加熱して下さい」という表記をしておき、電子レンジは指定された数値と自身の定格から適切な加熱時間を計算してくれる、というような仕組みになっていれば、何Wの定格の電子レンジのユーザであっても、認知的には計算をする必要がなくなります。

つまり調理時間の計算タスクがいわゆる先人の計算として切り離され自動化されることになり、ユーザの負担を減らせるわけです。

2008.11.2追記

匿名の方から、熱量の単位であるJ(ジュール。1ワットx1秒=1ジュール)で良いのでは?というご意見をいただきました。なるほど、確かにそうかも知れません。

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