先日、日本人間工学会のアーゴ部会に参加した際に、日記のネタを見つけてきました。
右の写真は、壁際の床に立っているタイプの暖房機器(ホテルの部屋や大学の教室などによく見られるもの)を上から見たものです。
このタイプの暖房機器では一般的に、ON/OFFや風量調整をおこなうスイッチが、吹き出し口の横のフタの中にあります。
ですので、私は当然そういったモデルを持って、空調を操作しようと思ってフタを開けました。
すると、そこにはあるはずのスイッチがありません。普通であればここで、「やれ、困ったな」となるところですが、よく見るとなにやら文字が書いてあります。
そう、この部屋ではベッドの脇のテーブルに照明などと一緒に空調のスイッチも移設されていたのです。そして、このシールが一枚貼ってあるだけで、そんなことは知らない客でも、ちゃんと空調を使うことができるわけです。また、テーブルにあると知っている人にとっても、このシールは何の悪影響も及ぼしません。
このように、ユーザの目的に対して、ユーザが予め持っているメンタルモデルに適切な入口を用意することは、様々な人にとって使いやすいものを提供するための方法の一つです。
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