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355. 出版された年ごとに違う4つの形


会社の本棚を整理していたときのことです。 「ああ、これいいな。」と、素直に思う工夫を見つけました。

WebDesinging?という雑誌の背表紙には4つの同じ形が並んでいるのですが、実はこれ出版された年ごとに異なった形を採っているのです。 

背表紙に付いている形が揃わない

本棚に雑誌を適当に並べると、背表紙の形が揃わないのでゴチャゴチャしてしまいます。順番が揃っていないことが一目瞭然ですね。

背表紙に付いている形が揃わない

雑誌を出版された順に並べると、背表紙の形がそろってきれいに見えます。見た目から整理されていることがわかりますね。

背表紙に付いている形が揃う

「20××年の△月号が欲しい!でも雑誌の順番がメチャクチャで捜すのが大変・・・。」そんなときにも背表紙の形が手がかりになりそうです。背表紙の中で出版された月は目立つのですが、出版された年は文字が小さかったり数字を横に回転してあったりして、なかなか見分けづらいものです。でもこれなら簡単にお目当ての年度から欲しい月の号を探せます。

見た目がきれいになるのでついつい順番通りに並べてしまいそうです。これなら整理整頓も楽しくなりそうですね。

354. セットであると便利~都営大江戸線の時刻表~


先日、都営大江戸線を利用した時に、改札付近にこのような時刻表がありました。

時計付き時刻表

この時刻表は時計とセットになっていて、 時刻表を見るときに比較対象としたい現在時刻が 一緒に確認できるようになっているのです。 そのため、腕時計を見たり、携帯電話を取り出したり、 近くに時計がないかきょろきょろ見回さなくても現在時刻が確認できるので、ちょっとした手間が省けます。さらに、時計がデジタル表示なので時刻表との比較もしやすいですね。

今回ご紹介した時刻表にみられるように、ユーザができる限り少ない視線移動で必要な情報を確認できるようにするということは、 使いやすさを考える上で基本的なルールと言えます。そのためには、作り手がユーザの振る舞いを考えて必要な情報を組み込むことが重要だと思います。

その後、電車に乗ったのですが、時刻表のある改札からホームまでの距離があり、思ったより移動に時間がかかりました。時刻表にホームまでの所要時間が表示されていると、時間があるのに変に慌てたりせずに済むのでより親切だと思いました。

353. あの手この手が用意されています~地下駐車場~


立体駐車場や大きな駐車場で、駐車位置の番号を忘れてしまい、自分がどこに車を止めたか分からなくなったことはありませんか?私は数字を覚えるのが苦手なので、何回か復唱してみたり、語呂合わせを考えてみたりするのですが、結局忘れてしまいます。

先日利用したみなとみらいの地下駐車場に、駐車位置番号を忘れても車に辿り着ける手がかりがいくつもありました。

数字だけでなく色と絵でも駐車位置が表示されています

それは、駐車位置が「数字」だけでなく「色と絵」でも示されていたのです。 「色と絵」はフロア内の駐車エリアを示していて、絵は各フロアで別々となっています。この「色と絵」によって駐車エリアが限定されれば、後は自分の目で車が探せます。数字(駐車位置の番号)と比べると、位置情報はおおまかになりますが、車を探す手がかりとして十分役立つと思います。

とは言え、「数字」でも「色と絵」でも忘れてしまいそうだという方、ご安心下さい。 なんと、駐車位置付近の柱に紙のフロアマップも用意されていました。マップには柱位置(現在位置)の表示があり、「色と絵」よりも正確な駐車位置が分かるようになっています。マップがあれば、位置情報を覚えなくても済みますね。

紙のフロアマップでも駐車位置が表示されています

この駐車場では、あの手この手で駐車位置に辿り着けるような工夫がされていて、とても感心しました。

352. 自然とつかんでしまう、ジッパーの補助タブ


私は取り出しが容易という利点から、普段よりウエストバッグを愛用しています。

patagoniaのウエストバッグ

先日、ジッパーを開け閉めしている時、開け口の端についているタブを無意識に つかんでいることにふと気が付きました。

開け口の端についているタブ
使用例

このタブには、ジッパーを引く際に反対の手で補助をする「位置」と、つかみ易い適度な「大きさ」の両方が、バランスよく配置されているのだと思います。この仕様であれば比較的握力の弱い子供や高齢者にも便利ですよね。

ちなみに、このタブをつかまずにジッパーを引いてみましたが、途中でひっかかったりして非常に閉めにくく感じました。

そのもの自体の存在に気づかず無意識のうちに使っているものこそ、 本当の「使いやすさ」なのではないでしょうか。 

351. きれいにはがせるように工夫された包装フィルム


薬や食品など、様々な製品のパッケージに使用されている包装フィルム。最近、私の身の回りで工夫されたものを見つけたので、ご紹介します。

その1.目薬の場合

これは眼科で処方された目薬です。包装フィルムが容器全体を覆っていて、開封時にはキャップを覆うフィルムをはがすことになるのですが、この部分のミシン目が斜め方向に入っていました。 

フィルムがらせん状にはがれます

よく見かけるフィルムのミシン目は垂直方向に入っているので、はがし方が下手だとフィルムを下まで全部破いてしまいそうでしたが、このフィルムは写真のようにらせん状にはがれるので、キャップの部分だけをきれいにはがせました。

残ったフィルムには目薬の名前が印刷されています。このときは1種類の目薬しか処方されていませんでしたが、目薬を何種類も処方されていたとしたらどうでしょう? 「目薬の名前」という情報が、パッケージの中でとても重要となる場合もあるのではないでしょうか。

その2.ドレッシングの場合

こちらも目薬と同様に包装フィルムが容器全体を覆っています。一見、ミシン目の入り方に工夫は無いように見えますが、よく見ると首の部分のミシン目が二重になっていて、「あけくち」の部分をはがす際、キャップより下のフィルムまで破いてしまうことを防いでいます。

首の部分にミシン目が二重に入っています

キャップより下のフィルムには、ドレッシングの種類、成分表、賞味期限といった情報が印刷されています。ドレッシングの場合は、フィルムが無くてもある程度は種類を判別できるのですが、成分表や賞味期限はそれらを気にするユーザにとっては重要な情報です。何より、フィルムを全部はがされてしまったドレッシングはあまり美味しそうではないですね。

これらのパッケージには、容器全体をフィルムで覆い、ミシン目でキャップ部分と製品名などのラベル部分に分割しているという共通点があります。このようなフィルムの使い方には、包装の簡易化や、廃棄時にゴミの分別がしやすいというメリットがある反面、ラベル部分のフィルムまではがしてしまいやすいというデメリットがあるのですが、今回ご紹介した製品ではミシン目の入れ方を工夫することで問題を解消しています。

フィルムのミシン目というものはフィルムをはがしたあとには残らないので、パッケージの中では目立たない存在ですが、実はさりげなく製品の使い勝手に貢献しているのですね。

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