薬や食品など、様々な製品のパッケージに使用されている包装フィルム。最近、私の身の回りで工夫されたものを見つけたので、ご紹介します。

その1.目薬の場合

これは眼科で処方された目薬です。包装フィルムが容器全体を覆っていて、開封時にはキャップを覆うフィルムをはがすことになるのですが、この部分のミシン目が斜め方向に入っていました。 

フィルムがらせん状にはがれます

よく見かけるフィルムのミシン目は垂直方向に入っているので、はがし方が下手だとフィルムを下まで全部破いてしまいそうでしたが、このフィルムは写真のようにらせん状にはがれるので、キャップの部分だけをきれいにはがせました。

残ったフィルムには目薬の名前が印刷されています。このときは1種類の目薬しか処方されていませんでしたが、目薬を何種類も処方されていたとしたらどうでしょう? 「目薬の名前」という情報が、パッケージの中でとても重要となる場合もあるのではないでしょうか。

その2.ドレッシングの場合

こちらも目薬と同様に包装フィルムが容器全体を覆っています。一見、ミシン目の入り方に工夫は無いように見えますが、よく見ると首の部分のミシン目が二重になっていて、「あけくち」の部分をはがす際、キャップより下のフィルムまで破いてしまうことを防いでいます。

首の部分にミシン目が二重に入っています

キャップより下のフィルムには、ドレッシングの種類、成分表、賞味期限といった情報が印刷されています。ドレッシングの場合は、フィルムが無くてもある程度は種類を判別できるのですが、成分表や賞味期限はそれらを気にするユーザにとっては重要な情報です。何より、フィルムを全部はがされてしまったドレッシングはあまり美味しそうではないですね。

これらのパッケージには、容器全体をフィルムで覆い、ミシン目でキャップ部分と製品名などのラベル部分に分割しているという共通点があります。このようなフィルムの使い方には、包装の簡易化や、廃棄時にゴミの分別がしやすいというメリットがある反面、ラベル部分のフィルムまではがしてしまいやすいというデメリットがあるのですが、今回ご紹介した製品ではミシン目の入れ方を工夫することで問題を解消しています。

フィルムのミシン目というものはフィルムをはがしたあとには残らないので、パッケージの中では目立たない存在ですが、実はさりげなく製品の使い勝手に貢献しているのですね。