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451. 水栓


あるトイレで手を洗おうとしたときのことです。

上の写真の水栓のハンドル(○で囲まれた部分)をひねって水を出そうとしましたが、出てきません。なぜだろうと思ってよく見てみると、実はこの水栓は、手をかざせば自動的に水が出てくるタイプのもので、先程ひねったハンドルは、温度調節のためのものでした。
私が思い浮かべてしまった“ハンドルをひねれば水が出る”という操作イメージは、私に限らず多くの人が持っているのではないでしょうか?

このような操作イメージは、一旦頭の中に出来上がってしまうと、なかなか崩しにくいものです。同じ公衆トイレの洗面周りという場所で、操作イメージと実際の機能との違いによって戸惑ってしまう問題をかかえた事例は、他にも見受けられます(※)。
新しい製品を開発する際には、このような点についても配慮する必要があり、私たちモノづくりに関わる者を常に悩ませ続けています。

※使いやすさ日記 「187. いくら回しても水が出ない蛇口」 参照
http://usability.ueyesdesign.co.jp/diary/187.html 

450. 開かずの扉 ~トイレの個室


オフィスのトイレ

私達の働くオフィスのトイレです。ここのトイレには個室がいくつかあるのですが、その中に一つだけ、いつも扉が閉まっているところがあります。

最初は「誰かが入っているのかな~?」と思っていたのですが、いつ利用してもずっと閉まったままの扉が不気味なので、勇気を振り絞って確認してみました。 

開かずの扉の中

別に利用中でもなんでもありません。ここにも、もう一つ個室があるだけでした。

ただこの個室は他と違って、スペースが広い、手すりがついている、扉が外開き、など体の不自由な方に快適に利用してもらうための工夫が見られます。扉が外開きであれば、緊急事態が発生して外部から扉を開けなければならない状況になったときに、中に人がいても開くことができます。

私がこの個室を利用できないものと考えたのは、

  • 開いている扉  = 利用可
  • 閉まっている扉 = 利用不可

と思い込んでいたためです。せっかくこの個室は使いやすくするための工夫がされているのに、外開きの扉のために利用できることが伝わらないのは残念です。

本当に必要としている人にこのような個室があることをアピールするためにも、使いやすくするための工夫だけではなく、使ってもらうための工夫をすることも重要だと思いました。 

449. 料金ボタンが見つからない!~地下鉄券売機


先日、友人と大阪へ観光に行ったときのことです。地下鉄に乗ろうと駅の切符売り場に着いた私たちは、頭上に貼られている地下鉄運賃マップを見上げて行き先を確認し、270円分の切符を買うべく、券売機に小銭をいれました。しかし次の瞬間、券売機の画面を見て戸惑いました。

そのときの画面

「…なんやこれ?」

料金ボタンが見当たりません!

ちなみに私がいつも使っている券売機は、「数字が書かれた料金ボタンが画面内にズラッと並んでいて、それをタッチすると切符が買える」という仕組みになっていますが、どうやらそれとは勝手が違うようです。 

いつも使っている券売機の画面

とりあえず「きっぷ購入」や「地下鉄きっぷ」ボタンをタッチしてみましたが、画面は変化せず、料金ボタンは現れません。あきらめて隣の券売機で購入中の方を観察すると、、、

なんと、料金ボタンは画面の外にあることがわかりました!

ついつい画面にばかり目がいき、全く目立たない実物ボタンの存在には気づくことさえできませんでした。「操作対象は画面」と思い込んだが最後、その外にはなかなか注意が及ばないものです。

速やかに料金を選べる実物ボタンは、使い慣れたユーザーであれば使いよいかもしれません。しかし、初めて使うそそっかしい旅行者にはひとまず、「実物ボタンの押下を誘導してくれる、画面内のガイド表示」が望まれますが、いかがでしょうか。

448. 一目瞭然!ICカードの残高具合い


ICカード乗車券PASMO(※1)を愛用し始めてから半年経ちますが、先日、ひとつ気づいた点があります。

電車を降り改札から出ようと改札機にカードをかざすと、液晶画面に[引去額]と[残額]が表示されますよね。この表示、背景が白い場合と、黄色い場合があるのをご存知でしょうか(Suicaの場合でも同様です)。実はこれ、“ICカードの残額が1000円以上の場合は白”、“1000円未満の場合は黄色”というふうに色分けされているのです。 

多くの人がドヤドヤと改札を出ていく慌ただしい流れの中で、この表示を確認できるのはたった数秒です。急いでいるときなどは特に、残高金額の数字を瞬時に読み取ることは少々ハードルが高いタスクと言えましょう。しかし、そんな束の間でも“黄色=残高が少ない”ということさえパッと認識できれば、次の乗車時までに余裕を持ってチャージしておくことができ、「うっかり残高切れで、改札口でとうせんぼ」という事態を未然に防ぐことができます。

いつも一瞬しか見ることのない、改札機の液晶画面。その真意に気づきにくいという点がちょっぴり残念ではありますが、背景色をガラリと変えることで、チャージする頃合いをそっと忠告してくれていたのですね。素敵ですね。

ただ惜しむらくは、視認性が高いばかりに後ろの人にもよく見えてしまうというところ。黄色だと「金欠」がばれるみたいで、ちょっぴり恥ずかしいですね。

※1 PASMO…首都圏の鉄道・バスで利用できる、便利なICカード乗車券。
 

447. うっかり防止!自動風呂給湯器


我が家には自動風呂給湯器が付いています。浴室だけでなく、キッチンからも操作ができ、さらにボタンひとつでお風呂が沸いてくれてとても便利です。

ところが先日、こんな失敗をしてしまいました・・・。日中に、浴槽の掃除をし、その後部屋の片付けをしたり、友達とお茶を飲んだりして休日を満喫した夜のこと、「さてお風呂に入ろう」といつものようにキッチン側のリモコンの“自動”ボタンを押し、お湯張りを開始しました。

写真1:キッチンにあるリモコン
写真2:キッチンにはこんなリモコンがついています

しばらくして『残り5分でお風呂が沸きます』、『お風呂が沸きました』とガイダンスがあったので、勢いよく服を脱ぎ浴室に入ったら・・・浴槽にはまったくお湯が溜まっていませんでした。

写真3:浴槽に掃除の際の水を残したくないので栓はしません

私は平日は帰宅後にお風呂の掃除をし、そのままお湯張りをしています。一方、休日は掃除後、最後まで水を流しきりたいのでしばらくたってから栓をするようにしています。そしてこの日、うっかり者の私は、掃除の後に栓を開けたままにしていることをすっかり忘れてお湯張りをしてしまい、大量のお湯と時間を無駄にしてしまったのでした。

こんな失敗をするのは私だけなのか…と思い、Webで調べてみたところ、案外同じような失敗をしている人がいました。そんな時、ある商品が目に止まりました。

その商品はお湯張りを開始する際に『お湯張りをします。お風呂の栓はしましたか?』とユーザに注意を促してくれます。

私の家の給湯器がこの商品だったら、うっかりミスを防げたのではないでしょうか?

■エコキュート
http://www.ecocutenavi.jp/kensaku/search/detail.php?id=207

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