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456. レイアウトを変えてみると~地下通路の案内表示~


下の写真は東西線大手町駅とJR東京駅、丸ノ内線東京駅とを結ぶ地下通路にある案内表示です。四角形の内側と外側の両面に案内が表示されていますが、私は初めてお目にかかりました。面白そうなのでちょっと分析してみようと思います。

地下通路の案内表示1
地下通路の案内表示2

案内板の手前(外側)には、このまま直進した所にある施設、またはいずれ右左折するけれども今はこのまま直進すればよい施設が表示され、奥には(内側)ここで曲がると辿り着く施設が表示されています。この情報の切り分け方は従来からあるような、直進、右、左の案内を横長の案内板に並べて表示したもの(横長タイプ)や物理的な方向に対して忠実に表示したもの(十字タイプ)などと変わりません。

ただ、横長タイプは横方向にスペースがあまりない通路では使いづらく、十字タイプは自分の進行方向の案内が見えないため回り込む必要があったり、直進用の別表示が設置されているなどしてデザインとして洗練されていません。

しかし、今回取り上げた四角形タイプの案内板は、直進と左右の案内を前後の2段配置にすることでこれらの問題を一挙に解決しているのです。しかも、情報の切り分け方は従来通りであるため、ユーザを混乱させることはありません。さらに、奥(内側)の左右方向の案内は少し離れた所では隠れ、曲がるべき十字路に近づくと見えるようになっていて、情報整理の効果もあるように思います。そして何より、見た目のデザインがシンプルで丸の内のお洒落な雰囲気にピッタリの素敵な案内表示だと思います。Yes!シンプルビューティー! 

455. サイズを区別しやすいアスクルの乾電池


会社にあるテレビ用リモコンの乾電池が、切れていることに気づきました。
交換しようとしましたが、文具棚に乾電池の在庫がなかったため、会社の備品を購入しているインターネットショップのアスクルで注文することにしました。

アスクル乾電池の注文画面

会社では、いつもアスクルの乾電池を使っているのですが、一目でサイズがわかりやすいのが良い点です。サイズごとに色が異なっていて、ラベルにサイズが大きく表示されています。私はいつもこの乾電池を使っているため、写真を見ただけで迷わずサイズを判別することができます。

インターネットで注文する際に、サイズの判別しやすさが非常に役に立ちます。例えば、下図は他社製の単3、単4の乾電池ですが、画面上ではほとんど違いが無いように見えます。サイズを判別する手がかりは、商品名の文字列最後尾にある「単3、単4」しかありません。 

商品名の文字列を頼りに、乾電池サイズを判断しなければならない

アスクルの乾電池のように、ラベルデザインの工夫次第で画面上でもサイズを判別しやすくなります。これで間違ったサイズの発注ミスを防げそうですね。

ただしアスクルの乾電池は単三と単四の色が赤と黒は、電池はグレードごとに規格で色が定められており、紛らわしい一面があります。ちなみにグレードによる色の規定は以下の様になっています。

  • マンガン(高出力):赤
  • マンガン(超高性能):黒
  • アルカリ:金

正しいグレードの乾電池を使用しないと、液漏れの原因となるため注意しなくてはいけませんね。

参考:

乾電池の規格について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%BE%E9%9B%BB%E6%B1%A0
アスクル注文画面(単3電池)のURL
http://www.askul.co.jp/s/21/2102/2102001/21020010003/1/2/10/0/ 

454. ICカードチャージ専用機


写真1は、最近、駅構内によく見かけるICカードチャージ専用機になります。


写真1 ICカードチャージ専用機 このようにカードを差し込む

このチャージ機の大きな特徴は、カードのデータを読み書きする際、従来の自動券売機と異なり、写真のように、差込口に差し込む方式になっていることです。

実際に使ってみて気になったのは、カードを差し込んで手続きが終わった後、いつカードを取り出せるか分かりにくいことです。

従来の自動券売機は、カードが機械に吸い込まれて見えなくなるため、

  • 「カードが見える」=「カードが取り出せる」
  • 「カードが見えない」=「カードが取り出せない」

というシンプルで分かりやすいルールが成立しており、このような問題はおきませんでした。

それに対し、このチャージ機は、カードが取り出せる時もそうでない時も、カードが常に「見える」状態であるため、上記のような分かりやすいルールがそもそもないわけです。では、代わりに何か「いつ取り出せばいいのか」を教えてくれるルールはあるのでしょうか?確かに写真2、3のような緑の三角のランプがあり、取り出せるタイミングになると点灯から点滅に変化することで、取り出せるタイミングを教えてはくれています。しかし、点滅になったら取り出せるというルールがどこにも記されていないので、結局のところ、点滅するまでは「いつ取り出せるんだ?」とジリジリと待つことになってしまいます。この状態で待ちきれずにカードを取り出そうとすると、写真2のようなロックに阻まれ、今度はカードをつかんで「取り出せないなあ」とガチャガチャさせるばかり。カードが取り出せない時は、このスライド式の赤いバーでカードがロックされる仕組みになっていますが、チャージ機を操作するときの視線の角度からだとバーの見える範囲が狭いため、ロックがかかっているのか外れているのか確認しにくい状態になっているわけです。 

写真2 カードが取り出せない状態 写真3 カードが取り出せる状態

結局、いつ、どうやってカードが取り出せるのか、事前に情報提示がないため、ユーザにとってもどかしく感じてしまうシステムになってしまっています。

「見える」ということは、わかりやすくなったり安心感があったりと、ポジティブな印象があります。しかし、ただ「見せた」だけでは、今回の事例のように、使いづらくなってしまうことがあるのですね。 

453. ユーザへの配慮と設計~文字のサイズと色のカスタマイズ機能~


インターネットをしていて、ページの文字が読みにくいと感じたことはありませんか?私はニュースサイトを見ている時に文字が小さかったり、背景色と文字色のコントラストが低かったりして、記事が読みにくいと感じることがあります。

よい解決策がないかと様々なWebサイトを探してみたらありました!なんと、文字サイズ、背景色、文字色が自分の好みに設定できるのです。 

設定パレットを表示した画面

設定は設定パレットにある色を選択すればOKです。これなら直感的で簡単ですね。また、この機能を利用すれば色弱や弱視の方なども文字を読みやすくできるので、アクセシビリティに配慮している姿勢が伺えます。

ただ、文字色と背景色が同じ色で指定できてしまったり、そもそも、機能の入り口がユーザの目に付きにくい位置にあったり、ページによって機能の有無が異なっているため、ユーザのために用意したせっかくの機能も有効に使ってもらえないのではないでしょうか。

本来、Webサイトに限らず文字の可読性は最初から十分確保してほしいのですが、個人によって「読みやすい」「読みにくい」の基準が異なるため、ユーザが必要に応じて文字を読みやすくできる配慮がされているのは良いと思います。さらに、そうした配慮に加え、機能を使用するユーザに分かりやすく使いやすく設計することが重要で、機能の入り口やその操作方法を分かりやすくすることがポイントだと思います。

例えば、障害タイプ別にワンクリックで設定できるようなカラーセットがページ上部のヘッダー部分に用意されていたらもっと使いやすくなると思います。

参考サイト

 北谷町役場アクセシビリティ http://www.chatan.jp/yakuba/1/880.html 

452. 表示ルールの一貫性 ~工事中の簡易案内板


新横浜駅は、最近再整備工事がひと段落し、構内がとてもきれいになりました。しかし少し前までは、工事中のために簡易案内板がいたるところに取り付けてありました。

工事中の新横浜駅

ある日予定していた新幹線に乗り遅れそうなので、構内を急ぎ足で移動していました。工事が始まってから様子がだいぶ変わったなぁと思いつつ、案内板を横目に改札口への足を速めたのですが、ふと気がつくと、なぜか私は地下鉄の改札口の前に…。どうやら案内を読み違えていたようです。

当時取り付けられていた案内板は、右方向へ誘導する場合は名称の表示に対して矢印を「右側配置」、左側に誘導する場合は名称の表示に対して矢印を「左側配置」としてあるものがほとんどでした。 

一般的な案内板

私が読み違えた案内板は、階段の踊り場にありました。この案内板だけは名称の進行方向側に矢印をつけるというルールに従っておらず、どちらの方向に誘導する場合も矢印が「右側配置」になっていたのです。

私が読み違えた案内板

焦っていた私は、無意識のうちに「矢印の示す方向」ではなく、「矢印が名称のどちらについているか」で、向かうべき方向を判断していました。

この日は息を切らしながら、新幹線に乗り込むことになってしまいました。工事が終わった後は、このような失敗をすることなく新幹線を利用できていますが、こんな私のために、工事中であっても一貫性のある簡易案内板を使って欲しいと思いました。

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