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607. これがあれば見える―飛行機内の頭上荷物入れの凸面鏡


私は、仕事柄中国出張が多く、帰りに空港でいつもお土産を買って帰ります。あちこちのお店で買物をするので、袋がいくつあるのかはっきりと覚えていないことがあります。 着陸後、早く降りたい気持ちに負けてしまい、荷物入れの奥まで入念に確認せず、お土産の袋を取り忘れて、悔しい思いを何度かしました…このような置き忘れの失敗は私だけでしょうか?

再び中国出張に行き、中国東方航空の飛行機(機種はエアバスA340)で移動したとき、着陸して頭上の荷物入れから荷物を出そうとすると、天井部に丸い形の鏡があることに気がつきました。なるほど、この鏡を見れば、荷物入れの中に何があるのか一目でわかりますね。

頭上荷物入れの天井に凸面鏡が付いている
鏡に荷物入れの中身が映っている

この鏡のおかげで、急ぎたいとき、一生懸命小ジャンプで荷物入れの中を覗き込むこともなく、奥の部分に荷物が残っていても取り忘れる心配がありません。そのうえ、乗客だけでなく、客室乗務員にとっても、荷物の置き忘れの確認が楽に確実にできるのもメリットですよね。 鏡1つを設けるだけのちょっとした工夫ですが、とても親切だと思いました。

■関連記事

鏡の応用事例の日記は、他にもあります。

使いやすさ日記 『226. お釣りが見える自動精算機
 

606. かんたん起動!携帯電話の電卓機能


ホームパーティを行ったときのことです。解散間際、スーパーで買ってきた食べ物や飲み物を公平にワリカンしよう、というそのとき。

「よし、じゃあオレが計算してしんぜよう!」

いつも他人任せの彼が、携帯電話を取り出し電卓機能で計算し始めたのです。

「めずらしいこともあるもんだ。」

みんな不思議に思いましたが、その謎はすぐに解明されました。いつの間にか機種変更していた彼の携帯電話には、とても便利な機能があったのです。

待ち受け画面から電卓機能で計算を始めるまでのステップは、以下のとおりです。

1.待ち受け画面で数字を打つ
   ・画面にショートカットキーの案内が表示される

ショートカットの案内

2.♪マークの付いているボタン(マルチメディアボタン)を押す
   ・画面は電卓に早変わり!打ち込んだ数字も入力済み

準備完了です

“メニュー画面を表示し、ツールを選び、電卓を選ぶ”という一般的な方法よりも、少ないステップであっという間に電卓を呼び出すことができます。この機能、新しいものではないのですが、今後も残って欲しい素敵な機能です。

最近では、“よく使うショートカットを待ち受け画面に置いておける”という端末も、多く出ています。確かに、「自分好みに便利に使いこなしたい!」という積極的なユーザにはピッタリですね。しかし、簡単かつ最低限の操作しか覚えようとしない彼のようなユーザにとっては、写真のようなショートカット案内の方が機能自体の存在にも気づきやすく、使い方を学習しやすいのではないでしょうか。

“数字入力”という最も基本的な操作によって表示される、ショートカットキー案内。誰もが自然とショートカットを使えるようになれる、おみごとな機能です。

【補足】

電卓機能が割り当てられているショートカットボタンは、機種によって若干異なるようです。友人の持っている機種(SoftBankの816SH)では、ディスプレイ近くの探しやすいボタンに割り当てられていました。

605. グラフィックの表現で分かりやすくなった?!~コインパーキングの精算機~


デザインに関わる仕事をしている私が、ちょっと考えさせられるコインパーキングの精算機を見付けました。
この精算機の操作パネルには、なにやら線が引いてあったり、車のシルエットが描かれていたりしています。仕事柄、どうしてこのような表現になっているのか、とても気になりました。

精算機正面の操作パネル(クリックで拡大)

操作パネルの左側は、精算手順が上から順番に書かれていて、項目によって番号や色を変えたり、出庫の説明に車のシルエットを使ったりと、グラフィックの表現による工夫を感じました。これは分かりやすい!と思ったのですが、続いて操作パネルの右側を見てみると、問題に気が付きました。それは、操作パネルの右側の表示やボタンのレイアウトが、操作手順と大きくズレてしまっているところです。これでは、精算を終えるのにどこを見て、どのボタンを押していけばよいか、迷ってしまうでしょう。精算手順とボタン位置を結ぶ線は、分かりやすくしようとした結果でしょうが、それがかえって煩雑な印象を与え、一見して分かりにくいものにしてしまっています。そこに、悪戦苦闘しながらデザインしている様が目に浮かび、「グラフィックの表現だけでは、これ以上使いやすくなりません!」という声が、聞こえてきそうです。グラフィックの表現のみで、使いやすくできる限度があることを見せられたような、そんな気持ちになりました。

今回の場合、機構を設計する際に、生産性とかコストとかの制限から、ボタンや表示のレイアウトが決定された事が想像されます。しかし、もっと利用者が使いやすい製品にするには、機械内部の構造を決める段階で、ユーザ視点を取り入れた設計が必要になってくるのではないでしょうか。それでも、この操作パネルのように少しでも使いやすくしようとする工夫は大切ですので、私自身もその気持ちを欠かさないように心がけていきたいと思いました。

604. 後方のドライバーにドアの開放を伝える~タクシーのドア照明~


最近、ドアに青色のLED照明がついているタクシーに乗りました。
運転手さんに話を聞くと、お客さんの乗降時に後方から来た自転車やバイクなどが接触する事故を防止するためとのことでした。

タクシーのドアのLED照明

通常、ドアを開けると足元を照らすカーテシランプが点灯しますが、ドア下部に設置され、しかもそれほど明るくないため、後方からの視認性はよくありません。そこで青色のLED照明をドアの周囲に装着し、視認性を向上させたという訳です。

これなら、後方から来る自転車やバイクのドライバーの目に入りますね。ドアの開閉状態や開き具合がわかりやすくなって、接触事故の防止につながると思います。LEDなので、夜間だけではなく昼間も視認性が高いという点も見逃せません。

このドア照明を他の車に装着しても有効なのでは?と思い調べてみると、スライドドアの車に装着するタイプがありました。
後方のドライバーから見ると、スライドドアはドアを開けてもドア自体が外側へ飛び出ず、見た目にあまり変化がないため、ドアの開放がわかりにくいです。ワンボックスの2列目に乗車している子供が、右側のスライドドアから降りたときに後方車両と接触してしまう、そんな事故の防止に役立ちますね。

後方のドライバーにドアの開放を明確に伝えるLEDのドア照明、より多くの車に普及して欲しいと思います。 

603. ミシン目のついたチョコレートのパッケージ


甘いもの好きな私は季節に関わらずチョコレートが無性に食べたくなります。

でも、よく失敗して切り口がチョコレートを取り出せないくらい小さくなってしまいます。その上、もう一度封を開け直す時に手を汚してしまうことも何度かあり、とてももどかしいです。

 

開封失敗

先日、12種類のチョコレートが入っているフルタ製菓のバラエティパック「チョコミックス12」を購入した時のことです。パック内の1種類のパッケージ裏に、ミシン目がついていると気がつきました。

ミシン目のついたパッケージ

このミシン目を利用すると、封を開ける時に失敗しにくくなり、簡単にチョコレートを取り出しやすい大きさに封を切ることができました。

開封時

しかも、切るのを失敗してパッケージが二つに分かれないので、ごみが増えません。ほんの少しの心づかいで、暑い季節でも手を汚さずにチョコレートを美味しく食べることができ、とても気分がよくなりました。

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