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70. 危険な階段


幕張メッセの階段
写真1:端を歩くのは危険です

写真1はあるイベント会場にある階段です。両側に水が流れるようになっている部分があるのがおわかりになると思います。

この前、あるイベントの帰りに当研究所員がこの階段を利用した際のことです。なんとこの溝に足をとられて捻挫をしてしまいました。

「こんな端を歩くからだ」というご意見があると思いますが、なにせイベント会場から駅に向かう人混みの中、自分の思い通りの道を歩けなかったのでしょう。もちろん下を十分に注意しながら歩けるはずもなく、人混みに流されるがまま階段を降りていったら、溝に足をとられてしまったということです。

設計の際に、[大規模なイベント会場での帰り際などは階段の端を人混みの中歩かなければならない]という利用状況を考慮すれば、階段両端の踏面(ふみづら)に溝を設計するという危険な設計には至らなかったでしょう。

良い階段の例
写真2:制約をつけると安全

写真2のように、溝の部分は歩けないように手すりを溝の上まではみだして配置するなどの制約を設けることで、溝に足をとられるというような危険を回避できる設計ができるのではないでしょうか。

69. もうすぐバス停にバスがくる!


ある日、友人と表参道で買い物をしていました。その後、Q-FRONT(渋谷駅前にある大型スクリーンが特徴のビル)で浜崎あゆみのCDを買うため渋谷駅前まで行かなければなりませんでした。行く手段は、徒歩かバスのどちらかでしたが、大変疲れていたのでバスで行くことにしました。ということでバス停まで来たときのことでした。

東京のバスをあまり利用したことがない私は「待ってればすぐ来るだろう」と時刻表を気にせずにバス停に並んでいました。よく見ると写真のような案内表示があることに気がつきました。「なんだこのバスの絵?」

バス停の案内表示

小、中、大サイズのそれぞれのバスアイコンと「当停留所」表示の間に矢印が点滅します。私たちが最初に並んでいるとき、小と中のバスアイコンの間にあった矢印の点滅が、しばらくして中と大のバスアイコンの間に移ったときは、「おっ、だんだん近づいているな」と、疲れているせいもあったのか少し嬉しくなりました。

いろいろ考え方はあると思いますが、私はバスが確実に近づいていることを直感的に知らせることによって利用者の不安やイライラなどの心理的負荷を軽減させる効果があるのではないかと思いました。

関連ページ
『30. 信号待ち〜より良いインジケータの提案 』

68. 電池の向きはどっち?(携帯用簡易型充電器)


携帯用充電器

これは携帯電話の簡易型充電器です。旅行などに出かけて「携帯の充電器を忘れた!」なんてときに、単4電池をセットして携帯電話に差し込むだけで充電ができるという、いざというとき大いに役立つすぐれものです。

あるとき、私は「4日間は充電しなくてもぎりぎりもつだろう」と思い、本来の充電器を持たず旅に出かけました。ところが、4日目にとうとう電池がなくなりこの簡易型充電器を購入したのですが、、、

初めて簡易型充電器に単4電池をセットして充電しようと携帯に差し込んでも充電されません。おかしいなと思いよく確かめてみると、一番右側の電池の向きを逆にセットしていたのです。

電池の向きの説明

私は「隣の電池と逆向きにセットすればいいんじゃない」という他の製品での過去の体験(experience)をそのまま適用したということになります。

設計上、電池の向きを写真のようにセットしなければならなかったのかもしれませんが、個人的には隣の電池の向きと逆にセットする方がよかったなぁと思いました。

67. エアコンのリモコンの温度表示


写真は家で使っているエアコンのリモコンです。最近暑い日が続いたのでエアコンは大活躍でした。

エアコンのリモコン

家に帰ってきたとき暑すぎる日は設定温度を一番低くして使用してました。しかし、あるときふと気がついたのですが設定温度の表示の23℃が赤く、25・26℃が青く表示されていました。どうしてこのような色が使われているのかいろいろと考えてみましたが(省エネのため23℃で使うのがいいよとか、暖房のときだと高い温度の方が赤い方がいいだろうなぁとか)、これだという理由がみつかりませんでした。

読者のみなさんでこれだという理由がわかった方いらっしゃいますか?

→使いやすさ日記へのコメント

PS.
皆様からこの日記についてたくさんのコメントをいただきました。理由としては赤が暖房、青が冷房の推奨設定温度と対応しているのでは、との理由が多数でした。貴重なコメントをくださった読者の皆様に感謝いたします。

66. 「家賃」【8万5千円】、「通勤先」【渋谷】


今日は、引越しの話です。皆さんは引越しをするときに、どのような条件で引越し先を探しますか?物件にはいろいろな条件があり、重要視するものも人によってさまざまです。

では、それらの条件の中でも、「会社までの通勤時間」というのは、どうでしょう。結構重要な条件ではありませんか?

私は今、「渋谷からなるべく近くて、駐車場込みで家賃8万5千円」という条件で物件を探しています。ところが、この条件をインターネットで探そうとすると、実は非常に大変です。物件を探すには、沿線か地域を選択しなければいけません。でも、私にとって地域や沿線はどうでもよくて、8万5千円という条件の中で、渋谷までの通勤時間がなるべく短ければよいのです。

ましてや、引っ越すときには必ずしも引越し先の地理に明るいわけではありません。沿線なんてぜんぜんわからないこともあるでしょう。そういうときこそWEBでの検索が有効なのにも関わらず。

そこで、地域条件の中に、「通勤先の駅」を加えてみるとどうでしょう。

私の場合には、「家賃の上限」に【8万5千円】、「通勤先の駅」を【渋谷】として、オプションで【なるべく早く】とでもしておきましょう。あとは「駐車場の有無」が指定できればそれで十分事が足ります。

また、「家賃」は【なるべく安く】、「通勤先の駅」は【渋谷】で【30分以内】、という検索もありでしょう。

物件のデータベースには最寄り駅の情報はあるわけですから、あとは検索のエンジンに「乗り換え案内」のような路線経路を検索できるアプリケーションを実装すればそれだけで実現できそうです。こういった、ユーザーによって異なるニーズに個別に対応する、通常のセグメンテーションとは異なった視点からの検索は、紙媒体では難しく、コンピュータ上でこそ活きてくる手法です。

賃貸物件の検索サービスを行っているサイト管理者の皆様、如何でしょうか。ご連絡をお待ちしてます(^_^;)。

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