Page 145 of 165

105. 非常口サインの色分け


今回はちょっと生活マメ知識的なネタを。

緑の非常口サイン

写真は皆さんもよく目にすることがあるでしょう、非常口を示すピクトサインです。

さて、この非常口サインですが、実は色が2種類あります。おそらく写真を見れば、「あぁ、そういえば」と思われる方も多いのではないでしょうか。上の緑地に白のものに加え、逆に下の写真のように白地に緑のものがありますよね。

白の非常口サイン

この2タイプ、実はちゃんとした意味分けがされているってご存じでしたか?

実は、白地バージョンは「非常口がある方向」を示しているのです。そして緑地バージョンは「非常口そのもの」を意味しています。もし不運にも非常口に急がなければならないような事態に陥ってしまったら※、この色の違いの意味を思い出して下さい。そうすれば、より効率よく辿り着けるかも知れません。緑地バージョンには向かう価値がありますが、白地バージョンは必ずしもそうとは限りません。

※日常場面でも、デパートなどでは、非常口=駐車場口だったりするので、案内サインがヘボい時には参考になるかも知れません。

ちなみに、非常口の方向を示す方が白地な理由は、こちらは通路に設置されることが多いので、視認性に加え照明としての機能も果たせるようにとの配慮だそうです。よく考えられていますね。

最近は、ピクトグラムだけでも充分に意味がわかるほど浸透してきたのか、ピクトグラムだけの小型のものも増えてきました(視認性は落ちないように輝度は上げてあるそうです)。特に美術館など周囲が暗いためサインが目立ち、しかも美観にうるさい場所ではこの文字無しの小型のものがウケてるようです(というか、最近の建物はこればっか?)。

小型サイン(緑) 小型サイン(白)

また、この文字無しタイプの白地バージョンは、矢印を強調してあるようです。ちょっと、非常口ピクトが小さすぎて視力の悪い人に対しての視認性は大丈夫かな、という気がしますが。

104. 世界記録!


分かりにくいことを分かりやすく説明するための手段の一つとしてとして、可視化、具現化、ユーザエクスペリエンス・・・などユーザビリティ向上のための要素をうまく対象に盛り込むことが挙げられます。

次の例は、これらの要素をうまく盛り込み、見る人に感動も与えることもできる事例です。(陸上の3段跳びと走り高跳び、棒高跳びの世界記録です。)

3段飛びの世界記録
世界の3歩 !
棒高跳び・走り高跳びの世界記録
世界の壁 !

どうですか?「世界」を感じることができましたか!?

これを見て感動した私は、今後とも使う人に感動を与えられるような活動を目標に日々精進して行こうと思いました。

103. 蟹みそ汁と大たこ焼き ~文言の多義性


こないだ入った回転寿司屋さんで、「蟹みそ汁」というポップが目に入りました。なんと魅惑的な響きを持つメニューでしょう。σ(^^)は蟹みそとかウニといった珍味に目がないのです(酒飲めないクセにな、とカゲの声)。

「なんと、蟹みそを使った汁とな?!苦しゅうない、持ってまいれ」となんだかとてもゴージャスな気分になりオーダーしてみたんですが…

勘の良い読者の方ならオチはお分かりですね?

ぐはぁ、なんて蟹みそマニアの探求心を巧みについたズルいポップなんだー。

#古田のユーザビリティ評価者の心得その1(仮)
#「失敗を自分のせいにしていてはインターフェイス評価は始まらない」

いやまぁ、蟹みそっぽいダシが出ていてそれなりに美味しい味噌汁ではありましけどね。

似たような例は他の所でも目にしました。

「大たこ焼き」

という看板です。大きいのは「たこ」なんでしょうか、それとも「たこ焼き」なんでしょうか?非常に気になりますね。見た目はデカいのに、タコはちっちゃいのしか入ってなかったらゆゆしき事態です。

このような文言の多義性への感度を磨いておくことは、あらゆるインタラクション設計に携わる人には必須だと言えるでしょう。そう、お店の宣伝ポップひとつ書くのだってインタラクション設計です。そういう意味ではここでいう「ツッコミ」力のようなものは、もはや基礎教養と定義されてしかるべきですね。中学校一年生くらいの教科に組み込んではいかがでしょうか?「察しと思いやり」とも言えるの力だから、小学校の道徳の時間でも良いかも(あれ、最近は道徳って呼ばないんでしたっけ?)。

世の中のあらゆるインタラクション・デザイナーがこういう眼力を持つことで、あらかじめ想定される誤解の種をつぶしたり、意図的に注意を引いて注文させたり(^^;)、消費者もそれに引っかからないように防衛できたりするように、なるといいなぁ。

102. 図書紹介『ウェブユーザビリティの法則』


たまには推薦図書の紹介なぞ。

先日ソフトバンクパブリッシングから出版された、Steve Krugの

『ウェブユーザビリティの法則 ストレスを感じさせないナビゲーション作法とは』

には非常に感激しました。

やたら事例としてページ全体のキャプチャ画像ばかり並べ、「アレはしちゃダメ」、「これは必ずするべき」みたいなテクニック集とは一線を画してます。細かいテクニックの話は大事なんですが、テクノロジーの進歩や変化ですぐに風化してしまいます。この本ではより一般的な心得(本の中では「法則」と読んでいます)が、面白おかしい、でもうなずかされる事例とともに解説されていて、とても説得力があります。

後半には「お金かけなくても簡単なユーザテストをまず自分でやってごらんよ」的な話にページが割かれていて、ちょっと興味はあるけどコンサルタントまでは雇えないという方には大いに参考になると思います。

Webデザイナー以外でもなにかしらのインタラクション設計にかかわる人には大いにオススメできる一冊です。

σ(^^)は、自分の師匠(大学院の指導教授)のそのまた師匠でもあるD.A.Normanという人が書いた『誰のためのデザイン?』という本を読んでこのユーザビリティの世界に足を踏み入れたようなものですが、この本同様にとてもユーモアにあふれていて飽きさせない文章であると同時にわかりやすく内容が濃い本でした。もしかすると、この本も、これを読んで本格的にユーザビリティに興味をもちました、なんて人が出てくるんじゃないか、と思うような一冊です。

関連ページ
『ウェブユーザビリティの法則』詳細情報(Amazon.co.jp)
『誰のためのデザイン』詳細情報(Amazon.co.jp)

101. 音のデザイン


「ユーザがある操作をしたときにフィードバックを与える」ということはユーザビリティ向上を考える上で、非常に有効な手段のひとつになります。よく利用されるフィードバック手段としては「音」によるものです。例えば、「携帯電話のボタンを押したときにピッと鳴る」というようなことです。(私の場合、会社の中など静かなところで他の人の迷惑にならないように、この機能はOFFにしているのですが・・・)

フィードバック手段として有効な音も、逆に氾濫すると何のフィードバックの音だかわからなくなってしまうという欠点をもっています。適切なタイミングで適切な音をユーザに提供することができるようにすることがさらにユーザビリティ向上の要素になるでしょう。

ということで、私はこれから「音のインターフェイス」というのを勉強してみようと思いました。よい「音」を提供し、ユーザビリティの向上に向けて試行錯誤してみたいと思います。

読者の中でもいろいろと情報をお持ちの方、ご連絡お待ちしております。

■ご紹介

音のフィードバック、音のインタフェースデザインについて研究している前田さんという方を、以前上司から紹介してもらいました。(実際にはお会いしたことはなくメールでご挨拶したのですが)前田さんは「自動車の音(騒音)」についても詳しく様々な研究をなされている方です。前田さんが開設しているサイトでは詳細について説明されております。また、サウンドデザインコンテストという企画もありますので皆様も挑戦してみてはいかがでしょうか?

関連ページ
ようこそ、I.S.D.ホームページへ

« Older posts Newer posts »