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115. 制約を利用した誘導 ウェストポーチのバックル


ウェストポーチの写真

写真はσ(^^)が現在愛用しているColemanのウェストポーチです。

σ(^^)のモバイル装備(Sセット)(MobileGearII、充電器、CLIE、携帯電話、デジカメくらい)を入れるためのもので、ウェストポーチといってもやや大きめで、バックル(?)部分も下の写真のようにゴッツい目のものがついています。サイズ、色、デザイン、ポケットの多さが気に入って購入したんですが、このバックルだけがちょっと残念なことになっています。

片方裏返してもバッチリはまってしまいます

このバックル、片方が裏返しになっていても問題なくはまってしまうんです。「細かい向きを気にしなくて良いじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではないんです。ここまで大きいウェストポーチだと、ベルトの幅も4cmほどあります。これだけの太さのベルトがひねっていると、やはり収まりが悪いというか、吊ってる腰が落ち着きません。ベルトをひねってつけてしまわないように気を付ける必要がでてきます。こういう時、バックルは裏返しでは噛み会わない設計になっていてくれた方が便利なんです。(さすがに360度ひねってしまった場合は、大抵その前に気付く可能性がほとんどだと想定すれば)裏返しでは噛み会わないという制約をもたせることで、ベルトをひねって装着してしまう可能性はほとんどゼロに近付けられると考えられるからです。

次のモデルをデザインする際には、是非、こういったインターフェイスの自然な制約のもつ力をうまく応用してほしいと思います。

114. 充電されないCDウォークマン


写真はσ(^^)の愛用しているSONYのCDウォークマン(最近はディスクマンと言わないらしい)D-E999の、充電/ホールド状態を示すLEDです。

充電中は点灯。ホールド警告は点滅

この機種は単にDCアダプタをつなぐだけでは充電が始まりません。外部バッテリ端子と共用している関係かも知れませんが、まずこれが非常に面倒です。携帯電話の感覚で、アダプタを差すだけで充電が始まって欲しいですね。

で、充電をスタートするにはどうするか、というと、本体の停止ボタン(「■/CHG」と書かれている)を押すんです。買って最初はまずこれでやられました。寝る前に充電かけたつもりが、翌朝もバッテリは空のまま。

次はしっかりマニュアルを確認。CHGランプが光ったのをチェック。でも次の朝や
はり充電されていませんでした。そう、この充電ランプは、ホールド状態のインジゲー
ターも兼ねていて、ホールド(誤操作防止のためのボタン無効モード)がオンの状態で
何かボタンを押すと一定時間点滅するんです。σ(^^)は、何度かカバンの中でボタンが誤作動した経験があるので、すべてリモコン操作とし、本体側のスイッチはホールドで無効にしているのです。この状態でDCアダプタをつないで「■/CHG」を押すと、「今はホールドだからボタンは効かないよ」という意味でこのLEDが点滅するんですが、どうしてもこれが充電が始まった合図にしか見えない(点滅してるとモリモリ充電してるように見えません?)。しかも、この点滅は10秒間も続きます。2、3度光れば十分だと思うのですが、継続的に光るもんだから、なにかしらの状態表示に思えてしまいます(普通10秒も点滅終るまで見続けないですよね?)

再度マニュアルをチェックして、完全に仕様を理解した後でも、2回ほど同じミスをして、朝充電が完了していない、という状態でした。スタミナが自慢のSONYだけあって、本当によく電池が持ちます。それだけに、忘れた頃に電池が切れて同じミスを何度でも繰り返してしまうんです。

この事例からの教訓は、

・例えロジカルには明確な差異でも、ユーザにとってはそうとは限らない

・利用頻度が低いからといってユーザビリティ対応の優先度を下げていいことにはならない。時計合わせなど、むしろたまにしかやらない故にユーザの記憶には残らず、マニュアルを紛失した頃に問題になるものも多い。

といったところでしょうか。

113. トイレのドアの先は?


我々はよく飲み屋で、その店のトイレのインターフェイスについて議論をします。

ファミレスなんかと違って、明示的にトイレの看板が出ていないことも多いのに、どうしてトイレを見つけることができるのだろう?といったことについてです。

そんな中で最近思ったのは、初めて行く店では、トイレのドアの中が可視的でないことで、ちょっとうまくないことが起きてるんじゃないか、ということです。

もちろんトイレだけに中が覗けた方がうまくないよ!、とかそういう話ではありません。

通路に面したドアが、トイレのどのフェーズを仕切るドアなのかが見てとれないのが問題だと言いたいのです。あるトイレでは開けたらすぐ目の前が便器かも知れません。別のトイレでは洗面所があって、更にドアを隔てて個室があるでしょう。開けるとまた通路があって、更に男性用と女性用のドアがある場合だってあります。こういう時に、通路のドアをノックしちゃって、ちょっと気恥ずかしい思いをしたことがありませんか?逆に、通路のドアとは別に個室がある場合で、外のドアをノックされて、個室の中から返事しようがなくて困ったことはありませんか?

以前紹介した高速道路のSAのトイレほど凝っていたり、明確な見取り図になっている必要はないですが、やはり初めての人が毎日利用するトイレには、その構造についてなんかしらの情報開示が行われていて、一番通路側のドアの時点で把握できるようになっててほしいですね。最終的な個室までにあと何枚ドアがあるかを、自然に情報提示できるインターフェイスってできないもんですかね?

関連ページ
使いやすさ日記 『63. どこが空いてる?高速道路SAのトイレ』

112. GUI上のガイダンスとシルクの文言不整合


初期設定画面

写真は、PanasonicのDVDオーディオ/ビデオプレーヤーDVD-RP91の初期設定画面です。画面左下に、リモコンのジョイスティックでの操作ガイダンスが表示されていて、親切です。四方向の黄色い三角マークは、無効の時には色がグレイアウトするので、今どの方向が有効かわかって良いです。NECの携帯電話やパイオニアのカーオーディオなどに見られるテクニックですね。

さて、ひとつ残念な点もあります。

リモコンの拡大部分
画面左下の拡大写真 「戻る」にあたりそうなボタンがたくさん

ガイダンスと実際のリモコンを見比べていただけるとわかるんですが、画面で「戻る」となっているボタンは、リモコン上では「リターン」となっていて、対応付けがとりにくいんです。レイアウト上、字数制限が厳しかったのが見てとれます。

しかも、それらしい位置にボタンがいくつもあるので、なお紛らわしいんです。ガイダンスの方にも、「マーカー」と「音声」に対応するボタンを描いておいてほしかったです。ウチはプロジェクタで視聴することが多く、部屋を暗くして使うんですが、手探りでこの「戻る」操作をするのは結構大変なんですよね。画面上でいくつめだったかわかるようになっていれば、もう少し楽に見つけられると思います。例は初期設定の画面ですが、他のメニュー画面でも使うので、結構な頻度です。

ちなみに白っぽいキーはすべて夜光塗料でぼんやり光ります。上記ボタンもリターンだけはそうしといてくれても良かったと思うんですが、デザイン優先だったんでしょうか。グレーの6ボタンは裏ではつながったゴムパーツでしょうから、コスト的な制約もありますね。せめて携帯電話の「5」ボタンのように触ってわかる突起をつけてほしかったです(このリモコンの「5」にも突起ついてます)。

関連ページ
Panasonic DVD-RP91製品情報

111. 乾電池の入れ方


久しぶりです。ネタは読者の方から頂いていたんですが、多忙に任せて寝かしてしまっていました。(いつもネタ提供ありがとうございます&大変遅くなりました。)

数年前まで、乾電池を正しい方向に入れるのは結構簡単なことでした。

バネがぐるぐるしてる方にマイナスを合わせるだけ。シンプルなルールですし、バネの尖ってる感によって、バネ側に乾電池のプラスを差し込むことを否定するアフォーダンスもちゃんと持ってます。(尖ってるもの同士ってなんかちゃんとあわなそうですよね)

しかし、最近は機器の小型化によって、そーも言ってられなくなってきています。

この写真をご覧下さい。2カ所ある電池入れのうち、右はいいんですけど、左はバネ側に電池のプラス極をささなければいけません。

乾電池入れ
バネを見てても電池を入れる方向はわかりません

バネ(接点形状)のアフォードだけで挿すと、残念ですが、機器は動きません。周辺(きっとどこかに描いてあります)にある差込方法のガイダンスを探さないといけません。

事情はわからんでもないんですが、なんとかならないもんでしょうか。ユーザビリティ的には古き良き伝統だったんですけど。

でも、間違える人が必ずいるからでしょう(設計側も分かってるんですよね…)、フェイルセーフはしっかりしているようです。

完全な逆極性(2本とも反対向き)にならないように、右側手前の電極には一段段差が設けてあって、マイナス側を合わせても電極と接触しないようになってます。

乾電池入れ
こっち側にマイナスを入れても大丈夫

でもなんだか後手後手ですね。昔通りにバネとマイナス電極を合わせていればこんなにいろいろ苦労しなくてもいいのに…。

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