カテゴリー: Web、GUI (page 20 of 24)

153. フレームを使ったサイトとURLのコピペ~地図サイトの例


今日、あるメーリングリストで、会合の案内が届き、場所の地図として、下記のURLが記されていました。

http://channel.goo.ne.jp/map/address_index.html

クリックしていただけばわかりますが、目的地の地図は表示されません。これは、このgooの地図サイトがフレームを使っているために起きてしまったありがちな悲劇です。このサイトでは上の白い部分と下の黄色い部分がフレームによって別ページになっています。アドレス欄に表示されるのは上の白い部分のもので、下の黄色い部分に表示される個々の地図表示ページが変化しても、それに応じて変わったりはしません。

人はブラウザのアドレス欄にURLを入れると一意なコンテンツが表示されると思いがちです(実際、大抵の場合はそうです)。それ故に、今見ているページと同一のものを人に見せたい時には、その時アドレス欄に表示されているURLを伝えれば良いのだというメンタルモデルを抱いてしまうのです。

もちろん実際にはそうではありません。ショッピングサイトのカタログのように、データベースと連携して常に内容が更新されてしまうものもありますし、このサイトのようにフレームを使ってしまうことで問題が起きてしまいます。

こういう場合でも、URLにパラメーターを含めた形式(URI)を使うなど設計上でいくらかの工夫はできます。特にこのような地図サイトや製品カタログのサイトなどは、URLで人に伝える機会も多いですから、「上記のようなメンタルモデルをもつ人がアドレス欄のURLをコピペしても、ちゃんと目的のモノが表示される」という要求仕様を盛り込んでほしいと思います。

ちなみに、同様の地図サイトで、マピオンの場合は、面白いことに、コピペ用のURLが別途ページ内に表示されてたりします。これはちょっと興味深い妥協策だと思います。

2002/9/6日補足

ちなみに、当サイトにも「URLから一意に内容が決まらない」例があります。下記バックナンバー一覧の下の「日記へリンクして頂く方へ」というところから注意書きが読めます。

151. WhatIs?型の疑問に答える回転寿司屋さんの工夫


ネタの写真と名前が入った写真立てが載った皿が回るコンベアの写真

写真は、最近近所にオープンした回転寿司屋さん「スシロー」のものです。普通はランダムに皿が並ぶんですが、このお店ではネタごとに分かれて並んでいました。そして、各ネタの先頭には写真と名前の入ったポップが立っています。

この方式で良いなと思ったのは、ネタの名前がわかることです。○○サラダとか似たようなのが複数あったり、メニューに写真が無かったりで、もう一皿同じネタを頼みたくても、なんてお願いしたらいいかわからないことってありますよね?この方式ならそれがなさそうです。ネタが切れていてもポップだけはまわっているようなので、「前に来た時に気に入ったネタあったけど名前までは覚えてないや」って時にもヨサゲです(もっとも、どのみちこのお店には写真にあるように写真入りメニューも掲示してありますが)。

もう一点想像ですが、この方式は厨房の方でもポップに皿が続いていないネタは補充するといった運用が容易な気がします。実際、夕方の4時という客入りの少ない時間帯に行った割には回っているネタの種類は多かった気がします。

値段の割にネタも美味しいし、もうお店の少し混み具合が緩和されたら通うんですけどねぇ。

あっ、コスト削減の一環でしょうけど、醤油小皿が無いのはちょっと不便かな。

147. 同じような文言のボタンが3つも!?


写真は、「VirtualCD7」というCD-ROMのデータをHDDに格納し、CD-ROMディスクやCD-ROMドライブがない環境でもコンテンツを利用できるようにする、CD仮想化ソフトと呼ばれる製品の画面です。

最近、長年使い慣れた某社のライバル製品がバージョンアップしてみたら、かえって使い勝手が悪くなってしまい決別を決意。他社製品への乗り換えを検討していたところ、これの体験版が使いやすさ、安定感ともにだったためライセンスを購入しました。

あっ、間違えた。終了予測時間まで45秒! あなたならどれを押す?

ただ一点、写真のダイアログには驚かされました。これはCD-ROMのデータをHDD上に仮想化している最中のものなんですが、「停止」、「中止」、「キャンセル」と同じような意味のボタンが3つもあるではないですか。多分、完全に止めてしまうのと、後から続きを再開できるのとかって違いがあるんでしょう(あとひとつは何だ?)。

このように文言が曖昧なボタンが並んで「どっちやねん?」となる状況は、インターフェイスの使いにくさをパターンに分類して整理しようとするσ(^^)の個人的な試み「道具眼的ユーザビリティパターン」の3番目にも挙げている典型的なものですが、流石に3つも同じようなボタンが並んでいるものは珍しいと思います。パターンの名称も募集中ですが、「停止、中止、キャンセル」でイケそうな気すらしてきました。きっと伝説に残るダイアログでしょう(^^;)。

もしこれを越える猛者に遭遇したら是非報告をお願いします。

140. 文言の統一と情報提示順序~WindowsXPのオフラインフォルダ~


WindowsXP Professionalには、「オフラインフォルダ」というネットワークでつながったサーバー上にあるファイルを、ネットワークにつながっていない外出先であっても、あたかもネットワークがつながっているかのように利用できる機能があります。

普通は、こういうことをする場合、サーバー上の必要なファイルをノートパソコンのHDDに自分でコピーして利用します。ですので、会社のLANにつながっている状態では、「\\サーバー\\フォルダ\\ファイル名」のようなパスで辿れるファイルを、出先では「c:\フォルダ\ファイル名」のように扱い分けなければなりません。そして、どちらかを更新した場合には、あらためてコピーし直して、サーバーとHDD内の同名ファイルを同じものにしなければなりません。

ところが、この「オフラインフォルダ」ならその辺りをユーザにほとんど意識させないで処理してくれます。あらかじめ指定したフォルダのファイルをすべてHDDにコピーしてくれるし、LANにつながっていなくても、つながっている時同様「\\サーバー\\フォルダ\\ファイル名」でアクセスできてしまいます。そしてファイル更新した場合の不整合は、再びLANにつないで「同期」という操作をすることで更新したファイルだけを高速にコピーして解決してくれるのです。なかなか便利ですね。

さて、このような仕組みで問題になるのは、外出中にHDD上で更新したファイルを、同時に社内の他の人が更新してしまった場合です。こうなると、Windowsはどちらを優先して保存すれば良いのかユーザに問い合わせるしかありません。

写真はその場合のダイアログです。

ダイアログの写真

「〜上のバージョンだけを保持し、〜上のバージョンを置き換える」という表現は
、この手のコピー確認ダイアログの表現の中では随分よく練られたものだと思います。
以前のMacOSなど、どっちがどっちを上書するのかわからないような日本語でしたもんね。

ですが、いくつか気になる点もあります。まず、サーバーと(自分のマシンの)HDDの呼び方です。このダイアログでは、前者を「ネットワーク上のバージョン」とか「ネットワークバージョン」とか呼ぶようです。これはまぁ良いでしょう。問題は後者です。同じダイアログの中なのに、「コンピュータ上のバージョン」、「ローカルバージョン」とまったく異なる呼び方をしています。

まず呼び方が食い違っている上に、表示順序も逆転しているので、同じものを指していることを認識するまでに何段階かの論理的判断をする必要があります。

また、それぞれの文言もあまり適切でない気がします。

「ローカル」とか「リモート」という呼び方は、そう多くのユーザが自然に理解できるものではない気がします(あなたの上司にそう言って通じそうか想像してみて下さい)。元の英語では一般用語なんでしょうが、日本語化すると専門用語になってしまう例って少なくないですね。

他方の「コンピュータ」もやや曖昧です。ネットワーク上のサーバーだって「コンピュータ」ですもんね(^^;)。

もうひとつ付け加えるなら、解決方法の選択肢と更新日時は順序を入れ替えて、「問題の説明」→「各ファイルの状況」→「ユーザの選択肢」→「OKボタン」とした方が、ユーザの頭の中の情報処理順序にマッチする気がします。

σ(^^)はわざわざ自分のノートPCに入っていたWindowsXP Home EditionをProfessinal Editionにアップグレードするパッケージ(ナゼか今月までの期間限定販売)を購入してしまったくらいこのオフラインフォルダを気に入っています。

ですが、この手の処理は、判断を間違えると新しいファイルを古いファイルで上書きして消してしまったりする重大事を招くので、慎重なインターフェイス・デザインをお願いしたいです。

関連ページ
Microsoftのオフラインフォルダ説明ページ(操作手順的なことのみ)(リンク先消滅)

136. 使いやすさ研究所が使いやすくなきゃねぇ… ~日記分類マーク


今回はやや自虐的なテーマ。この使いやすさ研究所のサイト自体に関する指摘です。

実は、この使いやすさ日記は、内容で4つに分類され、それを示す以下のようなマークがつけられています。

◎ × ! ◇
良く配慮されています ×使いにくい! 新提案 その他、ご紹介

これは、下の方にある「最近の日記」のところ凡例と対応付いてるんですが、このことがよくわからない、というご指摘を複数の方からいただいています。特に「新提案」の「!」と電球マークはダメダメですね。文句無しの「×」です。すみません。順番としては記号によるマークが先で、リニューアルの時にただこの記号を大きく表示するだけじゃ味気ない、ということで社内のデザイン・スタッフにお願いして少し展開してもらったんです。その時に、σ(^^)達使いやすさ研究所スタッフがちゃんとマークの意図などを説明が不足してたんだと思います。せっかくデザインしてもらったマークなので、バックナンバー一覧の方をこれのサムネイル(縮小版)にするってのも考えたんですが、ページサイズ増えるのもなぁ、などと考えつつそのままになってました。

この件に限らず、ユーザビリティのサイトのくせにユーザビリティ的にイケてないところが色々ある当サイト。そろそろ2度目の全面リニューアルを計画しなければと思っています。

当サイトをご覧になっていて、「ここが不便」とか「わかりにくい」といったご意見がありましたらビシバシお寄せ下さい。リニューアル時のToDoリストに取り入れたいと思います。

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