カテゴリー: Web、GUI (page 18 of 24)

219. 乗換がスムーズに行える乗換案内


携帯電話の経路検索って便利ですよね。電車でどこかへ出掛ける際には、必ずといっていいほど、これで調べています。今回は、数ある経路検索の中で、ちょっと気の利いた情報を表示してくれるものをご紹介したいと思います。

「地下鉄を乗り換えようとしてホームへ降りたら、ホームの端から端まで歩かなくちゃならなかった・・・」

皆さんはこんな経験をしたことがありませんか?急いでいるときなど、そのせいで遅刻してしまったり。何より連絡口までの長い道のりを歩くのは正直シンドイですよね。今回ご紹介する「乗換案内NEXT」の検索結果には、そんな問題を軽減してくれる情報が表示されています。

乗換案内NEXT 検索結果画面

検索結果に「前〜後」「前」のように(赤枠内参照)、次の列車への乗り換えに便利な乗車位置が表示されてます。ここでは、東急大井町線の「前」の方の車両に乗れば、大井町でホームに降りたとき、目の届く範囲に乗り換える連絡口(階段など)が見えているわけです。これで、もうホームを右往左往する必要はなくなりますね。

他の経路検索では、「○○線に乗る。その後は△△線に乗り換える」という案内はしてくれるけど、「乗り換える」までにホーム上で人がどう行動するかは、考慮されていないんですよね。検索結果に「乗車位置」という情報がプラスされただけの、小さな工夫ですが、情報と情報の間をつなぐ大事な役目をしていると思います。欲をいえば、「エレベーターは前」や「エスカレーターは後」のような配慮もあったら、なお◎ですね。

199. 失敗した写真は安心して消去~CASIO EXILIM


数カ月前に、新しいデジカメを購入しました。(CASIO EXILIM EX-Z3)
 最初、コンパクトで持ち運びやすいところに惹かれましたが、実際使用してみたところ使いやすさのほうにも魅力を感じています。

デジカメは、手ぶれをしてしまった時や構図が良くなかった時に、気軽に何枚も撮
りなおせるところが良いですね。
 失敗しても、のちほど気に入った写真だけを残し、その他は消去できます。

今回は、その消去モードについて紹介します。

まずPLAYモード時に、下キーを押下すると消去モードに入ります。
次に、画面右下の選択肢から「消去」を選び、確定すると消去されます。

EXILIM全体
消去前→消去後

以下に良い点を4つ挙げます。

  1. 各キー近辺に印刷されているマークの色は、PLAYモード時を指す場合、全て緑色で統一されている
     消去モードは、下キーの下部に緑色でゴミ箱マークが印刷されている為、入り口が分かりやすい
  2. 画面の左右に、三角の矢印がついている為、左右キーにて前後の写真を閲覧できることが分かりやすい
     似たような写真が複数ある場合、消去直前にもう一度確認することができる
  3. 選択肢のサイズが大きく、かつフォーカスの色にメリハリがあり見やすい
     フォーカスがあたっている時と、あたっていない時の判別が分かりやすい
  4. 繰り返し消去の操作が、誤操作の心配なく安心して行える
     1枚消去すると、その次の写真が消去モードのまま表示される
     その時、フォーカスはキャンセルに戻される為、間違えて確定してしまっても大丈夫

デジカメは、気軽に写真が撮れるので、ついたくさん撮影してしまいます。
それだけに、写真の整理(消去)が分かりやすく、やりやすいことが大事です。
また、間違って消去してしまうと戻せないので、操作ミスを防ぐ設計も重要だと思います。

197. 表示されているのは一番始めのタブ?~Microsoft Excel


会社で、グラフを作成する時等にExcelを使うようになり約1年半の時が経ちました。
しかし、未だに使い慣れずドキドキしてしまうことがあります。

タブが複数並んだ際、操作部の右矢印ボタンを押し、隠れているタブを閲覧します。

そして、そのままセーブした時、問題がおきます。
次にファイルを開いた時に、前半部分のタブが隠れたまま表示される為、気付かないまま作業を進めてしまう可能性があるからです。

何故ならば、タブの形から1番目のタブか、2番目以降のタブが表示されているのかを判別するのは難しいからです。
また、操作部(4つの矢印ボタン)にも変化がないので不安を感じます。

最初のタブが見えている時
セーブ後に開いた時

改善例を2点挙げます。

  • タブが隠れていることを示す変化をつける
  • 操作部に変化をつける
    (例:一番目のタブが表示されている時、一番左の三角矢印はグレーアウトする等)

会社では、人とデータをやりとりすることもあるので、変化がわかりやすく判別しやすいほうがミスを起こしにくいと思います。

196. カーナビGUIにおける言語障壁~外国人の方にカーナビを教えに行ってきました~


先日、弊社の登録モニターの方がユーザテストに参加してくださった時に、「隣に住んでいるドイツ人がカーナビを使っているんだけど、画面の表示もマニュアルも読めなくて困っている。かわりに私がマニュアルを読むんだけど、日本語は読めても機械が苦手で内容は理解できない。」と苦労話を語ってくださいました。

難しい機械の説明を(しかも今回は英語で)かみ砕いて説明してほしい。そいう時こそ使いやすさ研究所突撃隊(仮称)の出動です。  ということで、早速お宅訪問して来ました。相手は30代のドイツ人女性。幸い英語がOKだったのでσ(^^)でもなんとかコミュニケートできました。1時間半ほどあれこれ説明をしてきたんですが、その中で現在のカーナビを外国人が使う上での障壁が色々と見えてきたので、ご紹介したいと思います。

メニュー項目が読めない

彼女はディーラーに頼んで英語での案内に対応した機種を指名買いしたんだそうですが、残念ながらGUIメニューはすべて日本語。まったく読めません。そこでメニューの各項目を1対1で内容を説明しようとしたんですが、彼女達にとっては漢字を“見”分けることすら困難なようで、手元に手書きでノートをとっているんですが、その元の漢字表示を書き写すことができないんです。一生懸命形をマネして書こうとするんですが、結局自分でもわからなくなって、適当にグチャグチャっと書くしかない様子でした。MacOSやWindowsのようなガイドラインのしっかりした環境では字が読めなくても、「上から何番目の項目」という覚え方ができます。ところが、カーナビのメニューはスクロールをするため、その作戦も使いにくいのです。スクロールがループしちゃうようなのは特に厳しいですね。

各メニュー項目にインデックス番号が振ってあるだけで、外国人の方には随分楽なんだろうなと思いました(「1番は目的地設定です」という教え方/覚え方ができる)。

検索方法に制限

名称を入力して検索する方法は、多くの機種では読みを50音パレットで入力します。日本語がわからない外国人には漢字で与えられた文字列をひらがなにすることはできないワケなのでNGですね。また仮に「フルタさん」のように名前を音で知っているケースも、ひらがながわからなければNG。どうせ読み仮名情報をデータベースでもっているので、パソコンのようにローマ字入力もできるようになっていれば救えるケースは少なくはないのかも知れませんね。

また漢字が読めないということは、例え選択式メニューであっても住所検索などが使えないことになります。知人宅を訪問したりするのに、住所のメモをもらったとして、例えそれが日本語で書かれていても英語でかかれていても入力は困難です。メモと画面上のメニューとで漢字を同定することも困難ですし、そもそも日本の住所表記をパージング(都道府県名部分や市区町村部分に分割)すらツラいんでしょう(ご存じのように、カーナビは都道府県名->市区町村名->…というように順を追って選択していく方式)。

電話番号ならヨサゲなんですが、実際問題、プライバシー絡みの問題で、個人宅は収録していない機種や、していても確認で名字の入力を求められる機種がほとんどでこれもダメなんですよね。

また目的地が個人宅以外の場合、やはりジャンル検索とか周辺検索も厳しいですね。各カテゴリにわかりやすいアイコンが付いてると良いんでしょうね。

もちろんカーナビ設計のおいて、日本語の読めない外国人のユーザ・コンテクストを取り込むよりも優先順位の高い要件はたくさんあるでしょう。とはいえカーナビもいよいよ普及期に突入しようかという商品なので、こういったユニバーサルデザイン的な観点ももっと考慮に入れていってもらえるようになると良いなと思う出来事でした。

P.S.
 こういった活動は、我々にとっても道具が使いきれない人達の生の声を聞ける機会という意味で貴重な場です。必ずお伺いできるという約束はできませんが、なにか日常の道具利用で困っていることや疑問に思っていることがお有りでしたらお気軽にお寄せ下さい。

182. 掲示板の名前とコメントの並べ方~使いやすさ日記執筆システムにおいて~


この使いやすさ日記は、私達ノーバスグループの若手衆(と強引に言ってみる)がユーザビリティエンジニアとしての基礎体力を向上させるために、日々気づき伝える力を切磋する場としても活用されています。 この日記は、執筆後、先輩のレビューを経て修正を繰り返し、ようやく掲載されているというわけです。 そこで今回は、この使いやすさ日記の意見交換に利用しているシステムで気づいた”使いやすさ”について書き留めたいと思います。

私達は、意見交換やレビューに「PukiWiki」というシステムを利用しています。これはHTMLの知識がなくてもブラウザから簡単にウェブページを編集できるというもので、日記執筆者はテンプレートを使って簡単に日記の文章を書いたり、画像を配置したりすることが可能です。また、その下にレビュアーや執筆者同士が意見交換できるコメント欄がついています。

最初、コメント欄は図1のようなレイアウトでした。コメントの後にコメントした人の名前が表示されます。しかし、利用していくにつれ不便を感じ始めました・・・

図1:改善前のコメント欄〜コメントの後に名前
矢印
図2:改善後のコメント欄〜名前の後にコメント

「え〜っと、私が確認したのはここまでだから、その後のレビュアーさんの意見はっと・・・」と、まずコメントした人(図では赤丸の位置)を確認。その後、文章の始まりの位置を探しやっと読み始めます。

名前の位置を探す→文章の頭を探す→もう一度名前を探す、と なんども繰り返す間、ずっと目が泳いでいることになりかねません。なんだか、釈然とせず、疲労だけがたまっていきました。

  • 誰が確認してくれているのか?
  • たくさんいるレビュアーさんのご意見に全部答えられたかどうか?
  • このコメントの経緯は?

このような確認が簡単に行えるように、解決策として図2のようなレイアウトにしてみました。 名前を文章の前に持ってきて、縦一列に並ぶようにしています。 そうすることで、名前の位置を探すという負担を軽減し、文章の頭も同時に確認できるようにしました。

「おっ。前回私が返答してから、ずいぶん多くの方が確認されたな〜」

「この人の意見は、ここからここまでか・・・」

など、ずいぶんと確認しやすくなりました。また、コメントの挿入フォームとも同じ配列になったため、コメントを書くときの違和感も少なくなっています。

ちょっとレイアウトを変えただけで、使いやすさはこんなにも変わります。 意外と簡単に改善できるものなんですね!

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