カテゴリー: Web、GUI (page 16 of 24)

379. 目立ちすぎの鍵アイコンと、目立たないダウンロードアイコン


写真好きの友人がおり、 先日その友人名で、宅ファイル便(大容量ファイル受け渡しサービス)よりメールが届きました。 早速ダウンロードをしようとそのページにアクセスしたのですが、なかなかうまくできません。

宅ファイル受信画面

画面下を見ると、“ここがポイント”と題されたダウンロード方法の説明が書かれていました。「アイコンの上にマウスカーソルを置いて、右クリックから『対象をファイルに保存』を選択・・・」。 そこで書かれてある通りやってみると、『対象をファイルに保存』がグレイアウトし ていて選択できないのです。

宅ファイル受信画面

しばらく画面を注視し、私がクリックした鍵型のアイコンが、“ここがポイント”に書いてあるダウンロードのためのアイコンではないことに気が付きました。 すこし視線を右に移動すると“アイコン”という文言、そしてその下にアイコンがあったのです。 確かに“アイコン”という文言が書いてあります。しかし、私は勘違いしてしまいました。なぜそう思ったのか考えてみました。

アイコンとは、パソコンや携帯電話などの画面上で、処理をする内容や対象を小さな絵や記号で表現したもの、と定義されます。だから私は“アイコン”という文言を見て、絵や記号を意識しました。そして、画面左にある鍵型のアイコンが目にとまり、私はとっさに右クリックしたのだと思います。

せめて、ダウンロードアイコンが画面左にあればいいのに、と思いました。 

367. 使ってますか?TVリモコンのカラーボタン


2006年12月、全ての都道府県庁所在地で地上波デジタル放送(以下、地デジ)が視聴可能になりました。地デジの特長としては、画質の美しさ・鮮明さが注目されがちですが、今回は、少なくとも私の周辺ではあまり利用・視聴されていない「データ放送」を取り上げたいと思います。

[写真1]「d」ボタン

番組視聴中、地デジ対応リモコン上の「d」ボタンを押すと、放送中の画面が縮小され、以下のような画面が表示されます。

まず、ある日のNHK。 

[写真2]NHK

次に、テレビ朝日とテレビ東京。

[写真3]テレビ朝日

 

[写真4]テレビ東京

画面の中に共通の色が使われていることに気付きましたか? データ放送の画面は、十字キーによる操作に加え、青・赤・緑・黄のカラーボタンによる操作も一部可能です。

[写真5]カラーボタン

では同じく、ある日の日本テレビ。

[写真6]日本テレビ

この画面にも、下部に青赤緑黄全ての要素がありますが、実は、ユーザが操作できる対象ではなく、単なるデザイン要素です。ちょっと紛らわしいですね。カラーボタンによる操作対象であるためには、画面上で「青」や「赤」といった色名と色とを組み合わせて表示する必要があるようです(上の写真2、3、4参照)。

データ放送画面を観ていて個人的に不満なのは、放送局ごと、場合によっては番組ごとにカラーボタンの役割が違うことです。 例えば写真2、3、4の画面で言うと、NHKとテレビ東京で「トップに戻る」に割り当てられているのは黄ボタンですが、テレビ朝日では青ボタンがそれにあたります。 いくつもの異なるルールを学習しなければならないのは、ユーザにとってかなりの負担です。今後のデータ放送の普及と使い勝手向上のためには、ある程度、UI上の標準化が必要なのではないかと思いながら観ています。 

365. ふと思うこと / 印刷用ダイアログボックスについて


WordやPowerPoint?などのいわゆる『Office製品』の印刷用ダイアログボックスには、みなさん何かしら苦い想い出があるのではないでしょうか。私の会社でも、自分の思惑とは異なる印刷結果に、「なんじゃこりゃあ!!」と殉職したあの刑事さながらの叫びをあげる同僚が後を絶ちません。そんな印刷用ダイアログボックスの中でも、特に頭を悩ませるのが「印刷範囲」のページ指定です。(図1 赤枠内)

図1:Microsoft Word の印刷ダイアログボックス

正しくなかろうが、とりあえず何でも入力できてしまう寛容な入力方式もさることながら、「○○ページから最後まで」とページを指定したいとき、ダイアログボックス上からは最後のページが「何ページ」なのかを把握することができません。ダイアログボックス後ろの書類上にページ数は表示されていますが、意識はダイアログボックス上に向けられているわけですし、その表示すら隠れてしまっていることもあり得ます。

他のアプリケーションでいえば、Adobe Readerの印刷ダイアログボックスには、書類の開始ページと終了ページがあらかじめ入力されています。(図2 赤枠内) 

図2:Adobe Reader の印刷ダイアログボックス

入力済みの内容を書き換える手間や消費スペースの問題もありますが、総ページ数は直感的に把握できますし、デフォルト値によって正しい入力方式を考える必要もありません。

Adobe Readerのものが最適とは言い切れませんし、ここで代替案を提示することもできませんが、入力のデザインも奥が深いなと思いました。

364. ふと思うこと / 携帯電話でのパスワード入力について


最近携帯電話を替えました。春ですし。(編注:執筆時点は春でした)
機種変更に併せてEdyやモバイルSuicaなど、前の機種で使っていたおサイフケータイのデータも新しい機種へ移しました。

それから、何日か経った頃でしょうか。
Suicaの残高が少なくなっていたのでチャージ(入金)をするため、モバイルSuicaを起動、ログインをしようとしたのですが、いつも使っていたパスワードが入力できません…!

前の機種でモバイルSuicaを登録するときに、数字とアルファベットを組み合わせた奥深いパスワードにしたのが仇となってしまったようです。

一般的な携帯電話の場合、1つのキーに数字と複数のアルファベットが割り当てられています。“C”と入力したいときはアルファベット入力モードにして[2]を3回押すわけですが、新しい機種では、[2]を押した瞬間、他の人から見られてもパスワードがバレないように“*”と表示されてしまいます。
数字だけのパスワードであれば、それぞれの数字に対応するキーを押していけば問題なく入力できるのですが、これがアルファベットとなると、いま入力している文字が“A”なのか“C”なのかさっぱりわからなくなってしまいます。 

図1:入力した内容が*で伏せられている

ちなみに前の機種では、“A→B→C”と文字を送っている間は入力している文字が表示されたままで、カーソルが次に移ったタイミングで“*”が表示されるようになっていました。

図2:カーソルが移ると“*”になる

セキュリティと操作性の面、どちらを優先させるのかは悩ましいところですが、複数の機種をまたいで使われるサービスが運用されている以上、その受け皿となる携帯電話も、必要のある部分に限っては、統一されたインタフェースにしていかなくてはならないのでしょうかね。

309. 漢字の情報伝達力~ケータイの乗換案内を例にして


私は携帯電話の「乗換案内」をよく利用するのですが、最近その検索結果に漢字を用いたラベルが登場しました。そのおかげで、以前のように縦に長いページを全て確認しなくても、素早く快適に情報を調べるられるようになりました。

乗換案内の漢字ラベル

そのラベルは、[早]:最も早く着く、[安]:最も運賃が安い、[楽]:最も乗り換えが少ないの3種類あり、これらのラベルがあるかないかを調べるだけで簡単に目的の経路が探し出せます。携帯電話の画面は表示領域に限りがあり、できるだけ文字数の少ないページ構成が求められるという意味でも、優れたラベルだなと感心させられました。

このような漢字を用いたラベルは、携帯電話に限らず至るところに使われています。それは漢字が、文字自体が意味を持つ文字(表意文字)であるからだと思いました。ワープロソフトの「Word」のアイコンは「W」で表されていますが、その製品名を知らない人には意味が伝わりません。それは、アルファベットが文字自体に意味を持たないからではないでしょうか。

漢字には他の文字にはない情報伝達力があり、物事を簡潔に伝える際にはとても有効な手段になるのです。伝えられる相手が中国人や日本人などに限られることさえ気をつければ、その活躍の場はもっと増えてもよいのでは?と感じました。

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