カテゴリー: パッケージ (page 29 of 30)

141. パッケージングと使用順序~ふわとろ


緑の袋の仕込みタレと赤い袋の仕上げタレの写真

上の写真は、フレシア(ミツカン系)の納豆「金のつぶ」シリーズの最新作「ふわとろ」のパッケージ内容です。タレが2種類付属してるのが特長で、

1. まず「(1)仕込みたれ」だけをかけてかき混ぜる。”ふわっ”となる。
    ↓
2. しかる後に「(2)仕上げたれ」を加えまた混ぜる。”とろっ”となる。
    ↓
3. (゜Д゜)ウマー

というシロモノです。ちゃんとこの手順を踏むと、本当に「ふわとろっ」ってカンジで、最近の私的ヒット商品です。σ(^^)はずっと、箸で思いっきりかき混ぜてもパッケージを突き破りにくいプラスチック製容器の「納豆いち」(旭松)シリーズ愛用者だったんですが、最近はこちらに偏り気味です。

ところが、先日この商品をはじめて開封した際、あろうことか、最初に(2)仕上げたれを入れてしまったのです。何故か?下の写真は、実際にフタを開けたままの状態です。そうです。何故か(2)が上に置かれているのです。最初は袋の番号などまったく目に入らず、素直に(2)仕上げたれを入れ、かき混ぜながら何気なくもうひと袋のたれを見たら説明書きがっ!という状況でした。

下から納豆、ビニールシート、緑の袋、赤の袋の順に入っている写真

これってわざわざ2を上に置く必然性ってあるんでしょうかね?この製品は3食分が1セットになっていますが、すべてこの置き方で、おそらく意図的にそうなっていると思われます。

ユーザがひとつづつ取り出すと仮定すれば、取り出された場所には逆に積み上がるので、これでいいのだ、という考えでしょうか?それもねぇ…

毎度のことですが、何か合理的な説明を思い当たる方がいらっしゃいましたらお寄せ下さい。

というか、現在この手の食品、日用品のパッケージの使い勝手について社内でリサーチしています。イケてる/イケてないパッケージの事例をご存じでしたら是非教えてくださいませ。

P.S.
 納豆の発泡スチロール容器がリサイクル回収不可なところ多いですよね。ちゃんと洗うからもっていって再利用しておくれよぅ。

2002/5/23日補足

山本さんより、「逆にしてしまうと2のたれが隠れてしまい、たれが2種類ある
ことのアピールや、工場での検査時に見逃しやすくなるからではないか」というご指摘
をいただきました。山本さんは某メーカーにお勤めの方で、特に2点目のような品質管
理的な視点は、実際の製造現場にたずさわっていない我々ではなかなか持ちにくいもの
で、非常に参考になりました。

関連ページ
「ふわとろ」商品説明(非オフィシャル)(リンク先消滅)
プラスチック容器がウレシイ「なっとういち」シリーズ(リンク先消滅)

138. ロゴの向きで使い方を誘導


ロゴの下にストロー穴のあるフタ

写真はマクドナルドのドリンクに使われるフタです。

先日、このフタを使ったドリンクを飲んでいて、いきなり中身がこぼれてズボンをイヤ〜ンなカンジに濡らしてしまいました。

最初、店員さんのフタの閉め方が甘かったのかと思って調べたんですが問題ありません。再度慎重に飲もうとすると、なんとストローの穴から中身があふれていることがわかりました。

穴が上になるようにして使えば中身が満タンに近い状態でも問題なさそうです。

しかし、この向きにロゴがついていたら、最初は誰もが穴を下にして飲もうとするでしょう。(他に穴を下にするべき理由が無ければですが)ロゴを逆さまに入れるべきだったのではないでしょうか。

P.S.

この写真は使いやすさ日記59「バーベキューパーティで自分の紙皿を判別する」で使ったものの再利用で、「日本であまり使われているのを目にしない」と書いたんですが、つい先日、初めて同じサイズで中身の違うドリンクを渡すときに、目の前で押し込んで「こちらがアイスコーヒーです」と説明するのを目撃しました。ちゃんと活用されてたんですね。

99. 紙ごと食べるハンバーガー


さて、どう食べたものか…

写真は名古屋駅のハンバーガー屋さんで出されたハンバーガーです。包装紙に「袋から出さずにこのままお召し上がり下さい」と書かれています。皆さんはこれをどうやって食べます? (数年前某所で利用した写真の再利用なので、今は変更されてるかも知れません)。

人間には常識(Common Sense)というものがあります。無数にある解釈や行動の選択肢を吟味する際に、この常識のおかげで、ほとんどを自動的、無意識的に却下することができるのです。

このハンバーガーの包装紙は人間の常識を上手く利用する事によって、表示の分量を抑えることに成功しています。が、もう少し書き方があったんじゃないでしょうかねぇ。別に常識がなくても解釈できるような精緻な記述をせよ、というつもりはないですが。ただし、これをユーモアでやったんだとしたら、そのセンスは認めます。

P.S.

さて、記念すべき100番を取るのは誰だ?

関連ページ
用語解説: 常識

91. どこからオープン?「ここからオープン」


キャラメル包装パッケージはよく見かけます。たいてい封を切るための帯が赤で一周されていて、このひもに沿って開封されるという認識がどなたにもあることでしょう。
ここでご紹介するのは、DVテープのパッケージで使用されているキャラメル包装です。

DVテープパッケージ写真

この製品はかなりきれいにシュリンクされていて、綴じ代もわかりにくいようにぴったりとくっついています。開封するには、パッケージ側面の「ここからオープン」と印刷された面に着目するしかなさそうです。

側面全部を矢印が覆っているために、2つの解釈が成り立ちます。

1.矢印が開封口を示している場合(矢印は開封する方向を表している場合)

私はこのように考え、開封口は矢印の後方にありそうだと考えました。さてそこで、後端部分をホジホジすると...ないんです。爪で引っかかるような開封のための糸口はありませんでした。

2.矢印の先端に開封口がある場合

矢印にはポイントを示す場合もあります。その場合は注目すべきは矢印の先端です。さてそこで、先端部分をホジホジすると...ないんです。爪で引っかかるような開封のための糸口はありませんでした。

いやぁまいりましたね。仕方ないので、丁寧に縁という縁を光にすかしながら、開封口を探しました。するとありました。矢印と同一面でありながらわずかに切り込みが入った開封口が...

ここから開けると、こう開きます。

最近のカセットテープやビデオテープなど各社工夫されているのが伺えます。下の写真のようですと、どこからあけるかがわかりやすいと思うのですが...(ただし、開封口がつかみやすいかは別ですけど)

DVテープパッケージ写真

72. アメリカのライターに見るフェイルセーフ


読者の方から情報を頂きました。今度はアメリカのライターの話です。

以下の写真をご覧下さい。

ライター写真1ライター写真2

これらのライターには、誤って着火してしまうことを防ぐ仕組みがそれぞれ異なった方法で取り入れられています。

左側のライターは、ローレット(ぎざぎざの回るところ)のセンター部に、ローレットよりもやや径の大きなカバーが付いており、押し込みながらでないとローレットを回すことが出来なくなっています。

また、右側のライターも、一見したところは普通のライターなのですが、このままローレットをこすっても、空回りして火花が飛びません。軸の部分に工夫(※)がしてあって、押し込むことによって軸同士がかみ合うようになっているのです。

※中心のフリントの軸は五角形の凸に、ローレットの軸は五角形の穴になっており、噛み合うことによってフリントが回るようになっている。しかし、ローレットの軸の穴の方がやや大きいため、ローレットを押し込んでフリントの軸に押しつけないと噛み合わない。

ライター写真1

皆さんご存じの様に、アメリカでは、裁判で製造者責任を問われ、巨額の賠償金の支払いを命じられることがままあります。また、法規制も相当厳しくなっています。そのため、自動車からこのようなちょっとした小物まで、日本で販売しているものと比べて、フェイルセーフがしっかりしているものが多く見受けられます。

同じメーカーの製品でも、日本で販売しているものには、このようなフェイルセーフ機構が付いていないのが一般的です。確かにコストがかかるとは思いますが、グローバルスタンダードとして取り入れて欲しいものです。

日本では規制も裁判もないからフェイルセーフもなくてもいい、ってのは如何なものでしょうか?

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