写真はMicrosoft Windowsの最新版、Windows XPの終了ダイアログです。Windows95/98ではラジオボタン、WindowsME/2000ではプルダウンメニューだった、システム終了、再起動、サスペンド、休止状態といった選択が、XPではボタンになりました。「OK」ボタンを押さなくて良い分、操作は簡単になりました。

しかし残念な点もあります。ごらんの通り、各ボタンの選択状態を示す強調表示が弱く、目を凝らしてみないと違いがわからないんです。

写真1. 「スタンバイ」を選択した状態
写真2. 「電源を切る」を選択した状態
写真3. 「再起動」を選択した状態

単にデザイナーの配慮が足りなかった、とも取れますが、あれだけ「エクスペリエンス」を強調しているMicrosoftのことですから、もう少しつっこんで分析してみましょう。

原則、マウス操作を前提としているので、フォーカス表示は不要、というかむしろない方が自然なのかもしれません。キーボードで選択→リターンする場合に困りますね。マウスの場合でもポイントした場合はフォーカス表示になりますし。

同様の問題はタッチパネルのカーナビなどでも見られます。直接目的のボタンをタッチやマウスクリックで指定する場合には、あらかじめ何かしらのボタンにフォーカスされているのは不自然です。しかしカーソル移動でも選択できるようにしようと思うと、逆にどこかにはフォーカスがあたっていないと不自然です。

もしかするとこの辺りのジレンマであまり目立つフォーカスにできなかったんでしょうか?

いずれキーボード操作は上級者しかしないわけなので、最初はフォーカス無しで、カーソルキーが押されて初めて目立つフォーカスがあらわれる、なんてのはどうでしょうね?