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396. 味でマッピング!~沖縄料理店の泡盛メニュー


先日、久々に会う友人といっしょに新宿の沖縄料理店に行ったときのことです。「せっかく沖縄料理なのだから、お酒は泡盛を飲もう!」ということになりました。しかし、私はそれほど泡盛に詳しくないため、店員さんにお薦めを聞こうかなぁなどと思いながら何気なくメニューを眺めていると、裏表紙に一風変わった表現のページを見つけました。

実際のメニュー(クリックで拡大)
メニューの模式図

このメニューは、縦軸と横軸それぞれにお酒の特徴となりそうなキーワード(強い・熟しているetc.)を配置した銘柄マップになっています。例えば、私はクセの強いお酒が好きなのですが、そのような泡盛を飲みたい場合には、このマップの右上の方にある銘柄(春雨・かねやまetc.)を注文すればよいわけです。

1つ1つの銘柄について特徴やコメントが書かれているメニューはよくありますが、このメニューのように簡単に銘柄を比較できるわけではありません。なので、私のように「この銘柄が飲みたい!」といった希望が特にないお客さんにとっては、特徴を比較しながらお酒を楽しめるこの表示方法がピッタリといえそうです。さらに、お客さんがお酒の味を想像しやすそうなキーワードを軸に使っている点も、このメニューの良いポイントだと思いました。説明することが難しい『味覚』という要素を可視化したこのメニュー、飲食店メニューのニュースタイルとなるかもしれませんね。 

395. 入れたらあカン ~資源ゴミの回収ルール~


みなさんのお住まいの地域では、資源ゴミであるカンやビンの回収はどのように行われていますか?

私の住む地域では、カン・ビンの回収日になると、それぞれ専用のコンテナが用意されます。そしてコンテナに入れられたカン・ビンは、巡回してくる回収車によって運ばれていくのですが、残された2つのコンテナを見ると、置かれ方の違っていることに気が付きました。 

青:回収済(カン)  黄:未回収(ビン)

どうやら、「回収を終えたコンテナはひっくり返す」というルールのようです。

コンテナが口を上に向けていれば「まだ出してもいいよ」(黄:ビン)、下に向けていれば「もう出しちゃだめだよ」(青:カン)。回収の状態がひと目でわかります。

さらによく見ると、青いコンテナには「回収終了」のメッセージ。 

このメッセージはコンテナの底にあるため、回収が終わるまでは見えず、「回収を終えたからひっくり返す」と現れます。「行為」と「提示したい情報」がうまく連動されていますね。

ゴミ出しには時間外に出す不届き者の存在が付き物です。もしかすると、その人達に対する対抗策からこのルールは生まれたのかもしれません。それを窮屈なルールで縛るのではなく、さりげない工夫として取り入れたところがミソではないでしょうか。

いずれにせよ、ゴミ出しはただでさえ面倒なものです。それを少しでも気持ちのよいものにしてくれるこういった工夫は大歓迎です。

他の地域ではどんな工夫がされているのか、見てみたくなりました。

394. 洗面ボウルと一体になったハンドドライヤー


公共のトイレでよく見かけるようになったハンドドライヤーですが、私はあまり印象が良くありません。

大抵のハンドドライヤーは、洗面台から少し離れた場所にあるので、利用する人は手が濡れた状態でそこまで移動します。そのため手から落ちた水滴で床を汚し、滑りやすくしています。また手を差し込むタイプや受け皿が有るタイプは、それまでに吹き飛ばされた水滴が内側に残っているので、なんとなく不潔に感じてしまい、手を差し込むこと自体ためらってしまいます。

こういった良くない印象を解決したハンドドライヤーを見つけました。洗面ボウル内蔵型のハンドドライヤーです。

洗面ボウルの前面にハンドドライヤーが内蔵されています。
手前から奥に向けて風が吹き出します。

これなら手を乾かすのに移動する必要がないので、床を濡らさずに済みそうです。もちろん洗面ボウルの内側には水滴が付いていましたが、自分で水を流したばかりなので、あまり不潔には感じませんでした。

洗面ボウルにハンドドライヤーを一台ずつ内蔵するので、コストは高くなるでしょう。ただイメージを大切にする高級レストランやデパート、衛生面を重視する病院などにはニーズがありそうですね。 

393. 安全第一!残ガス排出キャップ


ある日、母に「これ、ガス抜きしておいて。」と頼まれました。

使用済みのスプレー缶

みなさんはスプレー缶をゴミ回収に出す際に、どのようにガス抜きをされていますか? 我が家では、特にガス抜き用の道具を使わず、いつもツルツルすべる缶を素手で持ち、キリで穴を開けてからゴミ回収に出しています。 よく考えてみると非常に危険を伴う作業ですね。

ですが…この缶は違います。 缶の裏面には「残ガス排出機構付き」と書かれているのです。 ガス抜きの手順はというと…

  • Step1.スプレーボタンを取り外す。
  • Step2.缶を逆さにしてキャップの中央にある、くぼみにノズルを強く押し込む。
  • Step3.シューと噴射音が完全に消えてからゴミに出す。 
ガス抜きの手順

はじめてやってみましたが、とても簡単に安全にガス抜きができました。エアゾール業界は中身排出機構(残ガス排出機構)の装着や小型化の推進を進めており、今年の春頃からこのような機構がついた商品が出回り始めたようです。 使用中に限らず、使った後の処理までトータルデザインされている、良い例だと感じました。

参考HP 社団法人日本エアゾール協会(http://www.aiaj.or.jp/) 

392. スライドドアのフールプルーフ


昨今のミニバンブームで多種多様なミニバンが発売されていますが、そのほとんどが大きな荷物を積むことや人をたくさん乗せることといったニーズに対応するために、大きく開くスライドドアを使用しています。 今回は、そんなスライドドアのちょっとした工夫についてご紹介します。

このミニバンのスライドドアは、普段は後ろいっぱいまで開きます。当たり前ですね。 

ドアを閉めた状態 ドアを開けた状態

では、こんな場合はどうでしょうか?

給油口のフタを開けて、スライドドアを開けた状態

給油口のフタが開いています。このままドアを開けてしまうとフタにぶつかってしまいそうですが、実は、フタが開いている時にはドアにストッパーが働き、写真の位置で止まるようになっています。

例えば、給油中に同乗者が「ちょっとトイレに・・・」等といった理由で不意にドアを開けてしまうようなことが考えられます。 そんな時、フタが開いているだけならドアに押されて閉まるだけで大事には至りませんが、ノズルが給油口に挿し込まれている状態だったらドアや給油口を傷めてしまいますし、何より、ガソリンを扱っている状況で不意に衝撃を受けることは思わぬ大事故にも繋がりかねません。

このように、ユーザがミスを起こすことをあらかじめ想定し、ミスを起こした時でも被害が起こらないようにする構造上の工夫を「フールプルーフ」と言います。 ドアにストッパーを設けるという、あまり気がつきにくい工夫ではありますが、給油時に働くという状況を考えれば、大事故にも繋がりかねないうっかりミスを防いでくれる大切な工夫であることが分かりますね。

参考リンク:Wikipedia内の信頼性設計の項に「フールプルーフ設計」として説明が載っています。 

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