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777. もうなくさない!? 〜空気清浄機のマグネット付きリモコン〜


写真は先日導入したDysonの空気清浄機能付き扇風機のリモコンです。なにやら湾曲しています。人間工学的に指の収まりがいいことを狙ったんでしょうか?


実はこれ、本体のトップにマグネットでこんな感じにひっつくんです。小さくてなくしやすいリモコンに定位置を与えることで紛失を減らそうということですね。さほど強いマグネットではないので、なにかが当たるだけで簡単に外れてしまう程度ですが、そうそうものが当たる位置でもないですし、手にとって使うにはこれくらい緩い方がいいということかも知れません。


ちなみに同じ欧州の家電メーカーBlurairの空気清浄機も使っていますが、こちらのリモコンにもマグネットがついています。決まった定位置はないですが、本体が金属筐体なのでどこにでも貼り付けておけます。また本体につけておくではなく冷蔵庫(最近ガラスドアの製品ばかりですが…)とか普段使う場所に置いておくのにも便利です(こちらは変にカーブしてないフラット形状なのでそれこそどこにでも付きます)。ヨーロッパでは普通なんでしょうか?

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と、思ってこちらはダイキンの機種(我が家はペットが多く、花粉症保ちもいる上に家電好きなので空気清浄機、脱臭機だらけ…)。こちらはリモコンが半分ほど収まるスロットが目立たない位置についています。AV機器やエアコンなどの大きくて多機能なリモコンと違い、空気清浄機や扇風機などの小さなものはこの手の配慮が嬉しいですね。

776. 普段は押しずらく非常時は押しやすいボタンを 〜公衆トイレの呼び出しボタン〜


写真は都内で立ち寄ったスーパーのトイレで見つけた光景です。非常時の呼び出しボタンが、惣菜やお肉の販売に使う発泡トレイでカバーされていました。小さな窓が切り抜かれていてとっても押しにくくなっています。

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この呼出ボタンは気分が悪くなった時などに係員を呼ぶためのものですが、おそらく普段から便器洗浄やお尻洗浄と間違えて押してしまう人が続出したのでしょう。トイレを長そうとして人が呼ばれてしまう場面を考えるとちょっとクスっとしていまいますが、よくよく考えてみるとこれはなかなかに難しい問題です。緊急時に押すボタンなので、押しにくくしてしまっては本末転倒です。むしろいの一番に押せなくてはなりません。火災報知器のボタンの場合、利用者の意識ははっきりしているのでフタがついてたりしてもまだなんとかなる知れませんが、トイレという場所柄、急激な血圧上昇や低下が起きやすく失神、脳卒中など重大な障害が発生するリスクが高いので、「あ、これはヤバいかも」と思った利用者が迷い無く押せる必要があります。本来はこのお手製カバーもあまり適切なものではないかも知れません。一方であまりに誤報が多ければ「狼と羊飼い少年」的に対応が遅れてしまうかも知れません。

少し検索してみると、やはりあちこちで同じ様な問題に頭を悩ませている跡が見られるようです。こちらの問答によると、倒れてしまった人が押せるよう低い位置に取り付けることで、お子さんがイタズラで押してしまうケースもあるようです。

もっと緊急性をアピールするよう赤系の色にしたりするのはどうなんでしょうね?

775. 言うべき時に言って欲しい 〜SHARPのココロエンジン搭載冷蔵庫〜


我が家の冷蔵庫はしゃべるんです。SHARP製でココロエンジンという機能です。製氷用の水タンクが空になっていると教えてくれたり、単に毎朝挨拶をしてくれたり。メッセージが貯まるとドアのランプが点灯し、その状態で冷蔵室のドアを開けるか専用ボタンにタッチするとしゃべりだします。まぁ面白い試みではありますが、実用性としては微妙で、やたら音量が大きくてびっくりすることもあって、そのうちOFFにしようと思いつつ、そのやり方も説明書をわざわざひっくり返さないとわからず放置していました。

ある朝、ドアを開けると「庫内の温度が高くなっています。冷蔵庫の状態を確認してください。」という聞き慣れないメッセージが。というかそれは一大事ですよ!実際、製氷室の氷は溶け、冷凍庫に滴っていたり、冷蔵庫も10℃以上に温度が上昇していました。そういうことはユーザがドア開けるの待ってないで即時!最大音量で!繰り返し言ってよ!って話です。中の食品がダメになったり床が水びたしになってからじゃ遅いわけですよ。「ココロ」ってそういうことじゃないんですかね、と…

ちなみに結局原因はわからず終い。現在はまた普通に冷えています。故障ではなかった模様。ドアが開いている時は「ドアが開いています」といったりピーピー警告音が鳴るはずなので、それ以外(詰め込み過ぎで吹き出し口が塞がってた?)の理由だと思いますが、そういう診断やアドバイスこそしてほしいものです。

774. 温度、風量が耳でも確認できたら、、、〜Dyson Super Sonicヘアドライヤー〜


写真は先日Dysonから発売されたヘアドライヤーSuper Sonicです。なんとも奇抜な形をしています。

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利用時はこんな感じで持ちます。柄(?)の部分の上にあるのが電源スイッチ、下の水色ドットがついているのが押している間だけ冷風になるボタンです。ピンクの色がついた部分が温度と風量のインジゲーターと調節ボタン。

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例えば風量(左)、温度(右)ともに弱くするとこんな感じでLEDが消灯していきます。右側の温度LEDは写真の具合で白く見えちゃってますが実際には赤色です。

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で、この風量と温度の操作感があまりよろしくない、というのが今回の日記。まず写真のような握りの状態から指が届きにくい位置にあります。どんな持ち方をするにせよ、一時冷風ボタンと温度/風量ボタンの両方に指が届く感じはしません。使用頻度としては一時冷風ボタンの方が高いので、結果的に風量と温度が調整しづらい。電源と一時冷風ボタンにしても人間工学的に言えば柄のこの側ではなく反対側やサイド側の方が操作しやすいです。でもデザイン的な統一感、シンメトリーでこうまとめちゃったんでしょうね。

また今、風量と温度がどんなステータスかがわかりづらい。もちろん見れば一目瞭然なんですが、ヘアドライヤーだけに頭上にかざしてるわけです。風量はまだモーター音や風量そのものでわかりますが、温度は切り替えてから実際に肌で感じられる位に変化するまで若干タイムラグがあるので、操作->肌で確認->操作->肌で確認->と無駄に時間がかかります。ちなみに操作ボタンはそれぞれに1つずつしかありませんので、動作としてサイクリック(順送り)なんですが、ちょっとトリッキーで、強->中->弱->中->強という感じで、弱から強に跳ばずに毎回“中”を経由する感じで、(若干安全かもは知れませんが)インジゲーターを見ないで脳内計算で目押しするには余計にややこしい。温度調整には強中弱に冷風も加わって4段階なのでさらに大変です。これは絶対にビープ音が鳴るようにして欲しかったです。強中弱と音の高さが変化すれば最高。5万円近くもする超高級機なんだからそれくらいケチらないでくれよと…。音程差が付けられない安い部品しか積めないとしても、例えば弱->中->強->弱パターンにして、強から弱にジャンプする時にだけ音を鳴らすような、扇風機なんかでよくある方法もあったでしょう。騒音を発するデバイスに音フィードバックは、、と思われるかも知れませんが、本機は従来の強風系ドライヤーよりも音が静かなのを売りにしているくらですし、実際そんな大音量で鳴らさなくても充分聞こえそうです。なんなら振動でも(笑)。

そもそも値段が値段なのでもしかするとあまり個人ユースは狙ってないのかも知れません。美容室などで髪を乾かされる人と本機を使う人が別視点である利用シーンを想定/優先しているとしたら色々と納得できなくもない印象。普及モデルをリリースする際には、是非もう少しお一人様利用シーンを意識したデザインにして欲しいなと思います。

773. 重要注意事項を覆い隠してしまう説明書き 〜コインランドリーの使用手順〜


先日大阪に二泊の出張があり、滞在先のホテルで洗濯をしようとセルフ式の洗濯機を利用しました。普段こういうのをあまり使ったことがないのでちょっと緊張。

通常の洗濯のメンタルモデルだと、なにはともあれフタを開けて洗濯物を放り込みますよね?実際そうしたわけですが、そこで目に付いたのがこの説明書き。なかなかいい場所に貼ってますねと感心。

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しかしそれをよく見ると、洗濯前に洗濯槽の洗浄があるので、まだ洗濯物や洗剤を入れてはいけないらしい。なるほどコインランドリーならではの機能ですね。しかし、そういう説明はフタを開ける前に目に付くところに書いて欲しかった。さっきの感心を返してくれ、、と思いつつ洗濯物を取り出す。粉洗剤を入れる前で良かった。

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で、しっかりと手順を読んで学習し、フタを閉じてコインを投入。そしてシャワーボタンを探してポチっとな(昭和40年代生まれ)。しかしなにかおかしい。水が出てきてはいるものの、左の残り時間カウントダウンが普通にスタートして、どう見ても「洗い」モードになってる。そこでようやくシャワーボタンの下の説明を見る(写真のオレンジの囲み部分)。

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そこには「硬貨投入後10秒以内に上ぶたを閉じ、シャワーボタンを押すと、30秒間洗濯槽を洗います。」とあります。え?10秒以内とかさっきのフタの裏側の説明には書いて無かったッスけども…結局始まってしまった洗いフェーズは止めることもできず(操作ボタン一切なし)、洗濯槽洗浄は諦め、わざわざ取り出した洗濯物を再び投入しました…

悔しいので詳細に分析(ダメ出し)します。10秒以内という重要な条件は、フタの裏の説明書にも書いておいて欲しかったですね。だってそのフタを開けてるとこのオレンジのゾーンは完全に隠れて見えないんですから。またオレンジのゾーンは目立っていますが実際に押せるのは左端の丸い部分のみ。ボタンであることの強調と、重要事項が書いてあるという強調が一緒くたになっていることで、ボタンが探しにくくなっている気がします。「洗濯槽シャワーボタン」と「シャワーボタン」のように実際のボタンラベルと説明書きでの表記が食い違っているのも一瞬の迷いを生みます。またフタ裏の手順説明もレイアウト的に色々問題があります。大きく1、2、3と順序ラベルがついているのに、なぜかその下階層にも①、②、③と順序ラベルがあり、1の下に①、②、2の下に③と恣意的なナンバリングルールになっています。1階層目いらないんじゃないですかね?ここで目立たせるべきはユーザの操作手順(①〜③)の方でしょう。また③のシャワーボタンを押すという操作をすると水が出始めるわけですが、その下にある「・」で始まる箇条書きに、「洗濯物・洗剤は入れないでください」があります。これは先に書いて置かないと、読んだはしから操作を実行しちゃう人もいるかも知れません。また他の2つの「・」項目はシステムからのフィードバックを説明しています。同じ並びで重要な注意事項を示すべきではないでしょう。

こういう耐用年数が長い上に利用者は常に入れ替わり学習が期待できない機器では、初学者向けの説明書きが重要度が高いです。そして印刷代自体には変わりがないので、もうちょっとだけ原稿にユーザ視点を採り入れてデザインしてくれてあれば、と残念でなりません。

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