先日大阪に二泊の出張があり、滞在先のホテルで洗濯をしようとセルフ式の洗濯機を利用しました。普段こういうのをあまり使ったことがないのでちょっと緊張。
通常の洗濯のメンタルモデルだと、なにはともあれフタを開けて洗濯物を放り込みますよね?実際そうしたわけですが、そこで目に付いたのがこの説明書き。なかなかいい場所に貼ってますねと感心。
しかしそれをよく見ると、洗濯前に洗濯槽の洗浄があるので、まだ洗濯物や洗剤を入れてはいけないらしい。なるほどコインランドリーならではの機能ですね。しかし、そういう説明はフタを開ける前に目に付くところに書いて欲しかった。さっきの感心を返してくれ、、と思いつつ洗濯物を取り出す。粉洗剤を入れる前で良かった。
で、しっかりと手順を読んで学習し、フタを閉じてコインを投入。そしてシャワーボタンを探してポチっとな(昭和40年代生まれ)。しかしなにかおかしい。水が出てきてはいるものの、左の残り時間カウントダウンが普通にスタートして、どう見ても「洗い」モードになってる。そこでようやくシャワーボタンの下の説明を見る(写真のオレンジの囲み部分)。
そこには「硬貨投入後10秒以内に上ぶたを閉じ、シャワーボタンを押すと、30秒間洗濯槽を洗います。」とあります。え?10秒以内とかさっきのフタの裏側の説明には書いて無かったッスけども…結局始まってしまった洗いフェーズは止めることもできず(操作ボタン一切なし)、洗濯槽洗浄は諦め、わざわざ取り出した洗濯物を再び投入しました…
悔しいので詳細に分析(ダメ出し)します。10秒以内という重要な条件は、フタの裏の説明書にも書いておいて欲しかったですね。だってそのフタを開けてるとこのオレンジのゾーンは完全に隠れて見えないんですから。またオレンジのゾーンは目立っていますが実際に押せるのは左端の丸い部分のみ。ボタンであることの強調と、重要事項が書いてあるという強調が一緒くたになっていることで、ボタンが探しにくくなっている気がします。「洗濯槽シャワーボタン」と「シャワーボタン」のように実際のボタンラベルと説明書きでの表記が食い違っているのも一瞬の迷いを生みます。またフタ裏の手順説明もレイアウト的に色々問題があります。大きく1、2、3と順序ラベルがついているのに、なぜかその下階層にも①、②、③と順序ラベルがあり、1の下に①、②、2の下に③と恣意的なナンバリングルールになっています。1階層目いらないんじゃないですかね?ここで目立たせるべきはユーザの操作手順(①〜③)の方でしょう。また③のシャワーボタンを押すという操作をすると水が出始めるわけですが、その下にある「・」で始まる箇条書きに、「洗濯物・洗剤は入れないでください」があります。これは先に書いて置かないと、読んだはしから操作を実行しちゃう人もいるかも知れません。また他の2つの「・」項目はシステムからのフィードバックを説明しています。同じ並びで重要な注意事項を示すべきではないでしょう。
こういう耐用年数が長い上に利用者は常に入れ替わり学習が期待できない機器では、初学者向けの説明書きが重要度が高いです。そして印刷代自体には変わりがないので、もうちょっとだけ原稿にユーザ視点を採り入れてデザインしてくれてあれば、と残念でなりません。