カテゴリー: 公共、住宅 (page 7 of 53)

699. 中空での手の上下動がしんどい ~回転寿司の注文端末~


スシローの注文端末。自分の手が邪魔でメニューが見えない…

写真は回転寿司のスシローの注文端末です。写真のように指でタッチして使うタッチパネル式になっています。ちょうど人差し指が指している辺りがカテゴリーボタン群になっていますが、これの配置がとっても使いづらくて不満だったのでご紹介。

実際の利用場面では、各カテゴリの下に属する個別の商品を探しており、それが見付かるまでは、いくつものカテゴリを行き来することになります。とくに目的の商品が決まっていない時などは全てのカテゴリを順に開いていくということもあるでしょう。その時、押したボタンや次に押すボタンに指をかけた写真のような状態だと肝心の商品情報が見えません。結果として何度も腕を上げ下げしなければなりません。「それくらいで文句たれるとかどんだけ体力ないんだよ」とお叱りを受けるかもしれませんが(笑)、実際やってみるとこの端末自体の高さも微妙に高い場所にあり結構疲れます。回転寿司なので子供やお年寄りだって使います。まぁ、それがどれだけの負担かは個々人に依存するとして、少なくともこのカテゴリ一覧のナビゲーションエリアと個別商品のエリアを上下逆にするだけで解決し、コストデメリットなども特にないんではないかと。下側にあってくれれば、画面の縁に他の指をひっかけて楽することもできますしね。

いかがでしょう、次のシステム更新の時は是非ご一考くだだければと。>スシローさん

同日補足:
競合くら寿司の新型端末も同様なレイアウト

この記事を書いたあとで“くら寿司”に行ったら端末がiPadベースのものに刷新されていました。が、やはりタブが上側に…。GUIやWebデザインの世界では、「人の目線は左上から流れているくのでナビゲーション等重要情報はそちらに置く」みたいな原則があって、それに機械的に従っちゃったんですかね。原則は原則でしかなくて、こういう限られた画面サイズ/コンテンツでは必ずしもこだわる必要はないと思うんですけどね(実際、スマートフォンやタブレット端末のGUIではタブバー等のナビゲーションを画面下に配置する例も多いです)。

697. ある意味一番直接的なレーン表示


色々バタバタして大変間が空いてしまいましたが、どうにか一段落してきたのでたまっていたネタを放出していきたいと思います。

写真は愛知県豊橋市で撮った交差点です。運転しながら気付いて「おっ!?」と思ったので、慌てて近くの駐車場に車を止め、撮影する為に歩道橋に駆け上がりました。なんと車線毎にアスファルトが塗り分けられています。右折レーンがブルー、直進可能な車線はピンク、左折のみの車線は着色無し、というルールなんですかね?案内標識やカーナビのレーン案内表示よりもずっと直観的で気付きやすいと思いました。路面の矢印表示は交通量が多いとなかなか見えなかったりしますしね。

カラーユニバーサルデザイン的には微妙な配色(ある種の色弱者の人には見分けにくい)かも知れないですが、どういう経緯でこの色に決まったんでしょうね。夜間の視認性やコスト、退色しにくさといった要因も考慮してのことなんでしょうか。検索してみた感じ他の地方でも同じ配色のようなので全国統一のルールとしては策定されているみたいです。右=ブルー、直進=ピンクというルール自体は恣意的ですが、ちゃんと統一されて教習所とまでも教えてドライバーの身についていればこれほど気付きやすい提示方法もないんじゃないかと思います。全国でやろうと思ったら某大なコストがかかるんだろうと思いますが、レーン構成がトリッキーな交差点などは率先して採用してくれるといいなぁ。

687. 新東名で見つけたインターフェイス


少し遅くなってしまいましたが連休ネタ2弾目。帰省に際し、せっかくだからと4月に開通した新東名を使ってみました。そこで見つけたインターフェイス・デザインを2点ほど紹介。

新東名の無人精算機のモック

1つ目はこちら。新東名では料金所が完全無人化されていて、ETC非装着車も全て無人ゲートを利用することになります。機械の苦手な人が困ってしまうこともあるでしょう。後ろには次々と後続車が並びますから時間圧も高いですしね。写真のものは実はニセモノ。少しわかりにくいですが、ただの箱に引き延ばした写真が貼ってあるだけです。場所はサービスエリアの一角。ここで落ち着いてよくレイアウトなどを確認しイメージトレーニングをしておくと本番で慌てなくて済む、という訳ですね。なかなか良い工夫ではないでしょうか。

ちなみにそれでもどうにもならなくなった時はテレビ電話システムでセンターのオペレーターの人と通話することもできるみたいですよ。障害者手帳を見せて割引きを受ける場合などもすべてカメラ越しのやりとりになるそうです。

新東名トンネル内の非常口サイン

2つ目はこちら。トンネルの中に点在する非常口です。巨大なピクトグラムが非常口を挟む形で描かれています。遠目にもかなり目立っていてわかりやすいなと思いました。

道路以外にも色々進化してますね。

679. あえて入れにくくしてあるゴミ箱


先日自動販売機の脇に写真のような空き缶、ペットボトル用ゴミ箱を見つけました。ちょっと変わったフタがついていますね。空き缶やペットボトルを入れる穴が上面ではなく側面についています。どうしてこんな形をしてるのでしょう?

私の仮説はこうです。

  1. あえて目に付く場所に穴を開けず、かわりに分別表示ラベルを目立たせることで、分別率を上げる
  2. 遠投(されて外れてもそのまま放置されること)を抑制
  3. 雨が溜まりにくい(この例では屋内設置でしたが)

等。2.,3.はまぁオマケというかこじつけかも知れません(こんな水が溜まっても抜けず、強風で簡単に飛んでしまいそうなのは屋外には置かないですかね)。おそらく1.が主目的ではないかと。また穴の位置とは関係ないですが、上面が斜めになっていることで荷物等を置けなくして忘れ物を防ぐ意図もあるかも知れません。

自然に効率的に使えることを最優先するのではなく、使う時に一瞬だけ立ち止まって考えさせる(認知科学の世界ではこれを「内省」と言います)デザインはそのバランスが難しいのですが、このゴミ箱はなかなか上手にできていると思いました。

実際の分別率がどうかフタを開けて中を覗いてみなかったことを後悔しています。

678. うっかりミスをエコにガード 〜バスの運転席で見つけた工夫


先日かなり久しぶりにバスに乗りました(東急の路線バス)。たまたま運転席のすぐ後ろの席に座ったので、メカ好きな私は運転席をガン見していたワケですが、そこで写真のようなものを見つけました。どう見てもペットボトルのキャップが取り付けられています。穴をあけてレバーに通してあります。イタズラでしょうか?飾りでしょうか?

あれ?なんか見慣れた物が? アップ

更に寄って見てみると、どうやらこのボックスは運転手さんの声を車内に流すPA操作に関するもののようです。上面の黒いレバーは「スピーカー」と書かれており運転手さんが停留所の案内をする度にせわしなくON/OFFしています。手前(運転手さん側)奥の黒いツマミが「音量」で、問題のペットボトルキャップがついているレバーが「電源」であるというのが読み取れました。なるほど、どうやらこのキャップは、うっかり肘などが当たって電源が切れてしまうのを防ぐ為に取り付けられているようです。エコですね(笑)。そう考えると元々のこの操作ボックスのデザインも取り付け位置もあまり考えられていないなという気がしてきます。停留所毎(あるいはそれ以上)に頻繁に操作をするのに、この位置、レバーの向きは適しているとも言えそうにありません。

残念ながら運転中も停留所停車中の運転手さんに話しかけられそうなタイミングを見つけられず聞き取りは叶いませんでしたが、これが東急バス全体のワークアラウンド(応急手当)なのか、この運転手さん個人の創意工夫なのか、はたまた一人前の運転手さんは皆ポケットに穴の空いたペットボトルキャップをじゃらじゃら持ち歩いてるものなのか気になりますね。

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