カテゴリー: 自動車 (page 10 of 11)

155. カーナビの操作仕様とユーザの気持ちのズレ


趣味に仕事に、色々なメーカーのカーナビを触る機会があるのですが、多くの製品に共通のちょっとした不満点があります。

それは複数の目的地の指定方法です。普通、人は走行プランを特別な理由がない限り現在位置から近い順に組み立てます(よね?)。ところが、カーナビでは基本的に最終目的地を指定し、現在位置からのルートを設定し、それに対して「立ち寄り地点」という形で追加していく、という手順になります。立ち寄り地点同士の順序(立ち寄り順)は後から入れ替えできることが多いですが、最終目的地だけは特別扱いで入れ替えができないことが多いです(知ってる範囲で全てかも)。

ユーザが思い描く走行プランを入力していく、というイメージのインタラクション設計ができたらと思います。

細かい話ですが、こういう小さい積み重ねが製品の使いやすさに影響すると思います。

もちろん、更にもう一歩進めて、行き先を全て入力すると、最適巡回ルートを導き出してくれれば言うこと無し(^^)/。メーカーさん、頑張ってください!

134. 運転中表示の視認性の難しさ~カーナビの例


カーナビの画面写真。脇道の進入禁止標識がこっちを向いている。

写真はσ(^^)の愛用のカーナビの交差点案内の画面です。右上の赤丸が指すように、左の道が一方通行のため進入禁止なんですが、σ(^^)はこの画面を見ると、いつも一瞬直進方向が進入禁止なんじゃないかと焦ります。よーく見ると、ちゃんと脇道から標識が生えてるんですが、3D表示で奥から手前に近づいてくると、どうしても進行方向の情報のように思えてしまいます。また、普通脇道の標識はこっち向いてませんし。

ただ、じゃぁどうしたらいいじゃん、とか代案は浮かばないんですよね。本来進むべき道以外の情報なんで、ノイズといえばノイズなんですが、時々ナビの案内に逆らって進むこともあるので、無いのも困るし。標識がちゃんと現実の向きに即して描かれるといいのかも知れませんが、現状の描画能力(解像度)だとちょっと難しいかも知れません。通常の2D画面のように、道路自体に矢印が入ってるカンジですかね。

いずれにせよ、運転中にあまり情報提示過多になるのは安全上問題があります。難しいですね。

2002/3/12日補足

reimyさんから、写真右上に映ってるような青標識にしては、とご意見をいただき
ました。アプローチする方向によって表示する矢印の向きも変えないとならないので、
処理の負荷は高いんでしょうけど、確かに現実の標識に近い方がわかりやすい面はあり
ますね。その場合は本線上から生やす必要があるでしょうね。
 ただ認知負荷的なことを考えると、「OKな事柄のリスト」からNGな事柄を推論するよ
り、「NGな事柄」を直接与えた方が、頭の中の処理は単純で済むというのはあります
。一長一短ですね。
 ちなみに、このナビ一式、先週車上荒らしに盗られました(泣)。AVIC-H09とTV-W08で、付属品が一切欠品といったアヤシいオークション物件など見かけましたら御一報下さい。マジで。

108. 意図のわからない操作手順説明


インターフェイスやマニュアルの世界で、操作説明にその意味や解説を含めるべきかどうかという問題があります。

単に「ここで決定ボタンを押してください」というように操作内容だけを表示する手続き型の表示は、確かにシンプルで、その場ではユーザの混乱を招きにくいのですが、いざ何か問題がおこった時に、タスクの意味がわかっていないと対処が難しくなってしまいます。

背景知識を植え付けるような表示にすべきかどうかは、ケースバイケースなので一概には言えませんが、以下はσ(^^)がしばらく意味を理解できなった事例です。

前向き駐車厳守

写真は、近所のヤマダ電機の駐車場にある看板です。良く目にする内容ですよね。でも何故バックで入れたらいけないのか、しばらく疑問でした。視界の悪さは車を出す時の方が上なので、出る時に負担の低い後ろ向き駐車の方が安全面ではメリットが多いと思うんですが、それでも前向き駐車を強要するに足る理由とは?

正解は、排ガスで植木が傷まないように、とのことです。

緑化そのものは大いに結構ですが、わざわざ危険度上げ
てまでこんなとこに植木植えんでも、という気もしますね。植木植えて、しかも看板ま
で立てて「緑を大切してます」って企業イメージを自作自演したいだけに見える。

お次は男性しかわからない事例で恐縮ですが、よく駅のトイレで見かける「お願い、もう一歩前へ!」ってヤツ。後付けでテプラなんかで貼られてますよね。アレも最初見た時には全く意味がわかりませんでした。これはやや離れ気味で用を足す人が床を汚してしまうからだそうです。せめて「トイレの清潔化にご協力を」とか書き足してあればわかるんですが。確かに「もう一歩前へ!」とだけ書いてあるのは読み手に負担もかけなくていいんですが、意味がわからない人は結局従ってくれないですよね。相対的に一歩前に出ることが大事なんじゃなくて、滴が下に落ちないところまで近寄るのが目的なワケですし。

下の写真はとある社員用トイレです。ちょっとわかりにくいですが、便器の前の黒いのは起毛のカーペットです。

トイレの前にカーペットの図

これはアフォーダンスによる制約を上手に利用していると思います。タイルの床に比べて布のカーペットの方が濡らしたり汚したりするのに罪悪感大きいですもんね。難点は実際に汚されちゃった場合のダメージがデカいってことでしょうか。ただこの例は発想の転換で必ずしも文字ラベル以外で意図を伝えることができるということを示していると言えます。

2001年8月6日 補足
よしぞうさんからコメントいただきました。「そもそも”前向き”ってどっちを向いて停めることなのか悩むことがある」とのことです。確かに通路側を向いてバックで駐車するのも「前向き」というふうに取れますよね。

2001年8月21日 補足
宮地さんからコメントいただきました。植木の保護以外にも、この柵の向こうの民家
などへの排ガス、騒音の配慮や、バックしすぎて突っ込んでしまう事故の回避などの理
由もあるそうです。植木自体がそのために距離をおいたり、排ガスを(多少なりとも)吸収させたりという目的で設置されたりするそうです。

69. もうすぐバス停にバスがくる!


ある日、友人と表参道で買い物をしていました。その後、Q-FRONT(渋谷駅前にある大型スクリーンが特徴のビル)で浜崎あゆみのCDを買うため渋谷駅前まで行かなければなりませんでした。行く手段は、徒歩かバスのどちらかでしたが、大変疲れていたのでバスで行くことにしました。ということでバス停まで来たときのことでした。

東京のバスをあまり利用したことがない私は「待ってればすぐ来るだろう」と時刻表を気にせずにバス停に並んでいました。よく見ると写真のような案内表示があることに気がつきました。「なんだこのバスの絵?」

バス停の案内表示

小、中、大サイズのそれぞれのバスアイコンと「当停留所」表示の間に矢印が点滅します。私たちが最初に並んでいるとき、小と中のバスアイコンの間にあった矢印の点滅が、しばらくして中と大のバスアイコンの間に移ったときは、「おっ、だんだん近づいているな」と、疲れているせいもあったのか少し嬉しくなりました。

いろいろ考え方はあると思いますが、私はバスが確実に近づいていることを直感的に知らせることによって利用者の不安やイライラなどの心理的負荷を軽減させる効果があるのではないかと思いました。

関連ページ
『30. 信号待ち〜より良いインジケータの提案 』

32. バスのアイドリングストップ中の出来事


私は仙台に住んでいたとき、よくバスを利用していました。最近環境問題がさけばれている中で、仙台市の市バスにもその目が向けられるようになりました。それは、「アイドリングストップ」です。

赤信号になるとエンジンを切って、排気ガスが出るのを抑えようというすばらしい考え(いろいろな意見もあるようですが)だと思います。

私がはじめてアイドリングストップバスに乗ったときのことです。アイドリングストップバスということを知らずに山を下っていき、街中に入り信号待ちをしていました。すると突然、バスが止まりました。タイヤもエンジンも。

そのとき、車内はシーン。。。

「ガス欠?故障?」と思いましたが。何の説明もなく約1分後、青信号になる前にエンジンがかかり、普通に走り出しました。

私が故障?と不安に陥った十数秒。なぜ不安になったのでしょうか。

普段つねに揺れている車内、エンジンの音、これらはいつも気にしていないけれども急になくなると不安になります。こんな経験考えると結構あるんじゃないでしょうか。普段気にしてないけどなくなると逆に気になるもの。

それにしても、アイドリングストップは良いことだと思いますが、あの車内の静けさってなんだか逆に、気持ちが落ち着かないものですね。

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