この日記を書いている日、AppleのiPhone/iPad/iPod touch向けのOSがバージョンアップし5.1となりました。その目立った変更点としてロック画面でのカメラ呼び出しがあります。従来(iOS5)はロック画面の状態でホーム(□)ボタンを素早く二度押しすることでカメラアイコンが出現し、そこから直接カメラアプリに遷移することができました。これは使いこなすと非常に便利なショートカットなのですが、見た目に手がかりがないので知らない人は知らないままになりがちという点が難点です。そこでiOS5.1では下の様にロック画面の右下に常時出しっ放しになったのです。しかし短押し(タップ)で誤反応してしまってはロック画面の意味がないので、実際にはここを押さえて上にフリックしてロック画面を追い出す様にする必要があります。面白いのはその誘導です。単に上向き矢印を描いておく手もあったんでしょうがAppleはそんなのカッコ悪い!と思ったんでしょうか。実際の動きを動画にしてみましたのでご覧下さい。

大抵の人はとりあえず短押ししてみるだろうと見越して、それに対しロック画面が上にぴょこんと跳ねるアニメーションを入れたのです。跳ねた向こうにカメラアプリが見えます。見事ですね。

実は時を同じくしてこの作法を導入した製品があります。今年末頃に発売が予定されているMicrosoftの次期OS、Windows8です。こちらは従来のログオン画面の上に時計入りのフォトフレーム的なスクリーンを置き、未使用時は綺麗な写真を待受画面的に表示しておくことができるようになります。このスクリーンを除けてログオン画面に辿り着くのに、上記のiPhone/iPod touchのロック画面と同じ上フリックなのですが、やはりクリックした時に一瞬ぴょこんと跳ねて後ろが見えるのです。

注:動画中に見えるオレンジの円はマウスクリックを示しています

他にも似たような工夫として、Android端末の通知領域を下スワイプで引き出せることを、画面上部のタッチ時に先頭部分をチラ見せするといったものがあります。タッチUIのジェスチャーは目に見える手がかりがなく知らないと永遠に気付けないのが難点です。こうした工夫でフォローするのは大切ですね。