昨日母(60代)が2年使った携帯電話からiPhone4Sに機種変更しました。シニア向け製品開発をしている方の参考に、その導入時の様子をレポートしてみます。iOSに馴染みがない方にはあまりピンと来ないかも知れませんがご容赦下さい。

母の予備リテラシとして、iPod touchとiPadは一年以上使用。iPadのHuluで毎晩映画を観ています。ただしメールなど文字入力はほとんどしていません。そもそも従来の携帯電話でもあんまりしてなかったです。こちらからの連絡に対し、ただ一文字サムアップの絵文字(了解の意味らしい)を返すだけなんてのが大半。パケット定額も使ってない。ただ通話料がかさむので、今回スマートフォンにして割安通話サービスで節約しようという狙い。でiOSは慣れてるし、他の家族が全員iPhoneなので何かわからないことはすぐ聞けていいだろうということでiPhoneに。いざとなったら音声でもメール打てるよ、と。というか、某シンプルスマフォはデザインが気に入らないと却下(笑)。

■タップ

片手で持ってその親指でタッチしようとするので指の腹の部分でで触ってしまいがちで狙ったとこが押せない。で、何度か失敗すると今度は慎重に爪先で押そうとしてこれまた反応しない。慣れるまで横着せず人差し指で正面から押すようにと言ってみています。

■文字入力

今まで使っていたマルチタッチ式が、iOSでは強制タイムアウト式なので、「え」と打つのにとりあえず3回押し「う」が出たのを見て「あと1回やね」とかいってるともうダメ。「うあ」になってしまう。タイムアウトはOFFにできないので、スパルタでマルチタッチ設定をオフにしてフリックに慣れるよう指導中。

最初は長押しで十字ガイドが出た後で、指を一度離して上下左右の候補をタップしようとしてたりもしたけど、そこは覚えた模様。

■文字サイズなど

一番喜んだのは「計算機」(笑)。結果出力部分の文字の大きさに感激してました。
どのみち老眼鏡は必須なので表示的に読めないことはないみたいで、上記のボタンの小ささの方が問題のようです。ユニバーサル設定で三本指タップすると拡大できるようにはしたけど活用されておらず。

■Siri、ディクテーション

文字入力が大変ならばとディクテーションも並行して練習しているけど、

  1. マイクボタン
  2. しゃべる
  3. 完了ボタン

というステップがなかなか覚えきれず、1.の前にいきなりしゃべりだしたり、3.を押さないで「…あれ?でないじゃん?」とか言ってそれも認識されちゃうw。脳と口が直結しているオバチャン属性の人には難しいところですかね(^^;)。1.を押せば「聞いてるよ」というフィードバックはあるものの、逆に押す前に「聞いてないよ」というフィードバックはないですからねぇ。聞いてる時の様子を覚えて、それ以外の時はしゃべっても無駄ということを理解していってもらうしかないですね。

そして多いのが3.の代わりにホームボタンを押してアプリを終了してしまうケース。これが一番切ない。しゃべった内容が全てパーです。

あとこれはシニアに限らないんですが、認識が上手くいかないと、言い直す時に無駄に大声にしたり口を近づけたり、「れーんーしゅーうー!」とか区切ってみたりしてますます認識しなくなっていくパターン。人間相手に話す時と「明瞭さ」の基準がちょっと違うのが難しいところですね。

■その他

スリープ状態で画面が消えてるとメールも電話も待ち受けてない(電源が切れてる)と思っていたようです。ずっとロック画面を出しておくのはどうすればいいのか聞かれて、理由を聞いたらそういうことでした。

なかなかに前途多難ですがゴールデンウィークで帰省している間に基本的な操作はできるようしてあげたいところです。

P.S.

本記事は社内チェックの関係でゴールデンウィーク明けの掲載になってしまいましたが、その間の経過を補足すると、

  • フリック入力は馴染めずQWERTY一本で行くことに。
  • Siriはだいぶ慣れてきたものの、話し終わった後に完了ボタンを押さなくていいSiriと押さなければならないディクテーションで混乱が見られる。
  • スクロールでスワイプする時、指をしっかり触れさせず弾くように操作してしまう為、タップと誤認識されてしまう。電話アプリでは発信されてしまうこともあるので致命的。しっかり押さえて動かす様に指導。

という感じです。