朝、最寄りの駅に着いてみたら列車が大幅に遅れている…。列車で通勤通学をしている人なら、年に一度や二度はそのような状況を経験したことがあるのではないでしょうか。私が普段利用している駅では、こうした運行に関する情報を、下の写真のような表示器によって知らせてくれます。

(図1)文章による情報がテロップのように流れる

この表示器を見れば、現在の運行状況を把握することができるので、乗車前に確認するように心がけています。しかし、列車に乗ろうというタイミングで、パッと見た瞬間には殆どの情報が隠れてしまっていて、なかなか立ち止まって全部読む気にはならないのが正直なところです。

一方、下の写真はJR新宿駅の改札口付近に設置されている、列車の運行情報を表示するディスプレイです。(

(図2)JR線の運行情報を知らせるディスプレイ

運行情報を文章ではなく、路線名と状況、原因などを単語と図で表し、ひとつの事象に対する情報が1画面にまとめて表示されています。
このディスプレイでは、文字情報だけでは伝えきれなかった様々な情報までも路線図に照らし合わせて伝えることができます。乗客は、トラブルの原因となっている場所や迂回方法の確認を迅速かつ的確に把握できるため、急な事態による不安やイライラも軽減してくれそうですね。

こうした屋外・店頭・交通機関など、あらゆる場所でネットワークに接続した電子的な表示機器を使って、その場所・時機にマッチした情報を流せる仕組みのことを「デジタルサイネージ」と呼びます。ディスプレイの発展や通信インフラの整備などを背景に、普及が進んでいます。今後は、デジタルサイネージを利用する人たちがより求めるコンテンツを提供することが重要になってくるでしょう。