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642. 揺れる車内でもトイレはキレイに


男性用のトイレでは近年、「狙いを定めるマーク」の導入が着々と普及しています。これは、用を足す利用者がなぜか思わず狙ってしまうという心理を活用し、飛散や手前に零れるといった事故を防ぐことで、床や壁などの美化に効果が期待できるものです。

最近では男性用のトイレだけでなく、洋式便器でレーザポイントを使ったマークの紹介を先日の日記でも取り上げられていました。
533. 洋式便座に “ロックオン”~ターゲットポイントが付いている洋式便座~

このマーク自体、実は着々と進化していて、たとえば、ピストルの射撃を行うためのマトの形や蝿の形をしたマークなど、狙ってしまう効果を高める様々な工夫がされています。

私が先日、東海道新幹線のN700系に乗車したとき見かけたマークは、さらに進化していました。

三角形が3つ並んだターゲットマーク

一見、なんてことのない普通の三角形ですが、なんと、当たるとだんだん色が変ってきます。

変化の状況をイラストで表現してみました

当たっていることは行く末を見ればわかるのですが、フィードバックが搭載されたことで、「最後の一滴までこの的に当てよう」という気が増してきました。
揺れる新幹線の中では気を抜くと外れそうになることもありますが、この色が変わるマークのおかげで、ゲーム感覚で命中率が上がり、きれいなトイレへの貢献ができそうです。

ちなみに、使用後に水が流れると色が戻るので、また次の利用者も同じ気持ちで使えます。

641. 洗濯終了を電話でお知らせ!気が利くコインランドリー


季節の変わり目を感じるこの頃。
我が家も衣替えすべく、天気が良い週末にシーツや毛布をまとめて洗濯しようと思い立ちました。ところが、毛布などを家の洗濯機で一度に何枚も洗うと、私のマンションの狭いベランダでは干すスペースがとても足りません。そこで、近所にあるコインランドリーで、洗濯と乾燥をすることにしました。

大量の洗濯物をかついでコインランドリーに行ってみると、洗濯機の本体になにやら見慣れないテンキーが付いています。

本体前面のテンキー

説明書きによると、洗濯開始時にテンキーに電話番号を入力しておけば、洗濯終了を入力した番号まで知らせてくれるというのです!洗濯が終わるまで、コインランドリーで時間を潰そうと思っていたのですが、これは便利な機能だと思い、自分の番号を入力して一旦帰宅することにしました。自宅で衣替え作業に没頭していると、そこに洗濯終了を知らせる電話がかかってきました。

洗濯機に所要時間が表示されていて、いつ頃終わるか大体分かっていたのですが、この気が利くお知らせのおかげで終了直前まで作業を続けられ、洗濯物も終了後すぐに回収できたのです。無駄になるはずだった時間を有効に使い、面倒な衣替えを効率的に終わらせることができました。

ちなみに、入力した番号の取り扱いについて少し気になったので、後日メーカーの方に確認したところ、電話番号は終了通知時にテンキー上部の液晶に表示されることも無く、すぐにメモリから消去されるそうで、個人情報の取り扱いにも配慮がされています。

640. 開封するまで読めない説明書き ~ハンディモップのパッケージ~


新しい季節を気持ちよく迎えたいと思い、ハンディモップを購入しました。さっそく使ってみようとパッケージから取り出したところ、台紙のおもて面に「この容器は入れ物として使えます」という表示が目に留まりました。どうやらパッケージ自体がケースにもなるようで、台紙を切り抜けば、使い終わった後に再び収納することができるのです。

元のケースがそのまま使えるって気が利いているなあと思ったのですが、よくよく考えてみると、この表記は開封するまでモップの陰に隠れて読むことが出来ません。また改めて台紙のうら面を見てみましたが、パッケージの再利用に関する説明書きは見あたりませんでした。これでは、せっかちな人は開封時に台紙を破いてしまうかもしれません。

台紙のおもて面 台紙うら面
開封前はモップに隠れて説明書きが見えません

もちろん、入れ物として再利用できなくなったとしても、モップの機能には何ら影響はありません。そもそも見た目を気にして、このような使い方をしないという人もいるでしょう。そうは言っても、せっかくの工夫です。もう少し目に付きやすいところに表記があれば、台紙を破ってしまわないようユーザも気をつけることができますね。

どんなに素晴らしい工夫を施したとしても、ユーザにきちんと伝わらなければ、台無しになってしまいます。作り手側の意図することを分かりやすく伝える工夫もデザインしなければならないと再認識させられました。

639. 6cmが5g 見て分かるラードの重さ


こんにちは。休日にお菓子を作って自分で食べる30代男性、ササキです。

先日、胡麻団子を作ろうと思い、皮への風味付けのためにチューブ入りのラードを購入したところ、外袋に下の写真のような表示がありました。

外袋の裏面に図記載 6cmで 5gだそうです

実際にラードを搾り出してみると、熱を通さない状態では固形に近く、チューブからは固い棒状となって出てきます。料理という、時には手早さが求められる状況や、硬いうえに触るとベトベトしてしまうラードの性質を考慮すると、皿秤に載せるなどして重さを量るのはなかなか厄介なものです。その点、重さという尺度を長さという尺度に置き換えて、見た目で分量を分からせるというのは、良い計量方法だなあと感心しました。

ただし、【6cmで5g】だとすると、胡麻団子に必要な13gは何cmなのか…?と一瞬頭を悩ませてしまったので、【1cm→1g】というような単純な比率になっていると、もっと使い勝手は良いのではないかと思いました。また、【1cm=チューブキャップの高さと同等】のように、尺度にその場で参照できる基準が用意されていると、わざわざ定規などで測るなどしなくても、目測よりも正確な計量ができて安心できますね。

ちなみに、胡麻団子は大成功で、おいしかったです。

638. かゆいところに手の届く、新幹線のテーブルストッパー


仕事で東海道新幹線N700系に乗ったときのことです。お昼時だったので、大好きな駅弁を買ってから乗り込みました。

席についたら上着を脱いでリラックスしようとしたのですが、駅弁の袋を持ったままでは、簡単に脱げません。ひとまずその袋を置こうかと周囲を見渡したのですが、テーブルを出しては上着が脱ぎにくいし、ひざの上では安定しないので危険です。他に無いかと探していると、テーブルストッパーに目がとまりました。引っ掛けられそうだなぁ・・・と半信半疑で袋を掛けてみると、すんなり掛けることができたのです(写真1)。

写真1.N700系のフック

おかげですぐに上着を脱ぐことができ、おいしく駅弁を食べることができました。

ところで、この便利なテーブルストッパーの“フック”について、以前も存在したのか1つ前の新幹線700系を調べてみました。

まず700系は、分かりにくいですがストッパーの両端に“フック”があります(写真2)。ストッパーの上下が入れ替わっても使えるのですが、『引っ掛けられる』ことが分かりにくい形状になっています。実際私も、すぐに“フック”の存在に気づくことができませんでした。

写真2.700系

一方N700系は、ストッパーの軸に“フック”があります。(写真3)そのためストッパーの向きがどんな状態でも使うことができ、“フック”も1つなのでシンプルな形をしています。

写真3.N700系

こう比べてみると、700系よりもN700系の“フック”の方が目立ち、『引っ掛けられる』ことが分かるデザインになっていますね。

今回のような『ちょっと袋を置きたい』というユーザの利用シーンに、さりげなく答えてくれた“フック”・・・とても嬉しく思います。見かけたらぜひ使ってみてください。

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