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動く歩道の手すり |
この写真に見覚えのある方はいらっしゃいますか?これは、以前の使いやすさ日記でとり上げた、動く歩道の手すりの部分です。(「174.動く歩道の手すりにドット」参照)
その日記では「なぜこんなところに白い丸印がついているのか?」という問題提起を行っています。さて、この問題を解けた方はいらっしゃったでしょうか?
今回はその答え、すなわち、丸印の役割についてご報告いたします。
……….
エスカレーターのメーカー(日立ビルシステム)へ問い合わせたところ、以下のようなお返事をいただきました。
『お問合せ頂きました手すりの印ですが、東京ビックサイトで使用している手すりが黒色のため、少し離れた所から見ると、動いているのか或いは動いていてもどちらの方向に動いているのか瞬時に判断が出来ない為、白い印を付け、動く歩道の動きが判り易くする事を目的に付けています。』
- 動いているのか
- どちらの方向に動いているのか
これらを瞬時に判断するためだったのですね。
では、なぜ「動いているか」「どちらの方向へ動いているのか」を確認する必要があるのでしょうか?メーカーの方は、“手すりが黒色のため”とおっしゃっていますが、調べていくうちに必要な理由や利用状況がわかってきました。
デパートなどで、それまで上り方向に動いていたエスカレーターが、閉店どきになると下り方向に変わることってありますよね。このように、時間帯によって動く方向を変えるエスカレーターの場合には、利用者が乗り間違えないよう、どちらに動いているのかをより分かりやすく提示する必要があります。
また、動く歩道の足場には、エスカレーターのステップのように黄色い縁取りがありません。足場は真っ黒なものが多く、動いている様子が確認しにくくなっています。これでは、利用者だけでなく施設管理者も不便に感じますよね。
このように、時間帯で方向が変わるエスカレーターや、動きが確認しにくい動く歩道などで、この手すりの効果が発揮されることがわかりました。丸印一つにもこんな役割があったのですね。
ちなみに、丸型だけでなく、ダイヤ型のものもあるようですよ。