トイレのサインです

写真をご覧ください。これは、先日とあるトイレで撮影したものです。

おそらく、強調したい部分を赤色で目立つようにしたかったのだと思いますが、今となっては、退色してしまい、逆にそこだけ字が読めなくなっています。(まあ、確かにかえって気になってしまう、という効果はありますが)

製作当初は、「注意を喚起したい」という意図だったのでしょう。また、実際目立って、効果があったと思います。しかし、残念なことに「時の流れ」というものが考慮に入れられていなかったのでしょう。

このように、ユーザビリティの検討項目は多岐にわたっており、ある検討条件で最適であるものでも、もう一つ要件が追加されただけで、たちまちその良さは色褪せてしまいます。(苦しいですね)

逆に考えると、経年変化にも留意したために、当初の注意喚起が劣ってしまうデザインも考えられるわけです。

ある条件の中で最適なデザインを検討することも、ももちろん大切ですが、条件そのものに対する視野を幅広く持つこともユーザビリティの向上には欠かせません。また、最終的にどのような条件の中でデザインを行うのか、という選択もまた重要なユーザビリティの検討要素であるといえるでしょう。