Appleの新型MacBookなど一部の最新パソコンでは、USB3.1という新規格と共に端子のコネクタがType-Cという新しいのものになりました。現時点では対応した機器、ケーブル、ハブなどの入手が難しくかえって使いづらいという面がクローズアップされがちですが、実のところこれがとても“自由”な規格で将来的にメカ音痴な人でも悩まず使える可能性を感じさせてくれます。

1. コネクタの向きを気にしない自由!

USBの歴史とともの登場した最も有名なUSBコネクタがType-Aです。パソコン側についており、USBフラッシュメモリなどもこの形状です。恐らく誰もが一度は抜き差ししたことがあり、そしてその誰もが向きを間違えてひっくり返して挿し直したことがあるアレです。イラっとしますね。USB Type-Cではあのストレスから解放されます!どっち向きでも刺さるのです。Type-Aでも一部のメーカーからどちら向きでもOKなケーブルやUSBフラッシュメモリなどが売られていますが、今度はUSB規格そのものがリバーシブルなので、最初から全製品が対応になります。

2. ケーブルの向きを気にしない自由!

本体、充電器とも同じコネクタ

本体、充電器とも同じコネクタ

従来のUSBケーブルはパソコンや充電器につなぐ側(Type-A)とプリンタやスキャナ(Type-Bなど)が別形状でした。コネクタの裏表以前にケーブルの向きを気にしなければなりませんでした。しかしType-Cではパソコン側も周辺機器側も同じです。長いケーブルをたぐって、たまたま手にとったどちらのコネクタでも目の前のポートに挿すことができます。

3. コネクタタイプを選ばない自由!

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左からUSB Type-A、Type-B、Type-C

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左からMicro-B、Mini-B

最近のUSBケーブルの役割として、パソコンと周辺機器の接続の他にスマートフォンなどのモバイル機器の充電用途が増えて来ました。あまりパソコンを使わない人はむしろUSB=充電ケーブルの一種、と思っているかも知れません。そしてモバイル機器で重要な薄さを実現する為、コネクタも技術進歩と共により薄い規格が求められてきました。数年前まではMini-USB Type-B(通称ミニB)というタイプが主流でしたね。PlayStation3のコントローラーのアレです。デジカメやHDDビデオカメラでも多く使われていました。ところがさらに薄いスマートフォンで使用する為、ここ最近はMicro-USB Type-B(通称マイクロUSB)というタイプにトレンドが移ってきました。

ガジェットがたくさんある我が家ではこれにiPhoneのLightningまで加わって引き出しや鞄の中がごちゃごちゃ。目的のケーブルを探すのに一苦労です。USB3.1+Type-Cはコネクタの薄さも通信速度も充電用としての性能も次世代規格としてかなり進んでいるので、今後何年かをかけてこれ1つにまとまっていくんじゃないかと思います。同じ充電という用途に、PS3はミニB、PS4はマイクロ、iPhoneはLightning、、なんて使い分けなくてよくなる日がそう遠くない未来に来るんじゃないでしょうか。

4. 目的毎にケーブルを選ばない自由!

この日記を書いている前日に発売された新型MacBookでは、ヘッドフォン端子以外ではこのUSB Type-Cポートが1つあるだけです。外付けHDDもLANケーブルもプロジェクターもそして充電すら、すべてここから(現時点では別売りの各種アダプタを通じて)つながります。USBケーブルが一種類にまとまるだけでなく、ディスプレイケーブル(これまたアナログRGBだのDVIだのHDMIだのありますね)も、RJ-45 LANケーブルも、いつかはType-Cコネクタのケーブル1本で済む時代が来るかも知れません(全て無線でできるようになる日の方が先かも知れませんが…)。

 

USBの”U”はユニバーサル、つまり「なんにでも使える」のUです。その名前と裏腹にすごくめんどくさいことになっていたのですが、ついにUSB 3.1とType-Cコネクタで真のユニバーサルを実現し、「誰にでも使える」ケーブルになれるのかも知れません。