「ぎゅうてい一丁!」

牛丼屋さんで食事をしていると、この様な掛け声がよく飛び交います。例に挙げた「ぎゅうてい」は「牛焼肉定食」の略ですが、他にも「牛すき鍋定食」などの似たようなメニューがあり、なんとも紛らわしく感じます。自分が店員だったら絶対間違えてしまうだろうと不安になりましたが、ふと店員さんが扱っている注文票を見ると、ひらがなで略称が書かれていることに気付きました。「なるほど、この注文票で略称が確認できるのか」と納得したのですが、なにやら印刷されている略称が部分的に太文字で書かれている様です。さて、この太文字はなんでしょうか?

注文票の略称の一部が太文字で書かれている

実はこれは、記入ミス防止の工夫らしいです。ここで使われている注文票の略称は、読み方を統一するためにひらがなで書かれています。そのため、一見して違いがわかりにくく、下手をすると間違ったメニューに印をつけてしまう恐れがあります。そこで、略称を部分的に太文字で書くことにより、判別性を高めています。

この工夫のおかげで、店員さんは「注文を受ける」「注文票に記入する」「注文を厨房へ伝える」という一連の行動の流れをスムーズに実行できます。「うまい」「やすい」「はやい」がウリの牛丼屋さんなので、注文の記入なんかに時間をかけていられません。言ってみればこの工夫は「はやさ」のための“隠し味”といったところでしょうか。