ある日の帰宅途中の出来事です。私が電車を降りて、上りエスカレーターに乗ろうとしたちょうどその時、前の人がブザーの音と共に立ち止まったのです。どうやらこの人、隣の下りてくる方に乗ろうとしてしまったみたいなのです。普段ならあまり起らない出来事。どうしてこんなことになったのでしょうか?

(写真1)エスカレーターの両脇に立つ運転方向表示灯

実はこのエスカレーター、一定時間使用しないと運転が停まる作りになっています。この時もちょうど上下両方向が停まっていたため、間違えて下りてくる方に乗ろうとしてしまったのですね。ただ、こういう事態が起らないよう、このエスカレーターには乗り口に運転方向を示す表示灯が設置されています(写真1矢印)。それでも間違えてしまったということは、きっとこの表示に気がつかなかったのでしょう。

表示灯を設置する上で重要なのは、まず表示が見えやすい位置にあるかどうか、そしてそれが分かりやすい表示であるかどうかだと思います。そう考えると、この表示灯では十分とは言えません。

そこで、発見!乗り換えのため経由した駅には、もっと分かりやすい表示灯が設置してありました。(写真2) 

(写真2)上面と正面(進行方向に矢印がアニメーション)の両方で、方向を表示する表示灯

まずは上面!例えば正面以外の方向にいる時や、すぐ側を通り正面の表示が見えない場合でも、ここに表示があれば自然と目に入ります。そして、正面の表示もより大きく、分かりやすい言葉や進行方向を表す矢印のアニメーションなど、とても目を引く作りになっています。これならば、どちらに乗るべきなのかが容易に伝わってきますよね。

伝えるべき情報を確実にユーザーに伝える。当たり前のように聞こえますが、これができていないモノって結構多いんですよね。