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471. 『エアコンの消費電力の表示


冬のある日、私は暖房にどれだけ電気代がかかっているのか気になり、部屋のエアコンの底にある消費電力の表示を見てみました。すると写真のような記載がされていて、冷房は1項目なのに対し、暖房は「暖房標準」と「暖房低温」の2項目に分かれていました。

暖房標準と暖房低温

私は「暖房低温」という表示を見て、低く温度設定をしている暖房だと思いました。さらにその定格消費電力は960Wと、「暖房標準」の460Wに比べ倍以上の数値になっていました。

このことから、「暖房低温」の状態、つまり温度をより低く設定しているほうが、より電気代がかかるのだと思いました。それ以来、違和感がありながらも高い設定温度でしばらく暖房を使っていました。部屋を思う存分暖めて省エネができるなんて、こんないいことないですよね。

しかし数日後、こんなに楽して省エネなんてありえない!と我に返った私は、「暖房標準」と「暖房低温」の意味を詳しく調べてみることにしました。すると、私が考えていたものと全く逆のものでした。

  • 暖房標準:室外の空気の温度が7℃、室内の空気の温度が20℃であるときの暖房の消費電力※
  • 暖房低温:室外の空気の温度が2℃、室内の空気の温度が20℃であるときの暖房の消費電力※

簡単にいうと、外気温に応じた消費電力のことだったのです。外が寒いほど部屋を暖めるのにより電力が必要という、ごく当たり前のことですね。これで納得し再び暖房の設定温度を下げたのですが、一時は世間の常識が信じられなくなってしまいました。

業界では標準的に使われている表示にも、ユーザにとってはこれほどまぎらわしいものがあるんですね。

※参考サイト:http://www.jraia.or.jp/product/com_aircon/jis_02.html ページ最下部の「暖房能力試験条件」に説明があります。 

470. 違う機種のマニュアルをインストールしてしまったの?~SONY DSC-T200


先日、タッチパネルで操作できるデジタルカメラSONYのDSC-T200(以下、T200)を使う機会がありました。触り慣れていないタッチパネルの機種なので、マニュアルを読みながら操作しようと思いましたが、紙のマニュアルが付属しておらず、代わりにCD-ROMの電子マニュアルをパソコンにインストールする必要がありました。そこで、CD-ROMをパソコンに入れ、案内画面に従いインストールを進めていきました。

インストールが終了し、デスクトップに追加されたショートカットのアイコンを見ると、タイトルが「DSC-T70 ハンドブック (PDF)」となっているではありませんか。

デスクトップに追加されたアイコン

私は、もう一度インストールする事にしました。その時気付いたのですが、T200のマニュアルをインストールするには、下の写真にあるプルダウンメニューで「DSC-T200」を選択する必要があったのです。

インストール画面

今回のエラーは、「付属のCD-ROMには違う機種のマニュアルは入っていないはず」という私の先入観から起きたと思います。しかし、T200の様なコンパクトタイプのデジタルカメラは、様々なユーザーが使用し、「機種名を気にせず買っているユーザー」や、私の様に「注意深く読まずにインストールしてしまうユーザー」などもいるかもしれません。もし、機種選択のプルダウンメニューが目立つデザインであったり、機種名のみを選択するウィザード画面が表示されたりすれば間違えなかったかもしれません。些細な事ですが、その様なちょっとした工夫で、ユーザーを間違えさせないインストール画面ができたのではないでしょうか。

余談ですが、T200とT70のマニュアルは、共通で使えるモノでした。 

イマニュアルの表紙

469. どっちを押せばいいの? ~分かりにくい、クルマのくもり取りスイッチ~


いきなりですが、普段クルマに乗っている方に質問です。

「クルマを運転していたら、急に雨が降ってきました。みるみるうちにフロントガラスがくもり、このままだと前が見えなくなってしまいます。さあ、あなたは(1)と(2)のどちらのボタンを押しますか?」 

SUZUKIスイフトのエアコンパネル

正解は(1)の「デフロスター」ですね。どうでしょうか?皆さんは運転中、とっさにどちらがフロントガラスのくもり取りなのか判断できますか?

私はSUZUKIスイフトスポーツに乗っていますが、ちょっと前まで(2)を押していたんです。どちらも同じような形のピクトグラム(※)だし、(2)の方が運転席に近いのでついつい手がのびてしまいます。でもくもりは全然取れない。そこではじめて間違えた!と気づくわけです。ちなみに(2)は、リアガラスのくもり取り(デフォッガー)なんですよね。

こういう体験から、他の車はどの様な表記になっているのだろう?と疑問がわいてきたので、少し調べてみました。 

NISSAN フーガの場合
TOYOTA ラウムの場合

NISSANフーガはピクトグラムの横に日本語で「前」「後」の文字表記があります。これならすぐに分かりますね。それに、ボタンの配置も実際のガラスの位置と対応付けがされています。
一方、TOYOTAラウムではカタカナですが「フロント」「リア」との表記があり、いざと言う時に必要なデフロスターの方に「くもり取り」と機能説明までされていました。

各社最近のクルマにはこういった工夫をしているものが多いようです。くもり取りのボタンは使用頻度は決して高くはありませんが、ガラスがくもった場合急な判断で押さなければならない重要なボタンです。
はたして、どういう表記がユーザーにとって一番分かりやすいのでしょうか?

※)ピクトグラム・・・・・対象の模写や概念から図的抽象化によってつくられた「絵文字」、「絵ことば」のこと。

(平凡社 現代デザイン事典より抜粋)

2008.11.21補足

読者の方から、デフロスタとデフォッガのピクトが似ているのが問題なのでは? とご意見いただきました。

実は、どちらのピクトも国内規格(JIS D 0032:2006)、国際規格(ISO 2575) にて規格化されている為、容易には変更できないというのが現状です。その為、各車写真のように日本語を表記したりして少しでも分かるように対処しているのだと思います。

468. 好みのサイズに変えられるSafariのテキストエリア


仕事柄、ユーザビリティテストの参加者を募るためのWEBアンケートをたくさん作ります。アンケートでは、自由記述で回答してもらう質問を作ることもあります。

大体これくらい書いてくれるかな、とアタリをつけてテキストエリアのサイズを決めていますが、長文の回答や一言だけの回答などいろいろあるので、サイズの設定にはいつも悩みます。

狭いテキストエリアに長文の回答を書くと、Internet Explorer(MicrosoftのWEBブラウザ)では入力した文章の途中までしか表示されないので、テキストエリアをスクロールしないと全文を確認することができません。 

Internet Explorer7のアンケート画面

Safari(AppleのWEBブラウザ)でアンケートページを表示して、同じ回答を入力してみます。

Safari(バージョン3.1)のアンケート画面1

はじめは、Internet Explorerで見るのと同じくらいのサイズで表示されていますが、テキストエリアの右下をドラッグすると、サイズを自由に変えることができるようになっているのです。

Safari(バージョン3.1)のアンケート画面2

小さいテキストエリアに書いた文章を、スクロールしながら確認するのは大変ですが、これならドラッグするだけでテキストエリアを好みの広さに調整できるので、アンケートに答えるときも作るときも負担が減る、とても親切な機能だと思いました。

467. かわいくてしかたない クレラップの「きちんとキレ窓」


お使いの方はご存知かと思いますが、「クレラップ」には使いやすくする為の工夫が盛りだくさんで、ストレス無く色々なものにラップをかけることができます。今日はその中から一押しの「きちんとキレ窓」をご紹介したいと思います。

まずラップのフタに付いているクレハちゃんを取り外し「きちんとキレ窓」を開けておきます。あとはラップを切り取る際に、本体側に印刷されたクレハちゃんの笑顔が「きちんとキレ窓」から見えるようにフタをしめて・・、クルッ!きれいにラップが切り取れます。

きちんとキレ窓とクレハちゃん
ラップを引き出しクレハちゃんが窓から見えるようにフタを閉める

「フタをしっかり閉めてからラップを切り取る」という商品を上手に使うコツをユーザーに伝えているわけなのですが、その方法がかわいらしくて魅力的ですよね。私はラップを切り取るたびに、この女の子が登場するコミカルなCMを思い出してしまい、なんだかニヤニヤしてしまいます。

使いやすさを生むアプローチは色々あると思いますが、この「きちんとキレ窓」は、テレビCMのキャラクターを活かして、使いやすさと同時に使う楽しさをユーザーに提供しています。使いやすさを実現するだけでなく、トータルとして商品の魅力を高めている良い例だと思いました。

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