冬のある日、私は暖房にどれだけ電気代がかかっているのか気になり、部屋のエアコンの底にある消費電力の表示を見てみました。すると写真のような記載がされていて、冷房は1項目なのに対し、暖房は「暖房標準」と「暖房低温」の2項目に分かれていました。
暖房標準と暖房低温 |
私は「暖房低温」という表示を見て、低く温度設定をしている暖房だと思いました。さらにその定格消費電力は960Wと、「暖房標準」の460Wに比べ倍以上の数値になっていました。
このことから、「暖房低温」の状態、つまり温度をより低く設定しているほうが、より電気代がかかるのだと思いました。それ以来、違和感がありながらも高い設定温度でしばらく暖房を使っていました。部屋を思う存分暖めて省エネができるなんて、こんないいことないですよね。
しかし数日後、こんなに楽して省エネなんてありえない!と我に返った私は、「暖房標準」と「暖房低温」の意味を詳しく調べてみることにしました。すると、私が考えていたものと全く逆のものでした。
- 暖房標準:室外の空気の温度が7℃、室内の空気の温度が20℃であるときの暖房の消費電力※
- 暖房低温:室外の空気の温度が2℃、室内の空気の温度が20℃であるときの暖房の消費電力※
簡単にいうと、外気温に応じた消費電力のことだったのです。外が寒いほど部屋を暖めるのにより電力が必要という、ごく当たり前のことですね。これで納得し再び暖房の設定温度を下げたのですが、一時は世間の常識が信じられなくなってしまいました。
業界では標準的に使われている表示にも、ユーザにとってはこれほどまぎらわしいものがあるんですね。
※参考サイト:http://www.jraia.or.jp/product/com_aircon/jis_02.html ページ最下部の「暖房能力試験条件」に説明があります。