日本郵便(郵便局)のWeb再配達受付フォームは何回使っても慣れません。今回はなんであぁも使いづらいのか真面目に考察してみたいと思います。
まずこちらがポストに入れられる不在連絡票です。こちらの情報をWebフォームに転記することでマッチングを行います、
日本郵便の不在連絡票
一般にここから読み取らなければならないのは(通常把握している自身の郵便番号を除けば)2点。「ア」の種類番号と、シールで貼られた副伝票の追跡番号またはお知らせ番号です。これを踏まえて以下のWebフォームを埋めていきます。
スクリーンショットが長くてちょっと見辛いですが、ステップ毎に追ってみましょう。
再配達依頼フォーム
1.郵便番号
そもそもなんでこれを改めて入力する必要があるんでしょうね。追跡番号やお知らせ番号で荷物が一意に絞れるのであれば、必要ない気がします。競合他社では求められない気がします。もしかすると不正防止のためのチェックデジット代わりかも知れませんが、不在票を抜き取られてる時点で郵便番号は自明な気もします。
2. 追跡番号またはお知らせ番号
荷物固有のIDとして2種類あるのが話をややこしくしています。おそらくですがもともと追跡可能なゆうパックには発送時点で追跡番号が振られるんだと思います。桁数も多く全国でユニークな(重複がない)番号です。
一方お知らせ番号は本来追跡の仕組みがない定型外郵便などがポストに入りきらずに持ち帰った場合などに配達員がその場で発番しているローカルな番号なんではないかと思います。
いずれにせよ利用者目線で区別する必然性はあまりない気がします。足りない桁を0で埋めてでも12桁の番号に欄を統一してシステム側で振り分けるとかできそうなものです(郵便番号を入れているので全国共通番号でなくても絞り込めるんじゃないかと)。
3. お届け日
これまた利用者目線では必要性がよくわからない項目です。お知らせ番号だと6桁しかないので地域によっては1日で使い切ってしまい、日付を組み合わせないと絞り込めないのかも知れません。でもだったらそれこそ6月30日->0630みたいなルールで桁増しして追跡番号と共通化してくれればいいんじゃないでしょうか。またもし追跡番号の時には必須でないのであれば、2.の選択に応じて欄自体が増減してものではと思います。
4. 郵便物等の種類
毎度ここがもっともフラストレーションがたまるところです。まず、2.では横に並んでいた追跡番号とお知らせ番号のゾーンが今度は縦に配置されています。このレイアウトだと独立した2つの欄がありそれぞれに入力を求められているように見えて、その実は2.で選んだどちらかの欄だけ入れれば良いのです。
そして毎度不思議に思うのが、何故不在連絡票では種類番号という2桁の数字で記載しているのに、フォームではその数字で入れられないどころかラベルとしても振ってないのかということです。ユーザの思考フローはこうです。
- 種類番号を読み取る
- すぐ下の一覧からその番号が何を示すか調べる(例えば75なら「上記以外」)
- フォーム上で「上記以外」を探して選択する
ここで更なる問題として「上記以外」が複数の列に4つも存在するという点があります。郵便物、ゆうパック、追跡番号とお知らせ番号それぞれの国際郵便物です。自分の荷物がどの「上記以外」に該当するのか、75という数字がどこにもないのでどうしたらわかるのでしょう?正解は不在連絡票の一番上のタイトルにある「ゆうパックご不在連絡票」から追跡番号の2列目の一番下の「上記以外」ということになります。デザインした人からすると「こんなに大きく太く書いてあるだろ?」ということかも知れません。しかし実際には位置が離れていてほぼ目に入りません。普通、こういう時に見出しに動的な情報が載っているとは思わないでしょう。
改善案としてはここも2.の番号種別を選んだ時点でまず余計な選択肢を消して欲しいです。2.で追跡番号を選んだ人からすれば、4.のお知らせ番号のゾーンはまるごとノイズでしかありません。もしかすると郵便局はちょっと前まで公的な存在だったので「あらゆるブラウザ環境に対応する為、JavaScriptなどによる動的なページ制御は使用禁止」という保守的な発注仕様だったのかも知れません。しかし現在では非対応なブラウザはほぼないですし、最悪「JavaScript非対応なら両方出しっぱなし」ということでいいんじゃないかと思います。いずれにせよ各選択肢には種類番号はいれるべきでしょう。
5.の再配送先はまぁいいかなと思います。初めてツッコミどころがない欄です。
正直最後に「次へ進む」と「ゆうびんIDを利用して登録する」も慣れない人には無駄に悩ませる要因だと思います。後者のメリットがわかりません(例えば受付内容をメールで送ってくれたりします)。私は登録済みなので習慣で後者を選んでログインして申し込みしてしまいますが、むしろユーザ登録の仕組みがあるなら先にログインさせておけば、郵便番号の入力が省けたりしそうなものです。
などなど、LINEボットなどによる依頼など野心的な取り組みをしているヤマト運輸に比べると色々と作りが古かったり気が利かなかったり周回遅れ感は否めません。月に1度は使うものなのでもっと改善に力を入れて欲しいと思います。ちなみに他社事例ではAmazonの委託で配送をするデリバリープロバイダなどもまたイケてないのですが、こちらはまた機会を改めて。