使いやすさ研究所

使いやすさ日記

628. 「100段」ってどれくらい?親切だけど、惜しい張り紙

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2010310

先日、副都心線渋谷駅の地下構内でこんな張り紙を見かけました。地上出口へと続く階段の上り口の、横の壁に張ってありました。

「この階段は地上階まで約 100段あります。」とある張り紙
階段のすぐ横には、エレベータがあります。

なるほど。上をのぞいてみるとこの階段には踊り場がいくつもあり、見通しが利きません。きっとこれは、「上りはじめたはいいが思いのほか地上まで遠く、エレベータを使えばよかったと後悔する」という事態を防ぐために、親切な駅員さんが張ってくださった張り紙なのでしょう。なかなか気が利いていると思います。

しかし、この張り紙を見た私は、「約100段」がどのくらい過酷な段数なのか、具体的にイメージすることができませんでした。結局、「そう辛いものでもないだろう」と甘く見て上ってしまい、やはり途中で後悔しました。この過酷さを事前に想像できていれば、迷いなくエレベータを使ったことでしょう…。

例えば、「ビルの5階分くらい」というような表現を追加してみるのはいかがでしょう。あまり正確な表現ではありませんが、こちらの方が自宅や職場の階段を上るときのいつもの感覚と比較しやすく、「100段」と言われるよりもずっと実感しやすいと思います。

理解力に優れた受け手ばかりとは限りません。正確な情報伝達も大事ですが、場合によっては、ある程度おおまかでも想像しやすい情報の方が、かえって役に立つものです。その場に適したよりよい情報とは何か、改めて考えさせられるきっかけとなった張り紙でした。

627. 風情をかもし出す ふすまの採光スリット

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20103 8

温泉旅行と言えば温泉がメインですが、今回は宿選びにもこだわってみました。贅沢な食事やお風呂を満喫して、さて寝るときのことです。

わたしは真っ暗でないと寝付きが悪いので、自宅では部屋の明かりを全て消して寝ています。しかし、旅館は自宅とは違い慣れない空間です。明かりを全て消してしまうと、夜中に目が覚めてトイレに行くときなどに、どこに何があるかがわからず足元に少々不安を感じます。

多少のリスクはありますが、眠れないと嫌なので部屋の明かりを消しました。室内の電気のスイッチは枕元付近の床の間下部にあり、起き上がらなくても消灯できるように配慮されているんだなぁと感じたのですが、配慮はそれだけではありませんでした。ふと部屋の入口の方を見ると、足元がぼんやりと照らされています。 

ふすま下部にスリットがあり、隣の部屋の光が足元を照らしてくれる

ふすまに採光用のスリットがあるので、隣の部屋(玄関)の光が入ってくるようになっており、間接照明の役割を果たしていました。もちろん玄関の明かりを消していたらこの仕掛けには気付きません。しかし、間接的な照らし方には風情があって旅館のこだわりを感じました。

翌朝、宿の人に聞いてみると、やはり採光用に意図して設計されたことがわかりました。その証拠に玄関の明かりは部屋の明かりとは別の単独スイッチになっており、つけたまま就寝できるようにという意図があるそうです。ホテルなどでは足元を照らすためにフットライトが設置されていることもありますが、自分で明かりをつけるのではなく、部屋を暗くすると明かりがついていると気付ける点に、奥ゆかしさを感じます。宿泊者が旅館で心地よく過ごせる様に配慮されており、宿選びにこだわった甲斐があったなぁと、満足しました。

[補足]

ちなみに、このスリットは採光だけでなくエアコンの風を循環させる目的もあるそうです。エアコンの吹き出し口は室内にあり、吸い込み口は玄関の頭上にある構造になっています。このため、ふすまを閉め切っても風が循環するようです。この旅館の設計士が手がけた他の旅館も、この手法を採用しているとのことです。

626. 手順スッキリ!フローチャートでレシピ

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20103 5

私はよく、料理の本を見ながら食事の支度をします。 最初に作り方に目を通すのですが、なかなか覚えられず、特に初めて作るメニューだと、作る途中に何度も確認しながら…となってしまいます。ぬれた手で本を開くのも面倒ですし、作業を何度も中断するため、テキパキ作ることができません。 そんな折、iPhoneで「ネスレ 心とカラダのバランスレシピ」という無料のアプリを見つけました。料理の種類も豊富で、便利な機能も搭載されており、なかなか人気のあるアプリのようですが、私が特に気に入っているのは、作り方の画面で本体を横向きにすると、「作り方チャート」に表示が切り替わるところです。

作り方画面を横向きにすると、「作り方チャート」を表示
シーフードクリーム・シチューの「作り方チャート」(全体) 画像:ネスレグループ

これを見ると、どんな手順で作るのか、先にどんな準備をしておけばよいかがひと目でわかり、料理を始める前に頭の中をスッキリ整理できます。
また、二つの手順で分けて作っておいたものを途中で合わせて仕上げる、というような複雑な工程も一目瞭然です。

このような表現を、フローチャートと呼びます。難しいシステムなどの流れをわかりやすく図で示すことで、全体像を明確にし、理解しやすくするために使われるものです。それを料理のレシピに転用することで、作業の流れがわかりやすくなり、さらに手順と準備しておくべきことを分けて表示できるという効果が得られたのですね。

これなら私にも、料理番組のように手際よく作れそうです。

625. 和式トイレのつかいかた

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20103 3

休みに友達と日光に行ってきました。現地のコンビニでトイレを借りたのですが、正面の壁におもしろい張り紙を見つけ、思わず記念写真を撮ってしまいました。

和式トイレの張り紙

この張り紙、見ての通り和式トイレの使い方を説明しているのですが、日本人から見るとちょっと笑ってしまうような内容ですね。しかし日光には世界遺産に登録されている社寺があり、外国人観光客も多く見られました。彼らにとって見慣れない形をしたトイレは使い方に戸惑ったり、間違った使い方をしてしまったりと、問題が絶えないのでしょう。さまざまな言語圏から訪れる人々に対し、和式トイレの使い方が文字を介さずに絵だけで表現できているため、シンプルでよくできていると思いました。

ただ、残念ながらこれでもまだ問題解消とはいかないようです。日本では、丸印を「正しい」の意味で使いますが、その使われ方は万国共通ではありません。また、マークの形だけではわからない人が、その色で判断しようとした場合、赤を信号のように禁止の意味でとってしまうかもしれません。より誤解されにくくするために、国際的な記号の使われ方を考慮した上で、以下のような案を考えてみました。 

改善案

基本的な形は統一し、色の違いと斜線の有無で和式トイレの使い方を表現しました。さらに張る場所を考えると、正面と背面に張ることで、どちらを向いた人にも対応でき、より親切になると思います。

624. ワンコの習性を利用したはみション対策

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20103 1

我が家の末弟アル(ヨーキー、6才)はワンコの習性で片足をあげておしっこします。彼は「トイレシートは用を足すところ」という理解をしているようなのですが、足を上げる方向までは考えていないので、すまし顔でシートの外におしっこしていることがあります。おしい、ちょっと違う!でもこの子にこれ以上は無理なのかも。

…そうあきらめて素早い掃除を心がけていたある日。街をフラフラしていたら、ワンちゃんOKのカフェの前で面白い犬用トイレをみつけました。トイレシートを敷き、その上にトイレシートを巻きつけた瓶のような物が置いてあります。気にして見ていると、お他所の犬たちは瓶に向けて上手におしっこしているではないですか。これです!これならうちの子にもできるはず!

さっそく我が家でも試してみることにしました。待つこと数十分。いそいそとやってきたアルはおもむろに片足をあげました。私と母と祖父が固唾をのんで見守る中、そのおしっこは美しい放物線を描いてトイレシートに吸い込まれていきました。感動です。かくして、おしっこ犬で有名だったアルはめったに粗相をしない、かしこいワンコに進化を遂げたのでした。

はみション対策実践中

皆さんもワンコが電柱などにおしっこをかける姿を見たことがあると思います。この習性は、より高いところにおしっこをかけて自分の存在とテリトリーをアピールするためなのだそうです。はみションをみつけるたびに「シートの真ん中に向けるんだよ!すまし顔してもダメ!」としかったりもしたのですが、少し高いところに的を作ってあげるだけで、失敗を減らすことができたんですね。今までしかってゴメンよ…!

◆関連リンク:533. 洋式便座に “ロックオン”~ターゲットポイントが付いている洋式便座~
http://usability.ueyesdesign.co.jp/diary/533.html

こちらは人間の殿方のはみション対策ですね!

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