先日、読者の方から以下のようなメールを頂きました。
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また、悲しい医療事故が発生しましたが、“ミス”で終結しない事を切に願います。
航空機事故を中心に、これまでの日本の調査スタンスでは、ほとんどが、人間のミスとして処理されてしまい、そのミスを発生させた要因の追及がおざなりになる事が多いです。
今回の医療事故も、“看護婦にこれから注意させる”“色分けする”など安易な方法に落ち着くんでしょうが、根本の原因は“注入できる構造”にあるのだと気づいて欲しいと思います。
血管系と内服系のパイプの径を代えるとか、凹凸をつけておくとか、物理的に接続できないようにするべきと思います。
極論すれば、これを予測できなかったメーカ、医療機関、ひいては規格団体の責任であって、“ユーザー”である看護婦さんの責任にして欲しくないと切に願います。
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まさにその通りだと思います。この方もユーザビリティの研究をされている方で、「ユーザビリティで救えたかもしれない」ことを痛切に感じていらっしゃるのだと思います。
今年に入って、同様の医療事故が相次いでいます。そのどれもが「単純なミス」です。
しかし、人は必ず「単純なミス」を犯します。どんなに注意していても、それが人の注意力に依存していれば、「必ず大丈夫」だとは決していえません。
では、ユーザビリティ上の配慮があれば「必ず大丈夫」かと問われれば、そうではないでしょう。しかし、ユーザの判断を、パイプの形状などによって、ユーザの外部に委ねることによって、「単純なミス」をする確率は確実に減らせるでしょう。
今回のことが契機となった委員会では、ユーザビリティ上の検討もされているようです。是非、検討だけで終わらせないで欲しいと思います。
2006年12月14日 at 2:23 PM
82. 航空管制のニアミスについて
佐藤 bad –> 2月4日の朝日新聞の天声人語からの引用です。 「 管制の現場では、むろん、そんなことは意味がない。無機質な数字を操らねばならない。…