28. 東海大付属病院の医療事故


先日、読者の方から以下のようなメールを頂きました。

また、悲しい医療事故が発生しましたが、“ミス”で終結しない事を切に願います。

航空機事故を中心に、これまでの日本の調査スタンスでは、ほとんどが、人間のミスとして処理されてしまい、そのミスを発生させた要因の追及がおざなりになる事が多いです。

今回の医療事故も、“看護婦にこれから注意させる”“色分けする”など安易な方法に落ち着くんでしょうが、根本の原因は“注入できる構造”にあるのだと気づいて欲しいと思います。

血管系と内服系のパイプの径を代えるとか、凹凸をつけておくとか、物理的に接続できないようにするべきと思います。

極論すれば、これを予測できなかったメーカ、医療機関、ひいては規格団体の責任であって、“ユーザー”である看護婦さんの責任にして欲しくないと切に願います。

まさにその通りだと思います。この方もユーザビリティの研究をされている方で、「ユーザビリティで救えたかもしれない」ことを痛切に感じていらっしゃるのだと思います。

今年に入って、同様の医療事故が相次いでいます。そのどれもが「単純なミス」です。

しかし、人は必ず「単純なミス」を犯します。どんなに注意していても、それが人の注意力に依存していれば、「必ず大丈夫」だとは決していえません。

では、ユーザビリティ上の配慮があれば「必ず大丈夫」かと問われれば、そうではないでしょう。しかし、ユーザの判断を、パイプの形状などによって、ユーザの外部に委ねることによって、「単純なミス」をする確率は確実に減らせるでしょう。

今回のことが契機となった委員会では、ユーザビリティ上の検討もされているようです。是非、検討だけで終わらせないで欲しいと思います。

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1 Comment

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