確定申告ネタ続きます。昨年マイナンバー制度が施行され、e-Taxで使う公的個人認証サービスも住基カードからマイナンバーカードに移行する必要があり、遅ればせながらマイナンバー通知カードのバーコードからスマフォでマイナンバーカード発行依頼をしてみました。スマフォのカメラで顔写真を送信することで発行依頼が完了する便利なものです(できあがったら役所から連絡が入り取りに行きます)。

写真はその最後のステップの記入項目です。

電子証明書発行を希望するかどうかと点字の印刷(?)を求めるかどうかを選べるのですが、ここの表現たとってもわかりにくいです。前者は不要な時にチェック、後者は必要な時にチェックするのです。一瞬混乱します。一瞬であろうと混乱するということは、もっと急いでる人は間違えることだってあり得るということです。どうしてこんなややこしいことになっているのでしょう?入念な検討の結果こうなっているのでしょうか?例えば、統計的にみてこの時期にわざわざマイナンバーカードを発行する人は電子証明書目的の人だからデフォルトでは「要」であろう、逆に点字は不要な人が多いだろうということを鑑みてのことかも知れません。そもそも、どのみち電子証明書の手続きは窓口でオプションとして行うものなので(少なくとも住基カードの頃はそうでした)、今この申請時点で要不要を選ぶ理由もよくわかりません。ここで不要としたからといって、何がかわるのか、後日やっぱり気が変わったらどうなるのか、といったこともこのフォームからは読み取れません。マイナンバー制度になって選択肢が増えた、「署名用」と「利用者証明用」の違いもここでは説明されていません。e-Taxで使うには結局どうしたらいいのでしょう?ヘルプへのリンクくらいは欲しいと思います。

他にも色々気になる部分があります。前者は「希望」という言葉を見出しに使い、後者は選択肢に埋め込んでいます。かたや体言止め、かたや「〜する」とサ変動詞だったり。それぞれ別の人が書いたかのようです。細かいですがこういう表現を統一したりといった配慮の積み重ねで使いやすいインターフェイスが出来上がっていくのだと思います。例えばですが、

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希望するものにチェックをつけてください。

□電子証明書(署名用)[?]

□電子証明書(利用者証明用)[?]

□点字

([?]はヘルプへのリンク)

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とかではダメだったのでしょうか?「利用者証明用電子証明書 不要」という漢字13文字にもなるもはや中国語かっ、という文言をよりスッキリ見せるためにあえて()書きにしています。チェックボックスをオンにする=要、というようにGUI部品の意味づけを統一する方が、解釈の負担が減るんじゃないかと思います。一方で操作の負担という観点で、「基本的に証明書が必要な人が多いはずだからデフォルト「要」にしておきたい」というならチェックボックスを予めオンにしておくということもできるでしょう。

政府や自治体の公共システムは民間サービスと違い、使いづらかったら競合他社に逃げられる、といったことも心配する必要がないので、使いやすさ、わかりやすさはあまり重視されません。一方で一度作ったものはそう滅多なことではリニューアルされずダメなことがわかっていてもそのまま使い続けられ、非常に多くの人が不便を強いられます。ちょっとの不便でも長い時間×多くの人に影響しその積は某大なものになるので、どうにかしてこういう分野でも使いやすさ、わかりやすさに投資する気運になるといいなと思います。