写真1. 利用者カード 写真2. 改札ゲート

写真1は最近ちょくちょく泳ぎに通いはじめた横浜国際プールの利用券です。このプールは会員登録不要で、自販機でこのようなカードを購入し、写真2のような無人改札ゲートを通って更衣室へと向かいます。

写真3. 更衣室のロッカー 写真4. 扉裏のカードスロット

写真3は更衣室のロッカーです。空いてるロッカーには写真のようにリストバンド付きの鍵がついており、プール試用中はこれを腕につけておくようになっています。しかし空いてるロッカーに荷物を入れて鍵をかけようとしても廻りません。何故なら、写真4のように扉の裏にカードスロットがついており、先ほどの利用券を挿さないとロッカーが使えない仕組みなのです。利用者としての認証は改札ゲートで既に済ませているのに、どうしてここでまた利用券(=利用権)を示さなければロッカーを使えないのでしょう?

これが地味に不便なんです。σ(^^)はプリペイドカードを使っているので、改札前で財布から取りだして改札を通します。その後つい電車などのクセでカードを財布に戻してしまいます。その後、着替えて荷物を全てロッカーに押し込んで、さぁ鍵をかけるかって段でカードが必要であることを思い出し、再度荷物を全部出して財布を取り出すことになります(たいてい財布の入ったズボンは真っ先に入れるので一番奥に…)。帰りは逆に全ての荷物を持って改札まで行き、そこで初めてカードがロッカーの扉の裏に置き去りであることに気付き更衣室まで戻るはめになったことが何度も。扉の裏という目に付きづらいところにスロットがあるので、意識に昇りづらいんですよね。

先の疑問に戻りますが、あれこれ考えて思いつくのは「一人でいくつものロッカーを占有するのを防止するため?」位です。そんな人いるんでしょうか?いるのかも知れません。もしかしたらいるかも知れない。いたら大変だ。そんな発想でこのシステムがデザインされたのかも知れません。結果として少なくともσ(^^)が目にした範囲では当プールのロッカールームは多少そんな輩がいても平気なくらい余裕があります。それでもハードウェアとしてこういう作り込みをしてしまったので今更止めることもできないのかも知れません。

世の中にはこうした、一握りの利用者の“ずる”を防ぐ為に、他の大多数の利用者が日々不便を強いられて続ける結果となっているシステム設計が多い様に思います(デジタル放送や音楽ダウンロードサービスの著作権保護システムなど)。システムを設計する際には、サービスを提供する側が提示する「これだけは絶対許さない」という条件を満たすことばかり優先してしまいがちですが、利用者視点でそれがどういう意味を持つかも常に念頭においておきたいものです。 

2010.10.30追記:

匿名の方から、こうなってる理由がロッカーの鍵をもってゲートを出て、合い鍵を作れないようにする為であるとご指摘をいただきました。なるほど。それでも結局抜け道はあるということもご教示いただいてますが、ここには書かないでおきます(^^;)。結局のところ犯罪者がちょっと本気を出せば敗れる程度のセキュリティで、無辜の大多数の利用者が常に不便を強いられる点も著作権保護システムなどと同じなんですね。

ちなみにここのロッカーの鍵はディンプル錠になってるので、複製はそれなりに難しいはずです(σ(^^)の知識が古くなければですが…)。